第2話 日常②
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キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
「終わった~。早めに移動しておかないと練習場所なくなっちゃうんだよな~。」
中川愛梨は、授業が終わると足早に実技室へと向かった。実習室は、普通の教室を2つが合わさったような作りで60畳くらいの広さがある。その中には、18台のベッドが均等に並びそれぞれ4つずつ椅子が食卓の様に並べられている。壁側には、手洗い場や包帯巻き機、棚がいくつもあり、その中でも人体模型がいくつもあり筋肉がわかりやすくなっているものから、骨のみのもの、内臓がついているものなどもある。
「よし!一番乗り~。今日はどのベッドが良いかな~。ここは、前回人通りが多くて集中しづらかったから~こっちかな。」
前回入口から一番近いベッドで練習会をしていた時に、練習中も色んな人が出入りがあるため周りを気にしながらの練習となった。そのため今回は、入口から反対側にある窓際のベッドに荷物を置き、他のメンバーの到着を待っていた。
「「よろしくお願いしま~す。」」
「よろしくお願いしま~す。おっ!おつかれ~。ってか愛梨いつも早くね?」
真も授業が終わり早めに実技室まで向かうも毎回愛梨より早く着けたことはない。
「真先輩、律儀にちゃんと一礼して実習室に入るんですね。」
「お前くらいだよ!礼もせずに一番乗り~って大声で叫んでるやつは…」
「あれ?聞こえてました?ってか礼はしてますって!」
「どうだか…」
「(やべっ…そんなに声大きかったんだ。礼してないのもバレてる。次回から気を付けよう。)」
心の中で考えていても、愛梨の顔にはわかりやすく考えている雰囲気がでてしまっている所為で、真にはやってないことはバレバレである。
「みんなのために早くベッド確保してあげてるんだから感謝して欲しいくらいだよね。」
「そうでした。そうでした。愛梨さんのおかげで私たちは、いつも居残り練習ができるのでしたね。感謝感謝。」
真は、そう言いながら愛梨を拝んでみる。
「そうそう。そういった言葉を相手に伝えることはとても重要なこと…って拝むんじゃない!全然、感謝してないじゃない。」
「えっ!そんなことはありませんよ。愛梨様に会えるだけで日頃からありがたいと思っておりますです。はい。」
「その喋り方は何!愛梨様って普段私の名前を様付けで呼んだりしないでしょ!バカにされてる感がスゴイんだけど…」
「「「よろしくお願いしま~す。」」」
二人がそんな会話をしていると、他にも終わった生徒たちが続々と実技室に集まってきた。やはり、みんな入る前に、しっかりと一礼をしている。
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