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第1夜 ―非常事態は突然に!?―

とりあえずはやっぱりこの2人!

雅人と杏樹の話です( ´ω`)b





 声が…聞こえる



 それは空虚な刻だった…

 目の前に広がるは鮮血の水たまり。少年はいつもそこにいた…

 すでに四肢には力が入らず辺りには夜闇の色…ただ黒の一色が支配しようとしていた。

 それに堕ちるのを拒まないかのように少年はもう動こうとはしなかった。

 絶望…まさにその言葉が辺りを包もうとしていた。



 せまる夜気の中少年はソレに出会った…ソレは『光』だった。 少年はその『光』を知っていたような気がする・・・


 少年はソレを離したくはなかった・・・


 ずっと側にいてほしかった・・・


 だけど・・・それは叶わなかった






「・・・・朝・・か」


 曙の光が部屋のカーテンの隙間をぬって差し込む。爽やかな朝日は少年の姿を映し出す。


 短くツンツンと立った髪、煌めく鋭利な刃物のように他の存在を拒むかのように砥がされた瞳。人々は皆、恐怖と警告の意味を込めて少年の事をこう呼ぶ…


狂人、核兵器、地上最強の・・・以下略


と呼ばれるほどの人物である。



 少年が深くあくびをしようとしたほぼ同時、すぐ枕元に置かれた目覚まし時計(980円)の音が鳴り響く。


「・・・あぁ〜・・・」


 それを叩き壊すのがこの少年、山本(やまもと) 雅人(まさと)の毎日の習慣である。


「・・・黙ってりゃ・・っせぇなぁっ!コラァッッ!」

 人間離れしたその烈火の如きスピードで放たれた雅人の裏拳は爆発音のような騒音防止条例違反基準を軽く超えた轟音と共に目覚まし時計を吹き飛ばす。

 何度も言うようだがそれがこの山本雅人の毎日の習慣なのである・・・


「ったく、人の眠りを妨げやがっ・・・スピ〜・・・・」


 の〇太が如き神速で眠る雅人・・その技はまさに神業である。




ぴしょん・・・


ぴしょん・・・


ぽた・・・ポタポタ・・・ポタタタタ! 


「うるせえぇぇぇぇ!・・・んっだっつーんだよっ!雨漏りか!?こんちくしょう!?何人たりとも俺の眠りをさまたげんじゃねえぇ!」


 不可解な音によって目を覚ました雅人は窓の外を眺める。カーテン越しでも分かるぐらいに外は快が10個ぐらい付くほどの晴空だった。


「なんだってんだこんちくしょう・・・すっかり目が覚めちまったっての」


 苛立ちを押さえられないまま起きあがろうと雅人は手探りで目覚まし時計を探す。


・・・・・あった!


 この手のひらに当たったのは間違いないだろう、愛用(980円)の目覚まし時計だろう。多少ピシピシパリン!ガシャンッ!バラバラ!パリパリン!って音がしたって大丈夫!そう、時間を示す長い針と短い針さえあれば・・・・



「・・・・」


 皆さんもわかったでしょう?この沈黙が・・・


 はい、答えは?



「針がねぇぇぇぇぇー!」



 その通り!勿論雅人の携帯の時計は午前8時なんかとっくに過ぎているようだった。


「って言ってる場合なんかねぇよ!今日月曜日だっての!学校急が―」


 体が・・・動かない



 ・・・いや厳密に言えば全く動かす事が出来なかった・・まるで金縛りのように体を釘で固定されたような状況はまさに絶対絶命と言った言葉がよく似合っている。


「いや、マジ冗談じゃねえぞ・・・月曜日早々学校遅刻なんてしちまったらー」


ぴしょん・・・


「って冷たぁっ!何だってんだよ・・・全・・く・・・」




 そして雅人は目撃してしまった・・・ソレに・・・




「・・・・ふおおあああぁぁぁぁぁ!」




 言葉にならない魂の叫びと共にソイツは姿を現した・・


 そう・・俺の上に乗っかって・・・


「あ・・杏樹!お前・・何やってんだ・・っておわぁぁ!なんで俺の上に乗っかって・・・杏樹さん?」

 見事に寝ている。何故か杏樹は俺の布団上に掛け布団のような状態になって覆い被さって寝ているようだ・・・これはどうやってもあと一時間は起きないだろう。



 しかしこれはどんな状況なんだ・・・


(んまぁ・・・これはこれで、悪くは・・・)


「・・んぅ〜〜・・キャベツ〜〜そこにあるのはキャベツ〜〜?」



ダメだ駄目だだめたダメだ駄目だだめたヤバいやばいヤバイヤバいやばいヤバイ


 前言撤回!緊急事態!エマージェンシー!非常にマズいよ・・何がマズいかって?


「杏樹さん!杏樹さん!起きて起きて!お願い起きて下さいよ!ほらっ!そのヨダレが俺の顔に落ちて来そうだし!ほらもうっ!あとその距離約3.2センチだって!・・・冷たぁっ!・・・ってまさか、さっきから当たってた冷たい水みたいなやつってお前の仕業かよッッ!」


「・・んぅ〜・・そのまん丸な光沢を放つその緑の球体〜」


「ちょ・・!杏樹!ほんとやめて目を覚まして!俺はキャベツなんかじゃないから!・・・って何故にお前口開けてんだよ!?」




・・・・・・・・・・・



 雅人の願いが通じたのか一時的に止まる杏樹の動き・・・だけど次の瞬間には、さも

「てへっ!忘れてました☆」みたいな素振りを寝ぼけてるとは思えないような煌びやかな動きで見せる・・・

 そして最後に両手を合わせて深々と雅人に食事前の儀式のように素敵なお辞儀をしてみせる。


「いただきま〜す!・・・」


 何の迷いもなく思い切り開いた口を『雅人=キャベツ』に振るう戦慄のような光景・・・もはや雅人に逃れる術は無かった・・




「いやあぁぁぁぁぁぁぁ・・・」


 虚空に響き渡る雅人の叫び。



 それが雅人の1日の始まりだった・・・



なんか書いてて気になったけど…ちゃんと自分の文で書けましたかね?

ブランクが長かったから少し鈍ったような…ビシバシご意見宜しくです!(´;ω;`)

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