結闘する旭日旗~海上自衛隊島嶼防備群~
海自島防群の支援輸送艦「しなの」 国際合同演習中に沈没
▲支援輸送艦「しなの」上で着艦訓練を行うF-35JM戦闘機(写真提供=オフロ)
防衛省は4日に開かれた臨時記者会見にて、現在インドのディエゴガルシア島周辺で行われている日中印韓合同演習、通称「リカバリー」における訓練中、日本の海上自衛隊の支援輸送艦「しなの」が沈没したことを明らかにした。
防衛省の報道官によると同日午前、戦闘訓練中に「しなの」艦内で突然爆発が起こり、そのまま浸水しディエゴガルシア島から約36kmの沖合で沈没したとのこと。爆発直後に訓練は中止され、周囲の中国や韓国の艦船が「しなの」乗組員の救助を行ったことから幸い犠牲者は出なかった。爆発の原因は不明で、現在調査を行っている最中だという。これにより「しなの」に搭載される戦闘機、オスプレイ、ヘリコプター、エアクッション揚陸挺の計28の機材うち、展開していた戦闘機全16機とエアクッション揚陸挺1艘、ヘリコプター1機以外は全て海中に没した。また、残存した戦闘機とヘリコプターは中国海軍の空母「広東」に収容された。
今回失われた機材は、政府が約7000億円の経費を注ぎ込んで発足させた海上自衛隊島嶼防備群、事実上の海兵隊の装備の大半に当たる。このことから今後、同部隊の能力が当初の想定を大幅に下回ることは避けられない見通しだ。また、この「リカバリー」演習自体、集団的自衛権の一切認められない非同盟国との演習であることから、アジア諸国に対する示威的な意味があるのではないかと推測する軍事専門家も多数いる。
米軍縮小により防衛力の増強を望む声もある一方で、攻撃的な上陸部隊や対地攻撃機を次々配備する政府の姿勢に恐ろしさを感じる人がいるのも確かだ。戦中、戦後を知る人が少なくなっていく今だからこそ、日本はもう一度、米国の影響力の低下したアジアにおいて日本の果たすべき責任と役割を確認していくべきなのではないだろうか。
朝臼新聞デジタル 3月 14日 18時42分 掲載
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