遡求、そして…
町内会、及びパート先での過去の出来事を思い出した私は、イラッとして来た。
さらに、もっと遡って、OL時代の上司どもを始めとする会社の同僚たちの行動や発言。
ウチの子たちが通った幼稚園や小学校のPTA。
クソ勝手で横暴な奴も多かったな。
ま、私も他人のことは言えないが。
そんなふうにアレやコレやを思い出し、沸々とした怒りが湧き立ってきた私は、あっさりと前言撤回。反省するのはやめだ、やめだ。
改めて決意する。
それらの次元・時代にタイムリープできたら、全部まとめてお仕置きしてやる、過失致死にならない程度に。
より良い世の中を作ることにも繋がる、と自らに言い聞かせ。
耳元でさわさわと音がした。私は、髪の毛が逆立つのを感じる。
怒髪天を衝くぅ!
その瞬間、私の体は宙に浮く。
え? もう次の時空の旅に出るの? 早すぎ。
タイムリープの仕組みがわからない。いろんな次元の『私』の怒りゲージが一定数を超えたら時空が歪むとか? そんなわけないか。ああ、もう少しゆっくりしたいんだけど!
ザザザザーーーー。
ザッパーン。
どこかから波の音が聞こえてくる。
寄せては返す、その音は心地よい。
うとうとしていたら顔をツンツン突つかれた。手で払いのけたら、何かが鼻をくすぐってくる。
(やめろ)
起き上がって言ったつもりだが、私の言葉は聞こえてこない。
代わりに聞こえてきたのは、「ぎゃーす、ぎゃーす」という鳥の鳴き声。
「へ?」
ぱちっと大きく目を開けた私は悲鳴を上げた。
「と、とり? 鳥!」
体が鳥になってる!
近くを見回すと、たくさんの鳥が波打ち際でバタバタしている。
私も含めて、それらは鳥というより、オオサンショウウオみたいな両生類の尻尾が残っている半魚鳥!
まさか、進化の途中ってコト?
こんな時代までタイムリープしたのか。
(遡りすぎだろ!)
焦って叫ぶが、口から出る音は「ぎゃーす」。
その後も、近くの鳥たちとぎゃーぎゃー叫び合うが、不思議と意思疎通が図れている気がしてくる。どうやら私たちは、魚を取って食べようとしているらしい。
私の周りにいる鳥は、父母や子供たちのような気がする。皆、外見は同じ鳥なんだけども。でも、わかる。多分、彼らは私の血縁や仲間たちだ。
今度の旅は、スケールの大きな旅になりそう?
なんと一から、よりよい世界を創る旅が、こんなところから開始するのか。
武者震いし、翼を広げ上を向いた私は、「頑張ろう」と叫んだ。
けど、その声はやはり「ぎゃーす」だった。
もう、ほんっとすみません m(__)m
アホみたいな物語に、最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました!




