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第1章 2話 「4人」

「バルハラッドへようこそ!!我々は貴様らを歓迎する!!」


(……バルハ……?

聞いた事の無い地名だ、

いや…この建造物の名称か…?

てゆーかこの人誰なんだ)


甲冑の発言に眉をひそめていると

甲冑の背後から兵士と思われる人間が何人もぞろぞろと出てきた


兵士は部屋の中央部に集まっていた自分達を囲む様に布陣すると手に持っている槍を床に立てた


兵士と思われたのは最初に入って来た奴よりは貧相だが皆同じ甲冑を纏っていたからだ


「おい長峰 何コレ テレビのドッキリか何か?

正直怖いんだけど」


同感

生まれて初めて武器らしい武器を肉眼で見た


生物を殺傷する為だけの器具とはこんなに恐ろしい物なのか


それに…


「多分ドッキリとかじゃないと思う

クラス全員眠らせるとか普通じゃない」


「う………」


「今は取り敢えず 刺激しない方がいいと思う」


「…わかった」


こいつらが何者かは分からないけど

武装した兵士で中学生を囲む奴らがマトモなハズは無い

判断材料が少なすぎて目的が分からないが

少なくとも今の自分達の状態は捕虜に近いと思われる


「…ふむ どうやら皆混乱しているようだな

まぁ、無理も無いがな」

そう言って最初に入って来た男が鼻で笑った


明るくなって分かったが

この男はこの兵士達の指揮官か何からしい

周りの兵士よりも甲冑が豪華だった


しかも恐らく日本人では無さそうだ

彫りの深い顔立ちに金髪

ヒゲまで金色だ 脱色している様には見えない

歳は30〜40代だろうか


「恐らく貴様らにも聞きたい事が山程あるであろう

勿論説明しようとも

ワシが会議場へ案内しよう 皆着いて参れ!」


豪華な甲冑はそう言うと

入ってきた扉を出て行った


皆唖然としていたが

周りの兵士が「さぁさぁ、団長に着いていくのだ」と自分達を急かした為

不快に感じつつも団長とやらの後を追った


流石のヤンキー達も槍で突かれるのは嫌だったらしい

渋々従っていた



扉から出た所で、またかなり驚かされた


石かレンガを重ねて作られた西洋風な建築物だったからだ

本当に外国に連れてこられたのか?


部屋よりは明るかったがそれでも薄暗く今歩いているのが地下道であると予想できた

ただ壁に団長が手から出した光の玉みたいな物が置いてあり

それが光源となっていた

その光も謎だが取り敢えず今はそれどころでは無い


ここは宮殿? いや城なのだろうか?


余程大きな建築物なのだろう

階段を昇り、暫く歩くハメになった


途中、階段を昇った後 窓が現れ

そこから外を見る事が出来た


そこからは様々な色の屋根が遠くまで重なり合って見え

少なくとも今が昼だろうと確認出来た


「此処が会議場だ」


大きな扉の前に自分達は連れてこられていた


団長が扉を開けると

高級そうな椅子が並び

また高級そうな机が現れた

その他の調度品、床の絨毯

全てがこの場所が王族か貴族の住まう世界だと告げている


そして奥に4人の人間?が立っていた

?と付けたのは

その中の1人が肌が紫だった為だ


4人ともそれぞれ違うが変わった衣装を身につけていた



自分達が兵士達に促がされて中に入ると

団長が4人の前にそそくさと急ぎ

その前に傅いた


「現人達をお連れ致しました」


一番左に立っていた老人が頷く

「ご苦労だった」


団長が部屋の脇へはけると

左から二番目に立っていた女性が自分達に向かい一歩前へ出て語り始めた


「現人の皆様、バルハラッドが王国の一

エルムサルトへようこそおいで下さいました

残念ながらこの場に我らが王はおわしませんが、我らが国を代表し皆様を歓迎致します」


綺麗な人だなと思った

30代位だろうか

金髪で長髪

薄水色の大仰なローブを着ている

柔らかい印象を与える声で表情はにこやかに見える


「どうぞ皆様お掛け下さい

今皆様は数々の疑問をお持ちでしょう

不安も大きい事と思われます。

全て…を答えられるかどうかは解りかねますが

何故皆様がエルムサルトへ呼ばれたのか

また、この世界バルハラッドの事もお話致しましょう」

読み方

現人=あらびと

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