二話「初めての戦闘で見せ場を仲間に持っていかれる主人公って・・・」
週二とかいってましたけどいきなり挫折しそうです。
from長月 孔
いやはやすっかり忘れてた、そうか今日が模擬戦の日が。あれ?・・・そういえば。
「俺達の最初の相手ってどこの班だ?」
「メリサ達の班よ。火属性でかたまった班だから対策は楽よ。ただ残念ながら私達の班には水の特化型がいないからあまり効果は望めないかもだけど。注意すべきは獣人のナツルね、猫型だからすごくはやいわよ。班のなか
での役目は確実に前衛ね、恐らく魔法は捨ててくるわ。こっちには孔がいるしばか正直には来ないと思うけど・・・メリサだからなぁ・・・」
?なんか含みのある言い方だな。
「メリサだとなんかまずいのか?」
と聞いてから自分でも気がついた。メリサといったら・・・
「別にまずくは無いわ。ただ、あの娘の性格上その普通はやらないばか正直特攻をしてくる可能性もあるのよ。」
そう・・・俺のクラスメイトのメリサという少女はよく言えば素直でまっすぐ、悪く言えば不器用でひとつおぼえなのだ。つまり・・・作戦は『ガンガンいこうぜ!』ってことだ。・・・ある意味厄介かもな。
from黒子
場所は第三闘技場。
いまから行われる模擬戦のルール説明が行われている。
まず一に、降陣式魔法以外の魔法の使用の禁止。魔法は制限されるが属性や武器に制限はない。
次に一班に一人ずつリーダーを決めること。今回はそのリーダーの戦闘不能を条件に勝敗を決める。リーダーには専用の腕章をつけてもらう。
その三、時間制限は15分。これを過ぎた場合残ってる選手の多いほうの勝利とする。
その四、参加者に全員に障壁をはる。障壁の効果はダメージの無効。衝撃は通す。かなりの強度なのでよほどの攻撃でもしないかぎりは破れない。この障壁は対象に与えられるはずだったダメージ分だけ対象の魔力を吸う。魔力が危険域に到達した時点で障壁は効果を対象への睡眠付与へかえる。これによって睡眠付与されたものを戦闘不能とみなす。
その五、戦闘不能者への攻撃は反則と見なす。
その六、審判をつとめる教員は何らかの不祥事が起きたさいに訓練を即時に中止、介入する義務をおう。
以上の六つをルールとする。
とのことだ。腕輪型の障壁の発生装置の配給が終了した時点で模擬戦を開始するようだ。
from長月 孔
この腕輪を全員が受け取った時点で模擬戦がはじまった。今はもう二回戦が始まったところだ。俺らは四回戦目なので最後まで待たなくてはならないのだが・・・
なんだこの試合!!
まず始めっから公平さにかけてやがる!四班の奴ら試合開始前から陣を展開させてやがった。おかげでいきなり前衛はダウン、後衛も余波で大なり小なりダメージがいっている。それでも必死に反撃してはいるもののあいてには前衛が残ってるっという状況下で逆転なんてできるはずが・・・
fromレン
二回戦の判定がおわった。結果は四班の勝ち、ルールで縛られてなかったので不問としたらしいが今後からは反則と見なすという結論に落ち着いたらしい。まだ進級したばかりで仲のよくないクラスメイトのことはあまり知らないが恐らく貴族なんだろう。
初っぱなからあんなことしでかす奴らだ。かりに戦うことにあれば気を付けよう。
from長月 孔
二回戦が終わってからの三回戦、特になにがあるわけでもなく決着がついた。こんな当たり前のことで安心しているのは何でだろうか?確実に四班のグラス達のせいだ。あいつらの顔をみたらわかる、きっと次の試合の時もなにかしでかすに違いない・・・と今は自分の試合に集中だな。こちらのリーダーはヘリムに頼んだ。まさか前衛がリーダーをやるわけにもいくまい。相手のリーダーは・・・やっぱりメリサかよ!ほんとに期待を裏切らないやつ・・・とりあえず一回戦、気張っていくか!
