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第1章 20話 「危険度ランクG」

イノシシとの決闘に勝利した


広間で皆と合流し

勝利の報酬として当然ボタン鍋を頂く

そのはず…だった


しかし現実の俺は殺したイノシシの前で

頭を抱えている



そう、イノシシを頂くのに関してもう一つ問題があったのだ


鍋が無いからボタン鍋は無理とか、そう言う事じゃ無い

それならば焼いて食えばいい


問題はこの体長80cmもあるデカブツをどう運ぶか…


試しに持ってはみたもののかなり重い

50kg以上あるのでは無いだろうか

1人でコレを持ちながら戻るのは不可能


そういえば

軍曹は仕留めた後の話をしていなかった

今ならなんとなく理由がわかる

無理だとタカをくくっていたんだろう


確かにイノシシ1匹にコレだけてこずったのだ

無理と思われるのも仕方ない



いや、しかし実際俺は倒したんだ


やはり獲物をココに置いて、軍曹と共にもう一度来るしかないのか……


流石に帰り道を忘れるなんて事はしていない

ここまで約30分、往復で1時間


正直不安だ

ここは既に森の中

肉食獣やハイエナ専門みたいな奴だっているはず


……ダメだ!ダメだ!

獲物から1時間も目を離す事は出来ない!

こいつは俺のイノシシだ!


考えろ!考えろ!



……!?


思い付いた!

やはり今日は冴えている


そうだ、何も全部持っていく必要は無い

内臓は別に無くてもいい


血抜きをしっかり出来るかは自信が無いが

大量に抜けばかなり軽くなる事は間違いない



……よし!それでいこう!


正直もう疲労困憊していたが気力を振り絞って解体を行なった




2時間位経ってしまった……


予想以上に時間がかかる作業で

解体中、獣が来ないか不安だったが

それは幸い杞憂に終わった様だ


しかし、獣が来ないなら軍曹を呼びに行けば良かったのでは無かったのか


まぁ、軍曹がジッと広間で待ってるとも限らない

コレが確実だったんだ



最後に頭部を切り落とし

持ち上げて見ると……


……大分軽くなった

コレなら俺だけでもギリギリ持てそうだ


イノシシは結構臭ったが

今更、そんなもの気にならない

イノシシを肩に掛け、軍曹の元へ向かう


大岩の前にイノシシの内臓と頭部だけを残して




50分位かけて入り口地点に戻ると

既に軍曹は二匹も鹿を仕留めた様で

鹿の肉を焼いていた


軍曹は俺を確認すると

目をイノシシに向け丸くした


「これは、驚いたぞ…… クソ虫」


焼肉をしている手を止め

こちらに軍曹が来てくれた為

獲物を肩から軍曹に渡した


「……なるほど。

ワシの見様見真似で解体したのか

……フン、酷い出来だな」


「はい」

俺は黙って頷いた

自分でも酷い解体だと思っていた


「其処に座れクソ虫、

おまえが処理しきれてない部分を見せつけてくれるわ

このまま吊るしたら生臭くて喰えた物ではないぞ」


その後、何故か上機嫌で軍曹は解体の手順や取り除かなければならない部位を

実演を交えて教えてくれた


一通り解体を終えると軍曹は


「まぁ、しかしクソ虫にしては良く頑張ったか

そこは褒めてやろう

勘違いはするなよ

イノシシ如きを仕留めた事なんかでは無い

獲物を仕留めた後、安易に俺に頼らなかった事が褒めるに値する事項だ!」


驚いた、自分勝手に解体した事は

勝手にいじくって、手間を増やしやがってと怒られると思っていたが

逆に褒められるとは


ちなみに今回俺が仕留めたイノシシは

モリイノシシという正に平均的なイノシシで

危険度はGと言っていた


軍曹が仕留めた鹿はFらしい


なるほどGランクは1番簡単に狩れる奴ね

結構苦労したんだけどなぁ

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