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出会い

以前から、この小説の構想がありましたが、なかなか

形にする事が出来ませんでした。私の初小説です。

読んで頂いて感想を頂けたら幸いです。

 11月半ばの土曜の昼下がり、パァァァーーーーン パ パァァーーン 2ストロ−クの

甲高いエグゾーストが神戸の港町に響きわたる。

 バイクは、メリケンパークの近くまでくると、スピードを落としメリケン波止場にバイクを

走らした。彼はバイクから降りヘルメットを取り、辺りを見渡し自動販売機を探している。

 自動販売機を見つけた彼は缶コーヒーを買いバイクに戻ろうと振り向いたら、長い黒髪の女性が彼のバイクに跨っていた。彼は、潮風になびく長い黒髪に一瞬見とれてしまった。

「いったいどれぐらいの時間が流れたのだろう」って思うぐらい長い一瞬だった。

彼はふと、我に返り彼女の跨る彼のバイクの方へ歩みよった。「あの〜俺のバイク...」彼が

話し終わるより早く「あっごめん、ごめんこのNSR絶版車やのにめっちゃキレイに乗っとんな〜。これ自分のバイク?」彼は自分の愛車を褒められて悪い気はしなかった。     「うん、そうやけど...」

「このNSR、90?(キューマル)91?(キューイチ)チャンパーをJHAに替えとうから排気の抜け、え〜んとちゃうん?」彼女はかなりバイクに詳しく彼が知らない単語を連発し圧倒されていると、「ちょっと、聞いとん?」彼女からツッこみが入った。

「うん、聞いとうけど、んな知らん単語捲くし立てられても、俺、チンプン・カンプンで

わからへんわ、」「ふ〜ん自分男やのに、あんまバイク詳し〜ないんやな。」彼は、ちょっと

ムッっとしたが引き続き彼女のペースのまま会話が進められた。彼は、タバコに火をつけ一服

しようとしたが彼女の矢の様な質問が飛んでくる。「自分、名前は?」「何歳?」「どっから来たん?」「....」「....」色々聞かれたが彼は落ち着いて、彼女の一方的なマシンガントークを聞いていたが、彼がぶっきらぼうに口を開いた。「人に名前を聞く時は、自分から名のるのが礼儀やろ。」彼女は、ハッとした顔をして私「ごめんな〜一方的にしゃべってもて...

、藤崎水月、28歳、OLやってま〜す。」「みずき?へ〜え、え〜名前やな。俺、神代圭吾、

26歳、松岡コーポレーションの営業マン。」水月は、意外そうな顔をして「ふ〜ん、え〜トコ

勤めとうやん。26歳やったら、私の方がお姉さんやな。じゃ私達結婚したら、姉さん女房やな。」(付き合ってもないのになんで結婚やねん!んで、今知りおうたばっかりでHもしてないやん。)圭吾は困惑しながら心の中でツッこんだ。水月は、圭吾の顔を見てクスッと笑い

「冗談やん!圭吾、真に受けんといてよ〜。あっ呼び捨てにしてもた。」水月はバツが悪そうに圭吾を見た。圭吾はやさしく笑って「別にかまへんよ、ツレも呼び捨てやし...その代わり俺も水月って呼んでえ〜?」「あかん、私の事は、女王様ってお呼び!オーホッホッホッ」圭吾はあっ気にとられた顔をしていると、水月は顔を真っ赤にして「ボケとんやからツッこんで〜よ。」安物の漫才の様で2人とも笑い出した。水月はおもむろに「私の事、水月って呼んでえ〜で。私もそっちの方が気つかわんでえ〜し。」その後2人はとりとめのない会話を30分ほどのち、水月が「彼女はおるん?」と切り出した。たぶん男女問わず必ず質問のひとつだろう。圭吾は「んにゃおらへんよ。」「ふ〜んどれぐらいおらへんの?」「2年ぐらいかな」「またなんで別れたん?」

