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第1章 30話 「最終試練開幕」

ー第1修練場 もとい 最終試練選考場ー


1班

月柳、春馬、川村、田沼


2班

長峰、木村、野間


新川さんも辞退したらしく

計7人が最終試練に進む事となった



第1修練場は土の地面がリング状に広がり

楕円形に3mの高さの壁に囲まれていた

3mの上には段々と石席が囲み

分かりやすく言えばコロッセウムと酷似している



俺と木村と野間は観客席で

カール先生のすぐ横に並んで座り

大分離れて王、大臣、リーゼさん、軍曹が

座っているのが確認出来た


そしてその反対側にブレアさんが座り

春馬、川村、田沼が横に並んでいる


観客席は全て人で埋め尽くされていて

その殆どが成人した男性である


カール先生に聞くと

皆、この国の兵士達だと言っていた


俺もこの人達と肩を並べて戦場へ向かう事になるのか


自然と身体に力が入る




ここに入る前、第1修練場前の部屋で

試練の詳しいルールを再確認させられた

その時の話では

まずは1班から試練を受けるとの話だったが…



……ヤナが最初か

ヤナ、生きて帰って来いよ





正午を回ると同時に

王が立ち力強い声を張り上げた


途端に修練場が静まり返る



「我が父!我が祖父!我が祖先皆々様方!

そして偉大なる魔術師の祖に捧ぐ!!」


「今!ここに!7人の勇士が集った!!

7人は皆!エルムサルトを護る意志をもった我らの友であり!!

また!剣を手にし敵に立ち向かう兵である!


最終試練を無事通過した暁にはどうか

魔術師の名の下!加護を与えたまえ!!」



「そして皆の者に告ぐ!!

此度の儀!

通過した者は戦士となり!

新たにエルムサルトの地に生まれ変わる!

我がこの国エルムサルトの祝福を与えんとする者は鬨の声を挙げよ!!」


瞬間、修練場が揺れた

「ウオオォォォォオオォォ!!!!!!」

全方向、全角度から声が上がった


暫く声は続いたが

その内、声は重なり、反響し天に昇った


王は満足そうに深く頷いて続ける


「皆の者!魔術師の祖へ!黙祷!!」





















「最終試練の儀!開幕をここに宣言する!」


何処からかドラが鳴り響いた



修練場の西門と東門が同時に開く


西門から月柳が姿を現し

東門からは鎧を着けた囚人が現れた


皆、食い入る様に2人を見詰める

勿論その中には俺も含まれる



ヤナは軽装だ

木綿の上着に木綿のズボン

武装は右手にロングソードを掴んでいるのみ


剣でまずは仕掛けるつもりなのか



一方の囚人も同じくロングソードを握る

しかしその他の装備は全く違う

全身鎧と言えば良いのだろうか?

重厚な鎧にスッポリ身を包み

大型の盾を左手に持っている


あそこまで防御を固められると

まず剣は通らない

ヤナはどうする?


一定の距離までお互い進むと

もう一度ドラが響いた

開始の合図だ




月柳は相手の姿を確認すると笑ってしまいそうになった


何だあのガチガチな重装備は

アレでは走る事はおろか歩くだけでやっとだろう

どうやって俺に攻撃を当てるつもりか聞きたい位だ

まぁ、確かに刃は通らないか、


月柳はロングソードを地面に差した


ブレアさん仕込みの剣技を

ここに居る方に披露したかったのだが

こうなった以上仕方が無い


こっちで仕留めてやる


スッと右手を上げる




”バースト”


