撃たれた⁉︎
議員会館は、議事堂の裏から繋がっているくらいの距離なのだが、一度外に出て国道を渡らなくてはならない。古めかしい建物の裏を通って国道に出た時、なぜか私は昔を思い出して懐かしい気分になる。フンワリとしたあったかいもので、胸の中がいっぱいになる感覚。ここが歴史のある建物だから?
今回、時空を旅して、私は若返ったのか何なのかわからないが、もう一度人生をやり直している。ただ、小刻みに異次元転移を繰り返しているために、やり直しとは言えない、単なる仕返しの旅になっているのだが。
ということは、この次元の私も、何かに誰かに仕返しするのだろうか?
「ここです。今日は一日事務室で待機して勉強ですね。支援者の方が13時に来られるから、お茶のご用意だけ手伝って下さい」
建物を指差した菅生くんが、私のほうを振り返って声をかけてきた時、おや? という顔をした。
私も振り返る。その瞬間、ものすごい衝撃を喰らって後ろに倒れた。
「花村さんっ!」
菅生くんが叫びながら、私のそばに駆け寄る。
全身、激しい痛みで息ができない。次第に意識が遠のいて行くのがわかる。
辺りは騒然としている。
「救急車! 救急車!」
「そいつを捕まえろ!」
ぼんやりした視界に、拳銃を右腕からダラリと下げた男がいるのが見えた。目がうつろなそいつは誰だろう。全く見覚えがない。でも、私のほうを見て、男がニヤッとしたような気がした。
その瞬間、私は気づいた。
異次元転移は、私の復讐の旅と思っていたが、私自身が復讐されることもあるということを。そんなことを体験するために転移していたの……?
私が恨んでいた人間が存在していたように、私のことを復讐の対象としている人間だっているはずだ。どこかの次元では、殺したいくらいに恨まれることをしでかした私だっているはず。つか、この次元の私が、まさにそうだったのだ。