from黒子
試合が始まると同時にヘリムの陣営から影が飛び出した―――孔だ。強化の魔法を一瞬で展開したのかありえない速度で敵に接近する。
ワンテンポ遅れて敵の陣営からも獣人の少女が飛び出してきた、素早さを得りにしているのか手にはダガーを持っている。少女がその手に持つダガーで孔に切りかかる瞬間・・・突然少女が宙を舞った。ダガーを振り抜くより速く孔が拳で打ち上げたのである、ご丁寧に魔法を付加しながら
「無属性魔法―――震肘」
無属性魔法のなかの魔力操作技術のほうの魔法である。内容は単純・・・自身の魔力に強い波長をつけ身体接触を媒体に相手の体に打ち込む技。結果相手の体内で魔力同士が反応しあい深刻なダメージと一時的な魔力の暴走がおきる、優秀な技だがなかなか難しい上に加減を間違えれば相手を再起不能に持ち込んでしまう危険な技。間違っても模擬戦で使うものじゃない・・・まぁ相手の様子を見る限りはちゃんと加減をして打ち込めたようだ。
from長月 孔
まずは一人、次はっと「ちょっと孔!一人で先走んなバカ!!」・・・一旦戻ろう。
とからだの向きを変えるわけでもなくバックステップ数回で手早く戻って来た彼を赤い拳が歓迎した。
体を必死で捻り目の前を炎を纏った拳が通りすぎたのを確認したあと
「ってあぶな!!?」
と全力で叫んだ。
・・・なんで味方に戦闘不能にされかけるはめになるんだ?
「なんで敵を倒して来たのに殴られにゃならんのだ!」
「チーム戦なのにあんた一人で突っ走ってどうすんのよ!模擬戦にならないでしょうが!」
・・・おっしゃる通りです。
とそこにレンが追い討ちをかけた。
「孔、きみが敵陣に突っ込んだら僕たちは敵陣に魔法を撃ち込めなくなるし君も支援が無いうえで敵に囲まれたらきついだろう?ちょっとは考えてから攻撃すべきだよ。」
・・・かさねておっしゃる通りです。
でも俺にだって言い分はある。言い返したいのだが・・・思い出してほしい、俺たちはいま模擬戦の最中なのだ。つまり・・・
「攻撃がきてるぅぅぅ!!!」
あぶなっ!?いまかすった、かすったよぉぉ!!って前髪ちょっと焦げてるし!!?
「ハァ、まったく。堪え性のない人は嫌われるよ?八班のみなさんはまったくもってなってないね・・・土よ 降りくる災厄から我を守りたまえ、『土壁』ウォール。」
とレンが呟くと目の前に茶色の魔法陣が展開されいきなり地面が隆起して壁になった。・・・てか属性指定+単純な命令で4メートルクラスの壁かよ・・・どんだけ土属性が得意なんだよ。
「よっくもやってくれたわねぇ―――」
え?ちょっとミラさん?なにをいって―――
「燃え盛る大火よ!いまここに顕現せして敵を喰らいて力となせ!『侵葬歌』ヴォイドコーラス!」
あっぶねぇぇぇぇ!!?なにいきなり中級魔法何て使ってんの!?ねぇなんで!?しかも侵食系統じゃねぇか!
ほんとにあぶねぇ・・・
『ちょ、なにこれ!?炎がきえないんだけど!?』
『あっちぃぃぃああああああああぁぁぁああ!!?』
『ま・・・魔力が・・ク・・・ソ・・・』
見ての通り一瞬で地獄絵図の完成だ。
『侵葬歌』は簡単にいうと大きな火球。だが着弾後小さくなって周囲に拡散する魔法だ。だが本当に恐ろしいのは炎の性質だ。
まず上位の魔法で対処しない限り消えない、そして燃焼が遅いというもうほとんど拷問に近い魔法である。でダメージ=魔力の減少というこのルールに乗っとると・・・魔力が障壁に吸われ続けてしまうわけだ。エグい・・・てかミラ一人で充分だったんじゃ?てかメリサが相手とか関係なかったな・・・
ヘリムさんもいるんですよ?いるんですけど空気なんですね本当にどうもありがとうございました