表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/31

ふとした疑問

「ただいまぁー」

「ミキ、どこ行ってたん?」

 母に聞かれ、「う? まぁね」とごまかす。

 居間にオレンジ色の掃除機が置かれ、母はぞうきんを手にしている。私が破壊して飛び散った土壁を片付けていたらしい。


「懐かしいなぁ。この掃除機の派手な色、モダンなデザイン。あ、そうだ。おかあちゃん、ごめんなさい。壁壊してしまって」

「え? 何て?」

 そうか。やはり母は、私がやったということに気づいていない。


「ううん、なんでもない。あれ? かおりちゃんは?」

「やっぱりお医者さん行ってみる、って帰ったよ。じんましん、もう引いてたけどな」

「そう」

 明日、タノセンは学校に来るだろうか? 怪我の程度はわからないが、死んではいないだろう。


「どうやったら奴を反省させることができるんだろう」

「なに? 反省させるって?」

「イヤ、こちらの話」

「さっきからナニ変なことをぶつぶつ言うてんの。それにしても、壁どないしよう。今日のところは、とりあえず紙貼っとこか」


 母は、押し入れから大きな紙箱を出して来て、その中に溜め込んであるデパートの包装紙をいくつか取り出し眺めている。

 この世界の母も、私の住む世界の母と同じことをしていて、少しだけ安堵した。


 明日、タノセンに真実を教えてやるべきか。ここにいる私は、違う世界の住人であることを。しかし、おそらく信じないだろう。それに、また次元移動が起きたとき、次に来る『私』に迷惑をかけてしまう。違う次元の住人である『私』も、チート能力を持っているかわからないし。


 私は、今後も行く先々で暴れ回りそうな予感があるが、そういう行為は『私's』(わたしず/私たち)を困らせることにならないか心配になってきた。

 そして、この世界に住んでいた本来の私は、今どこにいるのだろう。

 そこまで考えて、ふと疑問が生じた。


 パラレルワールドを旅するというのは、まあいい。いや、おかしなことではあるけれど、この際その前提は無視しないと話が進まない。ではなぜ、同じ年頃の『私』にならないのだろうか。

 意識だけが旅をしているとして、なぜ、過去に戻るのか?

 令和まで生き延びた私が、昭和の悪しき慣習をぶっ潰すためになのか? 単に復讐するためになのか?


 いきなり、十六歳の高校生になり、次は十二歳の小学生。

 ということは、次はまさか『ょうじょ』⁉︎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