まずは、カミオカンデのおさらい
「スーパーカミオカンデ」と、そこで観測している「ニュートリノ」のおさらいをしておこう。東大宇宙線研究所のサイト等を参考にしている。
もともと、スーパーカミオカンデの前身にあたる「カミオカンデ」は、ニュートリノを観測する施設ではなかった。
「核子崩壊」という、普通には、壊れないと思われていた原子核の陽子にも寿命があって、自然に壊れて別の素粒子に代わるのを確認するのが目的だった。これが見つかると、自然界の四つの力を結びつける「大統一理論」の証明に近づく・・・らしい。
計画をした小柴先生によれば、限られた予算の中で、最先端の加速器を使わせてもらえないような、実績の無い学生のために、加速器を使わない素粒子実験をとも、考えていたともいう。
浜松ホトニクス社の20インチ光電子倍増管の開発もあり、カミオカンデが完成してみると、世界最高精度の実験施設になる。
太陽からのニュートリノの観測に使えるかもしれないと、改良を加えた、新カミオカンデが本格的に稼動させたのが1987年1月。2月には、大マゼラン星雲で超新星爆発があり、世界で初めて超新星ニュートリノを観測。1604年以降に起きた中では、地球に最も近くで起きたという。銀河系の中ですら、100年に一回くらいしか起きない。小柴さんが東大を定年退職をする二ヶ月前だ。本当にラッキーというほかない。
これらがもとになり、小柴先生は、ノーベル賞を受賞。カミオカンデも、一躍有名になった。
ちなみに、大マゼラン星雲は、南天の空にあり、日本からは一年を通しても見ることはできない。超新星ニュートリノも、地球を通り抜けて観測されたものだ。