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第1章 3話 「5人1組」

「っくそ!!ワケがわからねぇ!!」


野間が部屋の壁を蹴ってそう吐き捨てた


あの会議場で説明を受けた後

自分達は5人で1つの部屋を割り振られ

今、その部屋に居る


俺の部屋には

木村

溝尾

野間

黒原

そして俺の5人が割り振られた


「オイ!木村!長峰!

おまえら何か知ってんじゃねーのか!?あ”あ!?」


「い、いや何にも

……てゆーかさ知ってるというか

さっきリーゼさんが話してた事が……」


「はぁ!?あんなん信じられるかよ!」


野間がこちらを睨む


俺はベッドから首だけ向けて横に振った


「チッ!! ……使えねーな!」


野間はそう言った後 壁をもう一度強く蹴るとベッドに横になった



正直 野間の気持ちも分かる

あの説明を信じるという方がおかしい

普通に考えれば……だが



ふーー


大きく息を吐いた


一度整理するべきだ


何が嘘で、何が真か

頭の中で整理すれば見えるモノもある



あの女の人

名前はリーゼって言ってたな

あの人が言ってたのは…



・今いる世界の名称がバルハラッドという事


・今いる国の名前がエルムサルトという事


・エルムサルトが西の隣国のアデン大教国と緊張状態にある事


・アデン大教国勢力の戦力がエルムサルト勢力の2倍以上である事


・自分達はアデン大教国勢力に対抗する力として召喚された事


・古くより現人には特異な能力が発現する傾向が高い事


・三ヵ月後、王前で各自の能力を披露する必要がある事


・自然解放では能力発現に時間がかかり過ぎる為、この国の兵法指南、魔導長、元大司教、妖魔、西方面軍団長が三ヵ月間教育に当たる事


・仲間内の連携を高める為、5人1組になり寝食を共にする事


そして元の世界に帰る方法については


・不明




……はぁ、整理仕切れない

頭が痛くなる


大体能力って何なんだよ

何のファンタジーだよ

それに隣国と緊張状態って戦争手前って事か?


……いやその前にバルハラッドって

エルム? 何だっけ?


「長峰? 大丈夫か?」


「ん? ああ、大丈夫大丈夫」


「おまえが大丈夫大丈夫って言ってる時は

大体大丈夫じゃ無いんだよ

……まぁしょうがないか

俺も未だに意味不明だもん」




「………本当だと思う? さっきの話」


「わっかんね」


「わかんねって」


「だから俺は考えるのをヤメた」


「…おいおい」



「……まぁさ、

でも直ぐに俺らを殺すとか、頭のおかしいマッドサイエンティストの実験台にされるとか

……クラス内で殺し合えとか


……取り敢えずはそーゆー感じじゃなさそうじゃん

だからまぁ、そういう意味じゃまだマシかなって」




「……そ ぅだね」


「っても能力とか言われちゃってもなー

何? 指から火の玉出せんの?」


「出せるんじゃない?

分かんないけど?」


「え”!? マジ!?」


「多分ねー」


「多分て…おまえ……

分かってんのか!?

男の浪漫じゃねーか!!」



この5人1組の中に木村が居てくれて良かった


木村は基本的に楽観的だ

俺が割と現実的で悲観的な所があるから

木村の在り方はとても…

何というか俺にとって楽になる


中学の人間関係にしても

嘘から出た実って諺みたいに

俺みたいに現実をそのまま現実として受け止めるタイプより

多少嘘の尾鰭を付けても、ちょっと楽観的に受け取った方が世の中上手くいくんだと木村を見てて思った事がある


勿論それが実行出来ないから俺なんだけれども


背後で木村が何か

ファイアブラスト! ……んー オリジナリティがなー

インフェルノボンバー! ……んー噛みそうだなー

とか言ってるのを聞いていると

まぁ楽観的ってのも長所だけじゃないよなとは思うけれど

修正報告


アデン大教国とエルムサルトの戦力比

3倍を2倍に変更


アデン聖教国、アデン大教国と表記が章内で統一されていなかった為、アデン大教国に統一しました


失礼しました

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