「えらいまた根掘り葉掘り聞いてくんな〜。ん〜〜っ一言で言うと俺の仕事が忙し〜なってもて、任された仕事がおもしろ〜なってもて、元彼、ほったらかしで仕事に没頭しとったらいつの間にか携帯の番号変わっとって自然消滅ってカンジ...」水月は大きな目をクリクリさせて圭吾を見て「へ〜ぇ、圭吾ってマメそうに見えるのにな〜。んじゃイベントん時とか寂しんちゃうん?」

「ちょっとはね、でもこいつがおるから寂しないで!」と言って圭吾は誇らしげに親指でNSRを指差した。水月はニヤニヤと笑いながら「ふ〜ん、強がって!ホンマは寂しいんちゃうん?NSRとやったらH出来ひんやん、モテへん男ほど車やバイクが恋人って言いたがるしな!」その言葉に

圭吾はカチンときて、「じゃあ水月は彼氏おるん?」水月はどもりながら「おっおらへんよ〜わっ悪い!」「水月も俺とかわらへんやんけ〜」圭吾は口調を荒げた。しかし水月は勝ち誇った口調で「私は彼氏がおらへんのちごて、私と釣り合う男が見つからへんから彼氏作らへんだけやん。圭吾みたいにバイクが彼女って言わへんもん。」その言葉に圭吾はかなりムッときていた。水月のマシンガントークは止まらない「今日び、バイクが彼女って流行らへんし、圭吾は自分でカッコえ〜と思とうかもしれんけど、逆にサムいし...」ドゥルンバラバラバラ....圭吾はNSRのエンジンに火を入れた。水月はしまったという顔をし「ごめん、言い過ぎた...」圭吾はおだやかな性格な為キレる事はなかったが、今回は少しキレ掛かっていた「俺、今日初めて会う女にそこまで言われる筋合いあらへんし、水月は男を作らへんのちごて、性格悪〜て男が逃げてまう

んちゃうん!」半分キレ掛かった口調で言った後、圭吾はヘルメットをかぶった。水月は圭吾の腕をつかんで「ごめん、そんなに怒らんといてよ〜」水月は謝ったが圭吾は聞く耳を持たず

水月の手を振り払った「ねぇ来週の金曜お詫びにご飯食べに行こ、晩8時にここで待っとうから。」「勝手に決めんな、俺も忙しいからそんな一方的な約束しらんわ!」と捨てゼリフを残して圭吾は走り去っていった。水月は圭吾の後ろ姿を見ながら「あ〜又やってもた。真也ん時と同じ様にしゃべっとったらあかんな〜せやけどあの子、雰囲気とか仕草なんか、真也そっくりやったな〜来週の金曜来てくれるかな?もういっぺん会いたいな〜」と言いながら水月はメリケンパークを後にした。圭吾はバイクを走らせながら(なんなんや、あの女は、めっちゃ綺麗やったけど性格めちゃくちゃ悪いやんけ〜三ノ宮とか連れて歩くんやったら、え〜けど、彼女にするんやったらちょっと考えるわ〜けどHは一回してみたいの〜あぁっ!携帯番号聞くん忘れとったぁ〜まあええか

あの手の女に深入りするとロクな事あらへんしな!)などと思いながら神戸の街に消えて行った。あの日から数日が経ち金曜のある会社内、「おい、矢野!」「課長なんですか?」「喜べ、出張や明日の朝一東京の本社にいってくれ。この資料全部まとめてな!」そう言って電話帳ぐらいの厚みのある書類の山をデスクの上に出した。「えぇっ!この資料今日中にまとめるんですか?」「・・・」「・・・」「・・・」課長と矢野がデスクを挟んで言い争っている。数分後矢野が同期の川崎と藤森の所にやって

来て残念そうな顔をして「すまん!今晩の合コン行かれへんわ。明日朝一出張や。んで今日中にこの資料作ってまわなあかんねん。悪い他のメンツ誘てくれ。」「マジで〜!今からかいな〜他って今からおらへんで」2人が困った顔をしていると、「神代、帰りました。」と言って圭吾が外回りから帰って来た。

