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2.壊れない機械を壊そうとした科学者
ある時、意地悪な科学者が壊れない機械をどうにか壊してやろうと
名乗りを上げた。壊れない機械をもしも壊せたら、自分の名前が売れると思ったんだろうね。
科学者は手始めに、機械を高性能爆薬でグルグル巻きにして爆破してみた。
機械は粉々になって四方八方に散らばったけど、次の日には元に戻っていた。
次に高濃度の酸に浸してみた。機械はグズグズに溶けて見る影も無かったけど、
次の日には元気に駆けまわっていた。
最後に原子レベルで物質を消滅させるレーザー装置を使ってみた。
機械は部品1つ残さずに、完全に消滅したように見えたけど、
次の日には忽然と街に現れて、みんなを驚かせた。
頭にきた科学者は腹立ちまぎれに、機械を火山の噴火口に
投げ込んでしまった。そうしたら、ついに機械は戻ってこなかった。
科学者は自分が機械を破壊してみせたと鼻高々になったけども、
それから1年過ぎた後、機械はひょっこり帰ってきた。
なんでも火山の噴火口に落ちた後、マントルの中を流れて、遠路遥々
この星の裏側の国までたどり着いたんだってさ。