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異端なる白銀の後継者  作者: れとると
——《入学》編——
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桜華

 6月11日22時40分僕は小野目おのめさんが運転するトラックに乗り東北高速道を走っていた。


「ごめんね、こんな時間に出発する事になって」


 小野目おのめさんは昨日一日中僕に付き添っていた為に、自分の準備が出来なかった。


 今思えば2日後に東京に行けとは中々の無茶振りではあるな……。

 その無茶振りに対応出来る小野目おのめさんも中々だ……しかも準備を半日で終わらせてしまうとは……。

 荷物を運び込むのを僕も手伝ったのだが仕事道具ばかりで生活道具は余り見当たらなかった。

 ミニマリストなのだろうか……。


「フゥー」


「どうしたーため息なんてついて、やっぱり不安?」


「そうですね、やっぱり不安なんだと思います。東京では思い出したく無いあの思い出が頭を過るんです」


「……なんか、ごめんね」


 気を使わせてしまった。

 この発言には僕の心の弱さによるものだろう……

『僕可哀想でしょ』『助けて』『慰めて』

 自分を卑下し、自分を守っている


 僕……いやこれは『人間』の本質、弱い種族だから群れを成さないと戦えない

 ……そう考えると『人間』は弱い心であるから、一騎でも十分だと傲慢たる鬼と戦い続けられるって事だろうか?


 そうなると僕の発言は正しかった事になるのだろうか?

 ……うん、正しかった事にしておこう。


「そういえば、一昨日のゆきさんの話を聞いて不思議に思った事は無い?」


「何ですか?」


伏見ふしみくんも、授業で慈愛じあいの白き鬼を習ったよね?

 あの話と教科書の違う所は多々あったけど、誰が残したと思う?

 やっぱり考えたくは無いけど鬼童丸きどうまるが予想した通り村人と鬼が手を組んでいた?ってなるんだよね」


「人間側は村人の命の保証、鬼側は陰陽道の偵察用とかですかね」


「そうよね……でも村人の村を壊す事までするかな? 村の存在は村人の命に関わるものじゃ無い?」


「確かにそう考えると不思議に思えてきますね……」


「……ごめん、雲を掴むような話は辞めて、今は現実味がある話しようか」


 確かに今考えた所で何か出来る事は無いのだろう。


 東北高速道に入ってから一時間パーキングエリアに入り小野目おのめさんは休憩がてら今後の話を確認も含め説明してくれた。


「飲み物コーラでよかった?」


 夜になってもここ例年この時期は蒸し暑く、キンキンに冷えたコーラは最高美味しいものであった。

 小野目おのめさんはブラックコーヒーを飲んでいる、かっこいい大人はどこまでもかっこよくなるものだ

 僕もこの様にかっこいい大人になれるだろうか……


「さて、これからの事だけど先ずは高校に入学するにあたって、天城あまぎさんと交わした契約は覚えてる?」


 一.天城あまぎ小野目おのめの許可がない限り鬼の魔力は使わない事。


 二.天城あまぎの許可がない限り、本部兼学校の敷地以外の外出するは出来ない。

 又、外出する際には小野目おのめの同伴が条件である。


 三.伏見ふしみの鬼化の事は天城あまぎ下国しもくに清水せいすい小野目おのめしか知らない事である為、他言無用である。


 四.上の条件を飲まない場合、アビスへの投獄となる。


 五.伏見ふしみは特待生として入学する為、学費は免除され毎月三万の現金支給をするが、この事も他言無用である。


 六.友達百人作りましょう。( ˊ̱˂˃ˋ̱ )


「覚えますけど、最後の何なんですか……」


「そうだね、……頑張ってね」


「……」


「よし! 次はこれからの事を話そっか」


 一.住まいは学校の敷地内にある寮で暮らす。


 二.学校生活中は天城あまぎ特製【魔力封印符】を使うこと。


 三.高校入学までの九ヶ月間は小野目おのめと修行すること。


 四.小野目おのめの事は先生と呼ぶこと。


「はい、質問どーぞ」


「いくらかありますが……、取り敢えず【魔力封印符】って何ですか?」


「そっか【符】も【SDT】も知ってる訳無いよね」


 神経伝達ツール、通称【SDT】ウエストバックの様に腰に装備する。

【SDT】には8っの符をセットするスロットがあり、符をセットすると電気信号が神経を伝い脳に達すると人間の能力を向上させる。

 人の脳は10〜16%位しか使われていないと言われている、だがSDTから送られてくる電気信号は脳を活性化させ陰陽道は超人部隊を作り出すのに成功していた。


【符】はSDTにどの様に電気信号を脳に伝えるか示す地図の様な物。

 例だと、探索呪術フィールドワークなど。


天城あまぎさんが造ったこの符をセットしていれば常に鬼の魔力が封印されるって事ね。

 はい、一点物だから大事にしてね」


「ありがとうございます……、それと修行というのは?」


「それはね、陰陽道の学校と言う特殊な学校に行くんだからそれなりの準備みたいな感じかな、伏見ふしみ君見てて鬼の力抜きで私が感じた印象は一般ピーポー、まぁ平均点って感じだね。

 だから入学まで私が体術から勉強まで叩き込むって事よ」


 一般人か……


「だから『先生』何ですね」


「それもあるけど、まぁ後に分かるよ」


 ……?


「さて、大分休めたしそろそろ出発しますか」

 腕を伸ばし、首をポキッポキと鳴らし一呼吸置いて車を出発させる。






 ——4月1日

 初めて歩く道、道路端には満開の桜が生い茂り心地よい風が花びらを装い僕の体を吹き抜けていく。

 東京に来てから9ヶ月、僕の選択が吉か凶か試そうじゃないか。


 ここ陰陽道関東校【稲荷山いなりやま学園】で……


 さぁ踏み出そう、希望への第二歩目を!






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