圭吾を見て藤森が閃いた顔をして「なぁ川崎、神代は?」川崎はあからさまにイヤそうな顔をして「神代〜?あいつカッコえ〜から、あいつとコンパ行くとえ〜トコもって行かれるからな〜あんまり気が進まへんのやけど...」「せやけど、まだ神代に声かけてないんやろ?とりあえず神代に声かけてみようぜ。」川崎は渋々神代の所へ行き今夜のコンパの件を話し圭吾を誘った。圭吾は二つ返事でO.Kし今夜に行く事となった。

待ち合わせ場所に圭吾達3人が待っていると、女性達がやってきた。一通り挨拶も終わり、

居酒屋で食事をする事になった。居酒屋に着いた6人は、自己紹介を始め、川崎が「んじゃ、俺からいきま〜す。川崎尚之です。26でこいつらもタメ年で会社の同期で、・・・・・・」色々自己アピールし、女性達

の気を引こうとした自己紹介を長々と行い次に藤森の自己紹介も終わり圭吾の順番が回って来た。「神代圭吾です。趣味はバイクで今日はとりあえず、みんなと一緒に楽しく飲めたら

え〜かな?って思うので、よろしく。」圭吾の自己紹介が終わった後、圭吾の容姿・スタイル

に女性達は、くぎずけになり、

川崎と藤森の自己紹介など、もうどうでもよく女性達の自己紹介も圭吾の気を引くものとなった。女性群の先陣を斬って今回のコンパの幹事である紀子が自己紹介を始めた。「田中紀子です。歳は25歳、3人の中では1番年上です。趣味はバイクのタンデムシートに乗ってツーリングで〜す。」紀子の自己紹介は、明らかに圭吾を意識した物となっていた。紀子はスレンダーな美人タイプの女性で川崎が「あっ、こいつ、バイクの後には女乗せへんで!」やっかみ半分にツッこみを入れた。すると紀子から「う・る・さ・い」とツッこみ返され、たじろんでいるのをしり目に次に絢音が自己紹介を始めた。「木下絢音、24歳です。趣味は、お料理で得意料理は、肉ジャガで私の手料理食べてくれる彼氏が欲しいで〜す。」

絢音は、身長こそあまり高くないが胸が大きく自分でもそこをセールス・ポイントにしているらしく胸を強調する服装でチラチラと圭吾の方を見ながら自己紹介を終えた。そうすると川崎が藤森に耳打ちし「絢音ちゃん、俺のタイプ!おっぱいでかいしメッチャかわいいやんけ〜」

「川崎、お前ホンマにおっぱい星人やな」と藤森は呆れた顔でつぶやいた。最後に久美子が自己紹介を始めた。お世辞にもカワイイとは言えず体型的には太り気味で2人の引き立て役の様にも思えたが「遠藤久美子、24歳趣味は、男のガブり寄り・寄り切り・押し倒しです。以上!」圭吾達は一瞬目が点となり、その後圭吾はツボに入ったらしく大爆笑してしまった。笑い過ぎている圭吾を見兼ねて川崎が圭吾を静した。それを見て久美子は川崎に矢印が出てしまい、コンパの間中、久美子のガブり寄りに合う羽目になった。

コンパも終盤に差し掛かった頃、紀子等3人はお手洗いに立ち、その隙に圭吾達

3人は作戦会議を始め、「川崎、お前久美子ちゃんにエラい好かれとったやんけ〜川崎は、

久美子ちゃんに決定!おめでとう」と藤森がチャカして言うと「俺、いややで〜あんなんお持ち帰りするぐらいやったら今日、そのまま帰るわ。処で神代と藤森は誰狙いなん?ちなみに俺は絢音ちゃん狙いね!」「俺は、田中さんやな」藤森もボ〜っとしている様に見えて、しっかり狙いを定めていたらしく、ちゃかり自己主張していた。「神代は誰狙いなん?お前ホンマ、

