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第1章 42話 「遊軍配置」

30日

戦争開始まで残り38:00:00



午前10時

溝尾を除く俺達2班のメンバーは一昨日の予定通り作戦をカール先生に解説される運びとなった

溝尾は戦士の称号を得てない為、軍曹の下で補給部隊の説明を受けている


正直、戦争の経験なんてあるはずも無く

何処か実感が湧かない所があったがこの作戦を聞いた時より、大分戦争の気配を肌に感じられる様になっていた


恐怖もあるが、どちらかと言えば

ゾクゾクとさせる高揚状態の方が強い


いつから俺は戦いに高揚感を覚える様になったんだろうか……



先生が俺達に伝えた戦争の流れ、敵軍の詳細、自軍の布陣配置、及び俺達の役割は…


開戦日時、場所

・深夜31日から1日に日付が変わるタイミングで開戦

・主戦場はエルムサルトより10km西

アデン城塞前平原


敵軍

・兵数約6,000〜7,000

・指揮官は大司教級神官2名

それぞれ兵数2,500ずつを指揮

・部隊長として司教級神官6名

・小隊長として司祭級神官15名


・アデン城を背に平原に半月状に布陣するものと思われる


自軍

・兵数約3,000

・指揮官は魔導長アウグスト、兵法指南ブレア、軍団長ガルグリフ

・それぞれ兵数500、1,500、1,000を指揮

・アウグスト軍は敵の進行を阻止する事が主眼の重装防衛部隊で編成

・ブレア軍は敵軍左翼に対応

・ガルグリフ軍は敵軍右翼に対応

・アウグスト軍の後方にリーゼリット率いる衛生治癒部隊、約50名が待機

・カール、及び指揮下2班は遊軍として配置


・自軍は左翼、中央、右翼と三方に布陣


おおよそこんな所だ



そして、多大な情報量に反比例して、カール先生から俺達に出された指令は至極単純なモノだった


「あなた達は遊軍として配置します。

一応、私の指揮下といった型は取ってはいますが、戦争が始まれば私にも私の役割があります」


「要するに、戦争中暫くはあなた達と共に行動は出来ないという事です

……意味がわかりますか?」


「あなた達は自分達で考え、策を練り

自分達で敵を見つけ、戦うのです」



俺達は自分達で考え動く遊軍

たった3人といえど動き方次第で英雄にも戦犯にもなるのだろう


案外、字面に反して大役だ



先生はその後

敵軍の幹部クラスや地位の情報を教えてくれた


まず敵軍トップクラスの地位

「枢機卿」

現在、アデン大教国には2人の枢機卿が居るらしい



1人目の枢機卿は戦争の発端であり

アデン大教国を統治する女帝「ヴェスティエラ」

危険度?ランク


個としての力は全くの未知数

恐らくアデン城内部から指示を下すものと考えられ、戦場で遭遇する確率は低い



2人目の枢機卿は

聖教国からの援軍と思われる壮年の男 「ルガー」

危険度B〜Aランク


あのパブーンがEランクの指標でB〜Aランク

因みに武装状態のエルムサルト一般兵の平均がE-

一般兵が何百何千と束になっても擦り傷さえ与えられない正真正銘の豪傑

ルガーを見たら見つからない内に逃げる事

それ以外の選択肢は全て死に繫がるとの話

絶対に俺達が関わるべきではない



次に敵軍幹部クラスの地位

「大司教」

リーゼさんが元々就いていた地位

現在、アデン大教国には4人の大司教が存在



1人目の大司教は長らくアデンの外交や政策に携わっている高齢の切れ者「オウル」

危険度E〜Dランク


武官よりも文官よりの上、現在60歳を超えており個人としての危険度は高くはない

城内に留まる可能性が高く、遭遇率は低い

万が一、発見した場合は捕虜として殺さず捕まえる事



2人目の大司教、野戦指揮官で右翼軍を担当すると考えられている「デズモンド」

危険度C〜C+ランク


現在のアデン大教国の軍事部門の事実上のトップ

軍単位での戦術、戦略の指令は言うまでも無く、個としても強力な聖法術と卓越した剣技を併せ持つ難敵

