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パンドラ・パンデミック  作者: Alphard
一月 拠点
4/8

今時の流行り

一月某日 昼

 寒い。

 痛い。

「大丈夫? また休む?」

「いいよ……」

 痛い、痛い。

「本当に大丈夫、ですか?」

 少しカタコトの日本語が横から聞こえるが、それどころじゃない。さすがに、毎日200歩動くか動かないかの生活にこの仕打ちはきつかったか。

「大丈夫だってば」

 半ばヤケになって、差し出された手を誰の物かも見ずに振り払った。膝は笑い、土踏まずが痛み、靴擦れも酷い。最低だ。

「あ、その店のパンケーキ! 今流行ってんだよ。行かない? リュウ」

「……分かった」

 気を利かせた夜桜の誘いに、甘える事にする。

「ほらさ、そこの席座って!」

「リュウさん、無理、しないで」

 あぁ、と気の無い返事をして、ボックス席の端にどさりと腰掛けた。

「ゆっくりお茶でもしよう」

 そう言って、彼女は特大のパンケーキを頼む。私とは紅茶を頼み、ぼーっと机の上のメニューを見つめていた。

「もうそろそろ帰る? 服も買ったし、食料も当分は持つだろうし」

「いいのか? まだ昼過ぎなのに」

「リュウさん、たくさん、歩いたし」

 先程買ったばかりのバレッタを着けたシャムが、少し恥ずかしそうに笑う。

「……そう、かい」

 じゃあ、お言葉に甘えて。そして私達は、長い長い帰路に着いた。

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