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第二の事件編-4

 シュトーレンは上手くできたが、夫との関係もよくはなっていない。昨日の一件でよくなりかけていた菜摘との関係も危うくなってしまうし、夫はプレハブに引きこもり中。


 何もかも上手くいっていないようだ。


 気づけば明後日はクリスマスイブだ。何か手がかりが掴めるかもしれないと学園に行くことも考えていたが、朝比奈が殺されしまった以上、やる気もそがれてしまっていた。


 とりあえずノートを閉じ、メールが届いていないかチェックしてみた。事件に少し関係する栗子や橋本ちゃん、島崎からはメールが届いていなかったが、猫子先生からメールが届いていた。


 猫子先生は、夫と共同で仕事をしているホラー漫画家だ。坂井智香の事件を調査中に知り合い、仲良くなった。その縁で夫と仕事をする様になり、結果的に『愛人探偵』の売り上げを伸ばそてくれた幸運の人物でもある。いつも猫耳カチューシャをつけて居る個性的な男ではあるが、心根はピュアで夫とも気があっているようだ。


 なんでもUZの面子で忘年会を開くというので、参加しないかというお誘いだった。UZは「本の打ち切りを絶対許さない会」の通称であり、坂井智香の事件のときに文花も入会。


 猫子先生がリーダー的存在で、猫子先生のアシスタントの井村、少女小説ファンの橋本ちゃん、ライトノベル好きのラッキーさんがメンバーだった。そんな名称の会ではあるが、ただ猫子先生の家で飲んで食べるだけの会だ。お互い本名や職業などはよく知らないが、なぜか気の合う面子だった。


 忘年会は明日行われるのだそうだ。急だったが、多忙な猫子先生に急にスケジュールが空いたというので忘年会を開催する運びとなった。夫も誘って来てもいいともメールに書いてある。


 今のどんよりとした八方塞がりの中、これは良い気晴らしになるかもしれない。文花は是非参加したいとメールを送った。


 

 翌日、探偵事務所のパートを終え、まっすぐに猫子先生の家に向かった。


 探偵事務所のパート中に向井に事件の事を相談したが、結局証拠がないと結論が出なかった。さらにどんよりとした気分になり、猫子先生の家のチャイムを鳴らす。


 夫にもこの忘年会を出る事を誘ったが、新しいミステリの企画を練っているそうなので行けないという。とりあえず恋愛小説の仕事はひと段落したようで、それは安心できた。


 これで本格的に恋愛小説はやめるようで、朝出版から依頼されていた『余命666日の花嫁』の二番煎じを書く仕事は断ったそうだ。夜出版の町田からは恋愛小説をこれ以上書かない事に不満らしく、文花に元にも文句のメールが届いていたが、どうでも良い事なので無視していた。もう、恋愛小説などウンザリであった。


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