嘘か真か武器として魔力喰らいの魔剣カサスを使用するとの噂 ”竜殺し”の異名で呼ばれる

戦場では右翼軍後方で構えると思われ、デズモンドの殺害はブレア軍の最終目的となっている

捕捉した場合、ブレア軍と合流して交戦する事



3人目の大司教、同じく野戦指揮官で左翼を担当すると思われる「アルマダ」

危険度D+〜C-ランク


儀礼を執り行う際に執行神官の立場を女帝から受けており、軍事、政治の両方に精通するアデン大教国のNo.2権力者

個人としての総合戦力はデズモンドに劣るがアルマダの聖法術は非常に強力、注意が必要である

戦場では左翼に位置すると思われ、同じくアルマダの殺害はガルグリフ軍の最終目的

捕捉した場合、ガルグリフ軍と合流してから交戦する事



4人目の大司教、聖教国からの援軍と思われる蒼い髪が特徴的な若年の男 名称不明

危険度?ランク


援軍として戦場に配置されるものと思われるが配置位置、個人能力は全て不明



そして敵軍中堅クラスの地位

「司教」

現在アデンには8人の司教が存在、その中で戦闘を担当する者は6人


それぞれD〜C-の戦力を保持するモノと思われる

Dが春馬ランク、D+はヤナランクだ

交戦する際は3人で戦う事



敵軍小隊長クラスの地位

「司祭」

現在アデンには20人の司祭が存在、戦場に出る者は15人


個人の戦力はE-〜D-と様々

交戦する際の注意点は特に無し




……つまり、俺達2班の標的は司教司祭級の数を減らす事、遊軍として信徒兵の数を減らしつつ、司祭を倒す、場合によっては司教も、だ



先生は「何か質問はございますか?」と言った後

「それでは以上です。

明日、昼から軍は戦場に向かって移動します、皆さんも付いて動くといいでしょう」

と締めた




部屋に帰ってから、俺達は更に遊軍としての打ち合わせを行なった


「遊軍って何か自由過ぎて難しいよな」


「まず、何処を初期位置にするか……だね」


「ブレアとかいう奴の下には月柳達が居るんだろ

ならオレ達は鬼軍曹を援護した方がいいんじゃねーのか?」


「そうだね

ただ普通に軍曹の軍と混成した配置に付くと

俺達の遊軍としての機能が薄くなる気もする」


「あー、つまり……

軍曹の軍を援護しつつも、軍曹とは別動隊として動くって事?」


「そう

何かいい位置があれば良いんだけど」



「……確か、戦場は平原だが

左右を森に囲まれている場所なんだろ?」


「うん、……そうか、なるほど」



「えっ!? 何? 何ちょっと!

2人で納得してないで教えろよ!」


「つまり、俺達は戦場北の森に伏せるって事

東に軍曹軍、西に……えーっと」


「アルマダ?だったろ確か」


「そう!アルマダ軍、がいる状態になるから」


「なるほど!戦闘開始後にアルマダ軍の横っ腹に突っ込む訳か」


「うん、アルマダ軍の統制を混乱させられれば……」



「……わかってんだろーがよ、一応言っとくぞ

敵軍はアルマダの軍だけでも2,500

それに俺達3人が突っ込むってんだな?」



「のまっち、一般兵相手なら幾ら数いても、俺らの敵じゃないっしょ?」


「木村、テメーはわかってねーみたいだけど

もし突っ込んで行って囲まれれば

森でエテ公に囲まれた時と同じ位ヤバイ状態になるぞ」



「…………」



暫くの間沈黙が続いたが

その沈黙を破ったのは野間本人だった


「……別に、テメーらがそれで構わねーっつーならオレは乗るけどな?」


「……数の不利を覆すには多少の危険はしょうがないのかも知れないね」



「………はぁ

のまっちはともかく、長峰まで随分ギャンブラーになったもんだ」


「怖いのか?木村」


「当たり前だろ、怖いに決まってる」



「……でもまぁ、当たればでかい奇襲作戦

なんか信長みたいだな

いいぜ!それで行くか!」


「桶狭間の戦いだね、俺達は3人だけだけど」


「? ……はぁ?オケハザマ?何だよそれ」



俺達の配置と方針が決まった

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