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第1章 36話 「街外れの廃屋」

28日

戦争開始まで残り88:00:00



朝、戦士の称号の授与式が執り行われて

魔導長から勲章を直々に渡された


溝尾も俺達と一緒について来てくれて

勲章を胸に戻って来ると

拍手と満面の笑みで迎えてくれた


俺は戦士というフレーズを聞くと

どうしても自分の変貌と、田沼の負傷が連想されて

しまい素直に喜べない


溝尾に応える為に笑顔を作ったが

どうしても苦笑いになってしまった


でも、これで俺もエルムサルトの戦士だ


この国と森を護る為、戦える




会議場を後にして部屋に戻ると

カール先生が待っていた


2班は戦場でカール先生の指揮下に入るらしい

溝尾は後方から前線へ物資の補給が主任務だ


「時に君達はまさかその格好で

戦場に出るつもりなんですか?」


……装備か、考えてはいたが

やはり森での生活が染みついているのだろう

軽装の方が身体に馴染む気がする


「先生、俺達は多分鎧とか着ても

重くて動き辛いだけだと思うぜ」

木村が言った


野間も木村と同意見だろう


先生はクックッと妖魔っぽく笑った

「いいですか皆さん?

防具にも色々種類があります

何も重い鎧ばかりでは無いんですよ?」


それに、と付け加える

「木村君と野間君は自分専用の武器もいるでしょう?

国の支給品で戦い続けても愛着は湧きませんよ。」

先生はチラリとパンサーに目をやった


「先生、でもオレも木村もゲロ峰も

金とか全然持って無いぜ

武器とか防具とか買えねーよ」


ぐぬぬ……昨日はスルーしたが

まさか野間の奴、ゲロ峰で定着させるつもり

じゃないだろうな


「クックック、

私はね、これでも名家のボンボンなんですよ

自慢じゃありませんが生まれてからお金に困った

記憶はありません

つまり、戦士になったお祝いです

皆さんに一式買って差し上げましょう

勿論!溝尾君にもですよ?」


「さっすが!カール先生!

かっくいいー!

オレ、カール先生に一生ついていくわ!」

「やっぱ妖魔って何か違うと思ってたんだよ

いやー、器のデカさが全然ちげーわ

先生!!これからもシクヨロ!」

「僕もいいんですか?

いや、何だか申し訳ないですね」


珍しく野間もテンション絶好調だ

溝尾は謙虚な言葉を使ってはいるが

目に$マークが入ってる

何て現金な奴らだ


てゆーか先生

出来れば先に言って欲しかった

俺が捻出してまで買った穂先の金が……。



という事で俺達は街に繰り出していた


目的は武具屋だが方角が「銀の兎」では無い

こっちに武具屋なんてあったかな?



……大分歩いた気がする

先生の後を黙って歩いてきたが

何だか狐に化かされてる気分になってきた


「先生、こんなトコにマジで武具屋なんてあんのー?」

案の定、野間がブーたれ始めた


だが野間の気持ちは良くわかる


何だか回りの家も廃墟や空き家が目立ってきている

こんな城や市場から遠い所に住む奴は

相当変人か、家賃を限界までケチったか、だ


ふと先生が廃墟の前で立ち止まり

ココです、さぁ皆様武具がお待ちかねですよと

一件の家の中に消えてしまった


……俺達は顔を見合わせる

全員の心の声が一致した

マジで!?だ



恐る恐る廃墟に足を踏み入れると妙に薄暗い


何だか不気味な廊下だ

俺達の楽しいショッピングは

いつから肝試しになってしまったのだろう


廊下に立てかけられた古ぼけた絵画に見られて

薄気味悪い冷たさを肌に感じながら、俺達一行は歩く


やだな〜、怖いな〜と某怪談師みたいな事を思いつつ

何とか廊下を進むと、次第に洋風の大きな古い階段が目に入った。


階段は半分くらいで折り返して

二階に続く様になっている


問題はその折り返しだ。

折り返し地点にこれまた年代物と思われる

全身鏡が置いてあるのだ


……嫌な予感しかしない!


俺は一番先頭を歩いていたが

あの鏡が見えた以上、先頭はゴメンだ

誰かに変わってもらおう!


後ろを向くが、全員顔の前で手を振ってやがる


落ち着けみんな!

ここは落ち着いて話をすべきだ

冷静に、冷静かつ強かに説得を始めよう


「ここはうちのチームの特攻隊長の

木村にお願いしようと思うんだが」

「いや、こういうのはやっぱ恐いもの知らずの

のまっちに任せるべきだと俺は思う」

「てめーら冷静になって良く考えろよ、

一番先生にノリノリで着いてったのは誰だ?

溝尾!おまえだろ!」

「いやいや、自慢じゃないけど僕は足が遅くて

いざって時に逃げられないよ

一番足が速そうなのは長峰君だよね?」

「……ねぇ私が先に登っちゃっていい?」

「そうそう、ここは木村が先に……?」


!?


4人は一斉に謎の声の方向に振り向く

すると、そこには……


小さな女の子の霊が白いドレスを着て

こちらを不思議そうに見ているでは無いか!!


で、出たーーーっ!!!


みんなその場で腰を抜かしてしまい動けない

に、逃げ……


「……変なの?」


幽霊はそう言うと階段を登り

鏡に吸い込まれていった

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