哀星、波浪。
浅い朝が薄っすら溶けた。
雨になって降りなずむ。
蜘蛛の雲が僕に噛みつく。
毒はないのに苦しいな。
奇妙な君がくすりと嚥下。
鋭くなって泣き出した。
白の城は崩れていった。
何も残らない。
砂もない。
豪雨の中。
傘を閉じた。
水面下は。
ここの様だ。
振りかぶった。
傘を地面に。
叩きつけて。
折り砕いた。
雨が雪ぐ。
この身の罪を。
僕は進む。
後ろ向きにさ。
口を濯ぐ。
吐き出したのは。
君への哀と。
おにぎり二つ。
哀星、波浪。
君はどこなの?
僕はここで、波を見ている。
憂星、売買。
僕はここだよ。
君はどこで、何を見ている?