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第3夜 ―キミに誓う―

お久しぶりです。激遅筆作家…いや作家と言っていいやら(汗)Revです。

おかげさまでなんとか重病から脱出する事もできこうしてまた書く事も出来ました。なにせ久しぶりですから至らないところなどありましたらお気軽にご意見、ご感想をくださいm(_ _)m


それではどうぞ(・ω・)/




「・・・」


「大丈夫だよ?雅人君・・・きっとお姉さんも嫌な事があったからちょっと雅人君に当たっちゃっただけだと思うよ?」


「うん・・・そっか、そうだよな。きっと帰ったらテーブルにケーキと紅茶が置かれて【ごめんね】ってメッセージカードとか置かれてるよな・・・」


「まっ雅人君、気にしないで!学校行ってみんなと遊べば――」


「そ〜だよな〜じゃなかったらあんなピー!やピー!やピー!!な事なんて弟なんかにしないもんな〜」


思い出せば思い出すだけ鬱になるよ・・・

なんだろうな、きっと俺は不幸な運命になるために生まれてきたんだろうな・・・


「あぁ〜考えるだけでも苦しくなってくる・・・って杏樹?」


「雅人君・・・」





ナンデスカ?ソノ切ナソウナ瞳ハ・・・



「ごめんね・・・いつも私が色々助けられてるのに・・・雅人が苦しんでるのに私、何も出来なくて・・・」


「ばっ、バカ!お前にそんな心配されなくても大丈夫だっての・・・」


「でも、でも・・・」




とりあえず杏樹に背を向けて一呼吸、と・・・




あ゛ぁっー!!もう可愛すぎたな、こんちくしょう・・・一体どうしろってんだよ、この状況は・・・


そうかっ!そうだな!あれしかないだろ。


「杏樹・・・」


とりあえず俺は杏樹を見つめた。杏樹のその瞳は今もウルウルして今にも泣き出しそうなくらいでいつにもまして可愛いなコンチクショウ!


「俺は大丈夫だから・・・そんな顔すんなって。だから・・・」




ここだあぁぁぁ!!このタイミングしかねぇ!!


食らえ!奥義抱きしめ・・・




スカッ。


あれ・・・?



「雅人君雅人君!!今日スーパーの激安デーだよ!?ほら見て?キャベツが50円だって!!」


うん・・・分かった分かった。そうなんだ。俺の人生こんなもんなんだよな・・・


雅人は我ながら自分の生まれの不幸を呪った。




・・・一体ここまでしてくれた代価はどうしろと?もうギッタンバッタンですね。

大変大変!この変な気持ち(本能という名の野獣)を抑えるためにかなり必死なものです!


(落ち着け・・・落ち着くんだ、俺っ・・・・!!)



右へローリング!

左へローリング!

