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第1章 16話 「鬼軍曹」

唐突に部屋を出る事になった


5つのベッドが並ぶだけの小さな部屋

ちょっとずつではあるが愛着も湧いてきていたんだけど……


何でも城から離れて訓練を行うらしい

振り回されるのも大分慣れたけど

……実戦訓練、

何かと戦わせるつもりだろうか?


俺達2班は今、あの甲冑の団長

もとい鬼軍曹から「荷造りを済ませろ!」と

早速命令を受けており

目の荒い麻袋に荷物を適当に放り込んでいる


荷物と言っても大した物がある訳ではない

中身は殆ど着替えだ。

……俺の場合は


木村は前日休みをもらった時に出た城下町で色々ゲットしていた様で

パッと見で用途の分からない謎の物体を

忙しなく麻袋に詰め込んでいた


「なぁなぁ長峰長峰!」

謎物体の主が人懐こそうな顔を向けてくる


「あの鬼軍曹、やっぱりクソ虫共!

とか言うのかな?」


なんで嬉しそうなんだ


「……それじゃ俺も木村もイエッサーって

答えないといけないな」


俺は皮肉でそう返した

木村は戦争映画の見過ぎだ



「遅いぞ!クソ虫共!!

のんびりお化粧でもしていたのか!?」


麻袋を抱えて城の玄関口に集合した2班は

鬼軍曹のまさかの言葉で迎えられた


「これから城外に出て馬車に乗る!

ワシに着いて来い!」


空いた口が塞がらない



城の正門への道が開かれて、噴水が見えた

休みをもらって街へ出た時は裏口を通っていたので、ここからの眺めは初めて見る


美しい庭園だ

手入れのされた木々が左右対称を保ち

整然と植えられている

流石は一国の城といった所だろう


それから俺達は巨大な正門を抜け

更に街を抜けた



「ここで待っておれ。」


街外れのボロ小屋の前で待機命令が出された


鬼軍曹はボロ小屋の主人と会話している


「おい、長峰こっち!ほら見てみろよ」


木村が勝手にボロ小屋の裏に回り込んでいた

何を見つけたのか知らないけど

目をキラキラさせて俺を呼んでいる


命令違反で

「腕立て伏せ100回!始め!!」

とか言われたら嫌だなぁと想像しながら

渋々、木村の後を追う


ボロ小屋の裏には馬車があった

西部劇に出てきそうな幌付きの馬車だ


なんだ、ただの馬車か、と思ったが

馬が俺の知っている動物と違う


良く考えると元の世界でも

実際に馬を見た記憶なんて無いのだが

少なくとも角は付いていない筈だ


「アレってペガサスだろ?

あの角って接着剤で付けられてる訳じゃ無いよな? やっぱりこの世界すげーよ!」


興奮している木村には悪いが翼は見えない

ペガサスではなくユニコーンだ


……いや違うか、ユニコーンでも無い

ユニコーンは白い体をしている筈だ

芦毛のユニコーンなんて聞いた事がない


「木村、この馬はペガサスじゃないぞ

この馬に名付けるとしたら

そうだね、ユニコーンもどきかな?」


ヒヒィィイイイン!!

「うわぁ!!!」

ユニコーンもどきが急に嘶いた為

俺も木村も後ろに仰け反った


……び、ビビった!いきなり鳴き出すな!


……まさか、この馬言葉がわかるのか?


「クソ虫共! ……何をしている?」


振り向くと鬼軍曹が不思議そうに

俺と木村を見ていた



俺達は幌馬車に揺られて街を後にした

やはり俺達の移動手段はこの幌馬車だったらしい


揺られている最中

鬼軍曹にこの馬は言葉が分かるのか?と

聞いてみたら大笑いされ


「面白い事を言うクソ虫だ!

確かにブルースは賢いが言葉が理解出来るとは飼い主のワシも知らなかったぞ!」

とからかわれてしまった


俺も鬼軍曹に

このユニコーンもどきの名前のブルースも

木村レベルのセンスだけどな!

と言い返してやったが、勿論心の中で



幌に座り直すと

幌の後部から街が遠ざかって行くのが見えた


一体、何処へ連れて行かれる事やら

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