第7話 異世界
正月も仕事…我に休みを~。
ホント休みをください。
眩しさが落ち着くにつれて目が慣れてくると、そこには木々が生い茂る森の中のようだ。
「あれ?学校の職員トイレに居たはずなんだけど…」
「ここはどこなんだろうね~。うわっ!」
「どうした?って…えっ!」
4人が驚くのも無理はない。自分達の周りを取り囲むような形で弓を構えられているからだ。しかも、その囲んでいる者は、尖った耳が特徴的な容姿の整った顔でサラサラな髪をしていた。いわゆるエルフのような者たちだったからだ。
「6j5くぁfういmkq!!」
「何を言ってるかわからない。とりあえず、敵意はありません。話しの通じる人はいないんですか?」
真は両手をゆっくりと上げながら会話を試みてみるものの、ここでは日本語は通じないようで身振り手振りでこちらの意図を伝える。しかし健闘むなしく縄で縛られてどこかに連れていかれている。逃げるにもどこに逃げてよいのかもわからないし、ここがどこだかもわからない状況で、しかも相手は武器を持っているため下手なことをしてしまえば殺される危険まである。それでも4人はエルフについていきながら、不安のあまり小さな声で話しをしていた。
「真~どうしよう~。ってかここどこなんだろう?」
「俺もわからないよ。急に森の中に居たと思ったら、エルフみたいな人たちに囲まれて弓で狙われてるってどういう状況だよ…。」
「もしかして、よくラノベとかにあるいわゆる異世界転生ってやつか?」
「兄貴は、ほんとそういうの好きだよね~。ってか兄貴だけなんだか嬉しそうじゃないか?」
この状況下で、顔がニヤけてしまっていることを指摘されて普段の顔に戻そうとする竜であったが、どうしても現状が楽しくてしょうがない様子の竜であった。桜は、こんな状況にも関わらず楽しそうにしている竜を見て少し気持ちが落ち着いてきていた。
「竜先輩?なんでそんなに楽しそうなんですか?」
「ん?そんなに楽しそうにしてた?今、もしかしたらと思って自分のステータスを見ているんだよ。」
「「「ステータス!?」」」
「g84いs4dq!drちd¥!」
「なんでもありません。」
やはり言葉はわからないし、伝わらないので身振りでなんでもないことを伝えるとなんとか静かにしていることでエルフも弓を構えるのをやめてくれた。
「声が大きいよ。みんなも自分のステータスが見たいと強く念じてごらん?」
「ん~。あっ!ホントに出て来た。」
「ん~。これが私のステータス。」
「俺もステータスを出してみたけど、この数値が高いんだか低いんだか全然わかんないな~。しかも、昔兄貴が言われてラノベ?とかも読んだことあるけどこういう時って異世界言語を理解するスキルが必ず持ってたりするもんじゃないのかよ…」
(すみません。あまりにも女子たちと楽しそうにしていたので、異世界言語スキルを入れるのを忘れていました。全然、これぽっちも妬みやリア充に対する嫌がらせをしてやろうと思ったわけではありません。少しくらい苦労して…ごほごほ)
「兄貴は、昔から中二病ちっくなところがあったり、妄想癖があったりもしたけどそれがこんな時に役立つとはね~。」
「真~。誰が中二病の妄想癖の役立たずだって~?」
「悪かった。けど、兄貴一回落ち着いてくれ。次騒いだらやばいって…」
「確かに。」
「ん?そういえば、兄貴?ステータス見てから、なんかだいぶ普通になってない?」
驚くのも無理はない。こんな状況下でいつも通りの会話ができちゃってるくらいには、竜が落ち着いている。それにつられて他のメンバーも徐々に頭が冷静になってきてはいるも竜ほどの変化は普通はありえない。それには、竜のステータスが他の三人とは違い職業の欄が記載されていたためである。
異世界言語の習得には、苦労して欲しいもんです。こんなに女の子といちゃいちゃ…ごほごほ。
ちなみに、エルフ語は適当な文字列ではないので、簡単な謎解き要素が入ってます。暗号のようなものなので、好きな方は解いてみてくださいね。閃ければ誰でもわかる!