3 永久機関
「なあなあ、これ永久機関じゃね?」
アカリは、炎を見せながら、そう答える。
「そういやそうだな。大気中のマナ的な物使ってるのかな?」
「ならあれだね。使いすぎると、地球温暖化みたいになりそうだな」
「たしかにそうだな。でも、マナを氷に変えることができるなら、地球温暖化も止まりそうだけどな」
「確かに。じゃあ、環境異常……地球崩壊……どれも対処できそうだな」
地球崩壊は、テレポートがあれば良いわけだし、環境異常は、地球の平均気温とか、そこら編をなんとかしたら大丈夫な気がする。
「ね。すべて解決じゃん」
「そうだな。すべて解決だ。
「まあ、他に魔法使いが入ればの話だけどな」
「それね」
「まあ、とにかくこれをどうやってお金に変えていくかだな」
レイが話を本題に戻す。
「お、忘れてた」
「でも、思いつくだけでもたくさんあるよな。まずは、料理をするときに火が要らなくなるし、火力発電みたいにできるだろうし
「それはもっと炎が大きくなればだな」
「できるでしょ?」
「おう。なんか、少しづつなれてきた気がする」
「じゃあまずは、ずっと炎をつけたまま、練習をしてもらってだな」
「おいおい、大丈夫なのか? そんなんで」
レイの適当な練習方法にアカリは疑問に思う。
「大丈夫。今レイは魔法のようなことをしている。よく考えろ? この国には魔法の国に行ったらどんなことが起こるか、どんなことをすればいいかのガイドブックにあふれているじゃないか! それを活用しないでどうする?」
レイがふざけて真面目だった。真面目にふざけるの逆……日本語になってるかな?
「おー、たしかに!」
なぜか納得したらしいアカリは、早速火をつけたまま会話を進める。
そう、このときのために、我が国は、異性転生物、漫画、その他諸々を備えてきたのだ。
あの、なんの取り柄もない主人公が、異世界に行くとモテ始める。いやいや、お前なんかモテね―だろというような人でもモテる。いや、たしかに、女性は経済力を見るとか言うし、将来の成功度を見るから、どんなへなちょこなやつでもモテるのだろう。
別に悪いとか言うつもりは全く無くて、本当に賢いな―と思っている。それに比べて、男は一目惚れという名の便利な言葉を使って、すぐいろいろな人にこいするからな……。
とにかく、ということは、アカリはモテるということだ。これからの人生。
で、俺は、アカリのおこぼれで、お金をくれるかもしれない。……いま政府に売ったら、いくらのお金が入るのかな?
そんなことをレイは邪推する。