表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/63

第1章 28話 「敵か味方か謎のブレスド」

ーエルムサルト武具屋「銀の兎」ー



俺は槍の穂先相手に眉間に皺を寄せていた


種類が豊富で迷っていたのだ

城を出た際には正直、金属なら何でも良い

と思っていたのだが……

手持ちに余裕が出来たせいで欲が顔を出した


一部の穂先はガラスケースの中で

紅い生地の上に並べられていて

まるで宝石の様に扱われている



一番安いのは鉄製の穂先 1銀貨

コレでも充分ではある


しかし俺が手にするのはg単位金に匹敵する

かのベラ製の柄だ

あの圧巻の巨獣パンサーの名を冠した

(俺が勝手に名付けただけだが)

逸物である


やはり良い柄には良い穂先が必要だろう


次に高いのは同じく鉄製の穂先だ

しかしこちらは(ブレスド弱)と商品名の尾に書いてある

……ブレスド弱?

良く分からないな、見た目には先程の穂先と変わらない様に見えるが

値段はかなり違う…銀貨3枚


ブレスド弱とやらの影響か?

……謎の品に金は出せん!次!


次は材質が変わった、鋼の穂先 銀貨4枚

……鋼、なるほど耳にした事はあるが

鉄との違いを言えと言われても答えに困る


多分、鋼は強い鉄

そんな所ではないだろうか?


商品数もコレが一番多い

ポピュラーで安価、使いやすいのだろう

いいな、とは思ったが


……銀貨4枚、まだ余裕がある

うちのパンサーはポピュラーや一般的な代物じゃない、次だ



次にまたあの言語が出てきた

検討の付かない「ブレスド」だ

鋼の穂先(ブレスド弱)横に(ブレスド中)も並んでいる

ますます意味が分からない

それぞれ銀貨8枚 金貨1枚と結構値がはる


この流れだとブレスド強やブレスド極なんてものもあるかもしれない


(ブレスド)には手を出さない 次だ


次は銀の穂先だ 美しい光沢が目を惹く

値段は金貨1枚と銀貨2枚

まぁそりゃそれ位するか


銀の穂先

パンサーの穂先に輝いたらより美しいだろう


……うーん、いいな、コレ

コレにしようか?


まぁ、一応次も見てみようかな



………っ!!

次の穂先を見た途端

俺の脳に電流が流れた


精霊銀の穂先 金貨2枚と銀貨4枚


どうやら一品物らしく一点のみしか

置いていない

穂先の腹に彫刻が施されている

どうやら美しい女神が彫られているようだ


穂先は正面から覗くと眩い銀色を放ったが

見る角度を変えると翡翠色の光を煌めかせた


コレが一目惚れというモノだろう

値段も手持ちギリギリ

いや、運命と呼ぶべきか?

先程の銀の穂先は頭から消え失せ

店番のお婆さんの元へ向かっていった


「あらまぁ、お客さんお目が高いのねぇ」

とお婆さんにおだてられ

益々上機嫌になっていた


後から思い返したが

高い穂先はそうそう売れる物では無いのだろう

そりゃお婆さんも喜ぶ筈だ


精霊銀の穂先を勝った後

早速、部屋に戻りパンサーに付けようと思ったが

……折角の機会だ

どうせならもう少し見ていこうと

再び穂先のガラスケースに張り付いた


精霊銀より高い穂先も3つ程置いてあった


まずその一つがまたもや(ブレスド中)だ

「あー、俺俺!悪りぃ!

今日ブレスド中でさー、遊び行けなくなっちったわー」

脳内にそんな光景が浮かんだ


銀の穂先(ブレスド中) 金貨3枚


精霊銀より銀の穂先ブレスド中の方が高いのか

何か大きなメリットがあるのだろう


次に銀の穂先(ブレスド強) 金貨6枚

やはりあったか、ブレスド強


ピンポ-ン

「はぁい、どなたですか?」

「すいません、実はブレスド強の者なんですがブレスド強にご興味あったり…」

「あ、うち間に合ってますんで」

ガチャ

脳内にそんな光景が浮かんだ


しかしブレスド強はブレスド中の一気に2倍

普通の銀の穂先に比べてなんと5倍だ

なんだかブレスドが段々気になってきた


そして極め付けに

この店最高額の穂先を見つけた


ミスリル銀の穂先(ブレスド強) 金貨60枚


ろ、60枚

2位を一気に引き離し10倍


こいつだけ額に入れられて飾られているのも頷ける額だ

最早、武具と言うより宝石の類だ


良く見て見ると精密に精密を重ねた

芸術的な彫りが各所に見える

相当匠が力を込めて作り上げた品だと

素人の俺でも感じる事ができた




「それ凄いでしょう?」


口を空けてその宝石を俺が見てると

店番のお婆さんが声をかけてきた

俺が頷くと

お婆さんは何故か嬉しそうに続けた

「そいつはうちの爺さんが若い内に作った品でねぇ

大金はたいてミスリルなんか買ってきちゃって、一年間ずーっとそれにつきっきりで作ったもんなんだよ

高級すぎて売れやしないよって

私は言ったんだけどねぇ」


クスクスと笑ってお婆さんは続けた


「案の定、こうして今でも売れ残っとる

まぁ有難い事にこの穂先は偉い御仁に高く評価して頂いてね

噂を聞いて今でも遠くから一目見に来る人だっているんだよ」


「今じゃ、この穂先は爺さんの形見であり

看板さね」


それから暫くお婆さんと会話した後

店を後にした


会話の中で、お婆さんから

俺が買った精霊銀の穂先も爺さんの遺作なんだよと聞かされた

お爺さんは生涯、武具作りを生き甲斐にしていた方だった様だ


いい買い物が出来た

帰ったら早速、パンサーにセットしてみよう

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