プロローグー5
連続投稿5日目です。
クソ短いです。
謁見の間から自身に割り当てられた部屋に戻ると、男はここまで被っていた礼節の仮面を引き剥がして溜め込んだ異世界への愚痴を吐き出し始める。
曰く食事がマズい。
曰く自分に向ける目が無礼。
曰く勇者である自分の扱いが杜撰。
曰く割り当てられた部屋が汚い。
曰く生活が不便。
曰くーーー曰くーーー曰くーーーーーー
誰にも聞かれていないと確信しているのか好き放題に勝手な不満を垂れ流す男。だがーーー
「あぁ、でも……あの女は欲しいなぁ」
下卑た笑みを浮かべ欲望を口にすると、男はようやく不満を引っ込める。目を閉じればすぐにでも思い出せるあの整った容姿とドレスの下に隠れる肢体。下卑た笑みを深め、男は何度目かの独白を紡ぐ。
「まぁこの国の奴らはムカつくしぃ?勇者である俺を敬わない奴なんて、しょーじき助けてやる義理も恩も無いがぁ。あの女が死ぬのは困るし、テンプレ通りなら勇者には嫁が付くもんだよなぁ♪だったら女のついでに救ってやるかぁ」
自分の掌を眺め、自身に与えられた神の加護に思いを馳せる。神に与えられるに相応しい加護の能力。これさえあれば、今度こそ自分に相応しい世界が出来る。その甘美な想像に湧き上がる愉悦。それをどうにか抑えながら、しかし男の表情には大きな笑みが刻まれていた。
如何だったでしょうか?
なんかプロローグ終了して早々にネタと言うかプロローグと構想を繋げるのに難儀していますが、どうにか連日投稿を継続出来ればなと思っています。
では次話にお会い致しましょう。