ひたすらローリングローリングローリン――




「ッうヴォうおぇうッ・・・!?」




ピーンピローンピロリロリーン♪


大変お見苦しい状態になっております。チャンネルはそのままでしばらくお待ちください…







「シクシクシク・・・・・」


「ねぇ、雅人君・・・・」


「杏樹・・・しばらく放っておいてくれ・・・・」


何があったの?なんて野暮な質問なんかはこの際聞かんといてください。


「く、くそ・・・俺はこんなところで踏みとどまるわけにはいかないんだ・・・なのに立てないんだよコンチクショウ!!」


『立て・・・』


「こ、この声はまさか!?」


今俺の目の前にはかの有名な片目に眼帯、お腹には腹巻きなるものが巻かれているボクシングの(以下略)が立っている。



「まさかオヤッサン!オヤッサンなのか!?」 


『おめぇさんはまだ頑張れるはずだぜ・・・?立て!立つんだ!ジ〇ー!!』



オヤッサン・・・なんか最後の最後で間違ってる気がしたけどまぁ気にしないでおこう・・・


「うおるあぁぁぁぁ!!」


激しい痛みが中枢から末端へと全身を巡り走るなか、渾身の力を振り絞り雅人は立ち上がった。

落ち着いたその顔立ちには悠々しささえ漂っている。


「うおっしゃぁぁ!!完全回復!オヤッサンありがとぉぉ!準備は整ったぜ!行くぞ杏樹・・・あ?」






ふと―刹那に疑問を抱く。


杏樹の姿が見えない・・・雅人は辺りを見回す。

すでに杏樹がそこにいたという痕跡や気配すらも残っていなかった。


「・・・どこに?」




雅人の疑問はすぐに晴れた。





彼女は最初からそこにいた。



「・・・っ!?」


杏樹はちょうど雅人の真後ろにぴったりとつくようにしていた。

雅人はその姿に驚きよりもまず『疑問』をすぐに覚える




いつから・・・



「いつから・・・そこにいたんだ?」



杏樹は、いや・・・ソレは疑問とは違う答えで雅人へ答えた。



「刻が」







「来る・・・」



刹那、晴れ渡っていた青空は雲に覆われすぐに太陽は姿を隠す。そして辺りにポツポツという音が聞こえてきた時には生ぬるい殺意の風と共に静寂の世界が支配していた。



雅人は反射的に構えた。そこに感じる異質というものを体で感じ取り、そしてそれを行動に移したまでの事だった。



それは選択肢としては正しくはあった。


だが結果はまくまで儚い――




四肢全てが一瞬にして力を失うような感覚、それが雅人を覆いつくし『闇』へと引きずり込む。



「なん・・・だよ!!待てっての。あん―じゅ」



それはまるであの日と一緒だった。




「杏樹・・・!!」


雅人は叫ぶ――







「・・・っうあ!?」



意識が戻る―同時に額に浮かぶ尋常じゃない冷や汗と共に本当の生きた心地を味わった。

もしかしたら自分は今・・・死んでしまったのではないかと疑問を投げかけるほどだった。



「なんだよ・・今のは・・・」



夢、幻影、そう表したほうが実際感覚としては近いものだった。一瞬のようでそれが永劫に続くようなたちの悪い『白昼夢』―そんなものだったと思う。


「・・・杏樹、杏樹は!?」


杏樹はさっきと同じ場面をまるでビデオが巻き戻しをしたかのような、全く同じ姿を作り上げるようにして雅人の目の前に立っている。



しかしさっきの様子と明らかに今の杏樹の様子は違うように見える・・・


そこには神秘的なものさえ放っていた。



 虚ろな瞳、まるで抜け殻のように立ちすくむその姿はいつもの杏樹ではない事は分かっていた・・・


 それは異質、


 それは――



「杏樹――っ!?」


俺は迷わず杏樹の肩を掴んだ。突発的な行動とはいえ雅人の本能というものがそうする事を望んでいたからだ。




「・・・う、うん」

「また、なのか?」


雅人は思う―



「そうかも・・・・ゴメンね」


「バカ言ってんなよ。お前・・・そんな体なんだから無理すんなよ」


 雅人はふと―杏樹のソレを捉えた。




  ――黒き刻印――




雅人は理解していた―




俺達はそれをめぐり闘った。

それは世界をかけた闘い・・・




そうだ。この話はそう・・・あの日、あの夜から始まったんだ。









俺はあの日…彼女と出会った。


「あの…!!よかったら今日一緒にかえりませんか!?」




それが彼女が最初に言った言葉だった。

深く真っ直ぐとした銀色に輝く瞳、淡く濡れたように光るその栗色の髪をしたその姿は彼女が異質な存在である事を物語っていた。




彼女は狼女だった。


それがわかったのはあの日、俺が他愛もない事で彼女にキレてしまった事だった。


「・・・ふざけんなよ・・」


他愛もないこと、そう言って割り切ればかたがつく事だった。だけど・・・



 崩れていく日常への焦燥。




それら全てを吐き出した時、彼女は泣いていた・・・


そうしてしまえば彼女を失う事は十分分かっていた。ただ、俺は何かに疲れてしまっていたのだと思う。




 俺は彼女を失った







目の前に現れた現実には有り得ない存在に俺は『死』を予感した。


震える膝、虚ろになっていく意識。


 そして『恐怖』


眼前に広がる漆黒の翼


獲物を補食せんとする鋭利な牙


 それらは吸血鬼と字なすより他ならなかった。




近づく死への恐怖・・・それを打ち消したのは突然目の前に現れたその存在だった。

全身を体毛に覆われた辺りに放つ獣臭と殺意の塊。


(はは・・・吸血鬼の次は狼男かよ・・・シャレになんねぇ)


ハリウッドのモンスター映画の名場面を何度も見せつけられるようなそんな感覚に雅人は笑いすらこみ上げてくる。それはまるで、童話に出て来るような…そう『狼男』そのもの――



だけどそれは紛れもなく彼女だった。




そして運命は刻を刻んでいく。







俺は彼女の過去を聞いた。

それは今日のこの日までただの日常を過ごしてきた俺には到底信じられるようなものではなく、それはそれほど常識を外れていた。


そして―






  ――刻印――




「この刻印を持ってる者は力を解放するとき世界を滅ぼす…」


彼女はそう言った…



一族を失い…家族を失い…それでも自分を押し殺しその運命を今日まで背負ってきた。






彼女は俺と一緒だった。




だから俺は・・・



「大丈夫だから・・・」



あの日決意した。







(どんな事になったって・・・)


あの時、あの闘いで俺は自分を知った。


(俺は杏樹を支える・・・)


俺はヴァンパイアだったと。


(俺は――)


関係無い・・




拳を強く握り締める。


あの時何があっても彼女を…杏樹を守ると誓った。



(杏樹は俺が守る。)


そう決めた。







ここは雅人があの日ヴァンパイアと対峙した場所・・・高台にあるこの公園は眼下の遥か彼方に広がる街並みを一望出来るそれなりなスポットとしても有名な場所である。


そこに少女は立っていた。


「あの娘・・・」



少し来るのが早かったと思うけど挨拶ぐらいなら・・・


そう思っただけなのに・・・



何よ・・・何よ何よ何よ!!!!



「何なのよおぉ!!あの女はあぁぁぁぁぁ!!!よりによって『お兄ちゃん』の背中に・・・背中におんぶ・・・おん・・ぶ?」


一瞬、口調が極端に変わる。それと同時に少女の頭からはまるで蒸気機関車のように高々とスチームが吹き上がりその場に勢いよく倒れ込む。



そして約3秒ほど動かなかった少女の拳に再び力が入る。



「ぶ・・・ふふふ。ふふふふ!!!」


少女はゆらり、とゾンビが如く立ち上がる。


「ふふふ!!・・あの娘やるじゃない。アタシだってそんな大胆な事やった事ないのに・・・」


そして不意に拳に力が入る。


「あの娘・・・許せない!!!」



少女は歩みを始める・・そして同時にさんさんと降り注がれる日射を放つ太陽の下、ソレを解き放つ。



「待っててね!!『お兄ちゃん』・・・」



少女は空へと翔んだ。怪しき、そして優美なる漆黒の翼を構え―


そして妖しく笑う・・・・





これからも頑張りますのでどうかおつきあいください(´・ω・`)

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