小さく呟くと月柳の位置から直線状に土が左右に別れて風の道が走る


風の道は一瞬で囚人の前まで達すると轟音を響かせた


結果、月柳のバーストを真正面から受けた重装囚人は後方10mの壁まで吹き飛ばされ、壁にめりこむ


囚人はそのままピクリとも動かなくなり

その内、血が壁を伝って落ちた


「勝者!月柳!」

審判が月柳の勝利を告げる


「ウオォォォォ!!!!」

再び鬨の声が上がった



す、すごすぎる

今のは風の法術だろう

俺はそよ風を出すだけなのに……

あいつの風はアレかよ


あの重装だった囚人を吹っ飛ばして壁にめり込ませた

どれだけの風圧が発生しているんだ


木村も野間もあっけにとられた様で

目を丸くしている

カール先生だけがいつもの笑顔を作ったまま

ウンウンと頷いていた



「次戦準備用意!」

審判がそう声を上げると

対角にいた春馬が立ったのが見えた




……春馬 頼地

正直あまり面識が無く

クラスでも数度、喋った位だ

そういえば木村と同じ小学校の出身だったって言ってたっけ

クラスでは影の薄い人だな位の印象だった


次戦は直ぐに始まった


何人かで重装の囚人を壁から剥がして

扉の向こうに消えると再びドラが鳴り響き

春馬が現れた


月柳と同じく軽装だ

鎧も盾も付けていない

……いやそれどころか武器さえ持っていない


ヤナと同じく

法術にそれだけ自信があるというのか




同じくして囚人が現れる


……でかい!

身長2mはあるであろう巨漢

相当に鍛えている様子で、同じく軽装だが

両手には刃渡り60cmはあるであろう大斧

大男は春馬を見ると

キィンキィン!と大斧をすり合わせた


……大丈夫か?

アレを喰らえば手に掠っただけでも

春馬の肩ごと吹き飛んでしまう

春馬は俺とそんなに身長が変わらない

……いや、むしろ低いくらいだ

会場もヤナの時よりざわつきが大きい

嫌な汗が頬を伝う


春馬と大男が一定の距離まで進んだ



春馬は相手を観察し開始の合図を待っていた


(………あの程度なら

ブレア様と共に過ごしたあの東の林道

通称「悪魔の喉」で出会った化け物

ジャイアントマミーの方がよっぽど大きい


あの囚人があの化け物以上とは思えない


……今は王の御前であり

ブレア様もカール様も皆も見ている

…………一瞬で片付けてやる)

そう心中で誓いを立てながら


程なくしてドラが響いた


一気に間合いを詰めようと踏み出した瞬間

大男に不意に声を掛けられ、足が止まる

? ……なんだ?


大男は低い声を修練場に響かせた

「クハハハハ!!

おいガキ!どういうつもりだ!?

まさか空手で現れるとはな!

俺が手心を加えるとでも期待したか!?」


春馬は暫く相手の言葉に耳を傾けたが

何を言うかと思えば……

聞くに値しない

”権限せよ、ヒートセイバー”と呟くと

両手にオレンジ色に輝く炎の剣を作り出した


中心から外側にかけて真っ白な炎の柱が発生しており

外周部に至ると徐々に橙に変わった

炎の長さは60cm程度


春馬は独特な二刀流の構えを取り

大男とは対照的に、大男にのみ聞こえる声で

「武器なら持っているさ」と見せた


同時に春馬は疾る

………徐々に大男の姿が春馬の「圏内」に

近づく


「フン!その様な法術!!腕毎叩き落としてやる!!」

大男は右手の大斧を春馬に振るった


……僕の「間合い」に入ったな

春馬は大男に向かって跳び

即座に左手の炎を振るう


大男の右手が力瘤あたりから別れ宙を舞う


「〜〜〜!?〜〜〜!!!!」

大男はまた何か言っていたが聞く必要は無い


続いて春馬は右手の炎を振った

今度は大男の左手の肩から先が宙を舞った


春馬は大男の足下に着地すると

”権限せよ、ヒートセイバー”と再び呟く

ほぼ同時に、腕を胸の前で交差させて、

足を畳み、身体を小さくして再び跳躍する


大男は涙を流して、必死に首を左右に振っていた


(……ジャイアントマミーは腕を斬られても

僕に噛み付いてこようとしていたっけ)

春馬は、ふと魔物を思い出したが


そのまま胸の前で交差していた腕を開いた



大男の首が宙を舞って落ちた後


春馬の勝利が宣言され

練修場にまた鬨の声が響いた




俺達はまた言葉を失っていた

同じ火法術使いの木村と野間は顔をしかめている


(……成る程、あれからそう派生しましたか

ブレアさんの元で大分成長した様ですね

やや気負い過ぎなのが気になる所ではありますが……)

と評価しカールは顎に手を置き頷いた



「次戦準備用意!」

審判が告げると、対角の4人の中の紅一点

川村が立ち上がったのが見えた

修正報告


巨漢の大男と表記していましたが

日本語としておかしい為、単に巨漢と変更致しました

その他文末を調整しました

失礼しました

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