カッコえ〜から結構高めの女でも狙えるもんな〜。」「そうでもないで、俺は別に川崎が思っとうほどモテへんし、それに狙とう子も特におらへんしお前ら、がんばって口説けよ!」そう言って2人を励ました。そうこうしている内に紀子達

が帰って来た。しばらくしてコンパはおひらきになり、居酒屋を出ると外は雨が降っていた。

藤森は紀子を送って帰る事になり三ノ宮駅へ歩いていった。川崎は絢音を口説こうと圭吾と

久美子から少し離れた場所で絢音と話そうとしていた。川崎は背中越しに顔を真っ赤にしながら「あの〜もし良かったらこの後、2人きりで飲みに行かへん?」そう言って振り向くとそこには絢音では無く久美子が立っていた。「え〜!ホンマ!行こ行こ!」川崎は久美子に引きずられる様に半泣きになりながら神戸の街に消えていった。絢音は圭吾に声を掛け「神代さん

今度ご飯食べに連れて行ってください。」絢音のまっすぐな眼差しに圭吾は悪い気はしなかった。むしろ男なら逆に嬉しい事だろう。「うん、え〜よご飯食べに行こか!」「ホンマ!やった〜メッチャ嬉しい!約束やで〜」(やくそく・ヤクソク・約束)圭吾の脳裏に1週間前の 水月との一方的な約束がフラッシュバックの様に甦って来た。(あいつ、待っとんかな?)「神代さん、じゃあ携帯の番号教えてよ」絢音が嬉しそうに圭吾の

携帯番号を聞いてきた。「ん、あぁそうやな」圭吾はスーツの内ポケットから携帯を取り出そうとしたその時(あぁそうや、あん時携帯の番号聞かずやったな〜)「神代さん?」絢音が

圭吾の顔をのぞきこんだ。「あぁ、ごめんごめん、え〜と...」圭吾は携帯の時計で今の時間を

見た。P・M10:57だった(水月、もうおらへんやろな〜...けどもし、この雨ん中俺が

来るん待っとったら...けどこの状況メッチャ、オイシいしな〜.......!けど、もし俺の事、

待っとったら!)「絢音ちゃん、悪い俺ちょっと急用、思い出したから今度埋め合わせするわ」そう言うと圭吾はメリケンパークに走りだした。

「あぁ、神代さ〜ん携帯番号〜、あ〜あ行ってもた。急用ってなんか仕事でも思い出したんかな?今度埋め合わせするって言うとったから、おいしいモンおごってもらおかな。」

そう言って絢音は駅へ歩き出した。その頃圭吾はメリケンパークに向かってフラワーロード

を全力疾走していた。だんだん雨足が強くなってくる中、水月の事を思い出していた。

水月の風になびく長い黒髪・女やのにやたらバイクに詳し〜て・ ムカつくぐらい生意気で...

(やっぱ行くんやめよ〜かな....)そうこうしているうちに、メリケンパークに到着した。

周りを見渡すが水月らしい人影は見当たらない、だがよく見ると遠くに人影が見えた。

近ずくと水月が傘もささず立っていた。水月が人の気配に気付いて振り向くと圭吾が

息を切らしながら「こぉのアホ!勝手に約束しやがって気になって来てもたやんけ!」

「え!なんで」「ハァハァ、なんでやあるかい!水月が来いってゆ〜たやんけ!ハァ〜しんど

水月もビシャビシャやんけ〜このままやったら風邪ひくわ。とりあえず、雨宿りしに行こ。」

圭吾はジャケットを傘代わりに水月と2人でかぶった。

その時、水月が泣きながら圭吾に寄りかかった。「えっ!ちょっと水月?」「ごめんちょっとだけ、このままでおらして。」水月の小さく震える肩を圭吾はやさしく抱きしめていた。

ずっと

to be continued


                          

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