お爺ちゃん賢者は銃身を完成させました。
ヒロイン?
銃身はとりあえず錬成で作ろうかのう。
銃口制退器や銃口消炎器は難しそうなのでつけないようにするのじゃ。
何より名前からして威力墜ちそうじゃしな。
儂が欲しいのは魔王をワンパン出来るぐらいの威力じゃ。
減退なぞ論外。
しかしライフリングぐらいの加工はしようと思う。
威力が上がるのは大歓迎じゃ。
ライフリングというのは、銃身の中の螺旋状の溝で、銃弾を回転させて威力を上げるという効果がある。
要はジャイロ回転でのスピードアップじゃな。
ジャイロ回転を利用して技の出力を上げた経験は儂にもある。
さて、銃身はこんなもんかの。
もう出来たわい。
ちなみに素材は近所の鉱山で頑張って掘りまくった世界最高硬度の鉱石の素材となる白金に、土魔法錬成の魔力を合成したものだ。
つまり世界最高硬度の黒鋼合金石を素材としているということだ。
このレシピは、前世の時に開発した。
ブラックチタンを作り出すために何を合成すればいいのか、という研究の一環じゃ。
この世界では白金は、もう量産できるレベルで獲れる。
一種のコストパフォーマンスじゃな。
「これで銃身は完成じゃ!」
儂は黒光りする銃身を高々と掲げて叫ぶ。
「わーい私もー」
そこそこいい雰囲気は、少女の間の抜けた声で木っ端微塵に粉砕された。
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銃身は別にシルに渡しといても良かろう。
そんなもん前世の儂レベルじゃないと壊せんし。
幼い少女が恍惚とした表情で銃身を握って撫でまわしている光景にはおぞましい何かを感じたがまあ儂の精神状態以外に問題はない。
そこらへんの魔物よりはるかに恐ろしかったことは割愛しよう。
「うん?なんか失礼なこと考えてなかった?」
「し、失礼な!儂がそんなことするわけ……」
バレた。
一瞬でバレた。
この幼馴染怖すぎるのじゃ。
……さて茶番はここまでにしよう(作り出したのは儂じゃが)。
銃身を作ったものの儂の作ろうとしているイメージは地球で作られているような火薬の燃焼ガスによる圧力で射出する銃とは少し違う。
発射の際のエネルギーは大魔石による魔力機構の出力を利用する。
「これでよし……と」
まずは大魔石に、指に魔力を込めて魔法陣を刻み込む。
魔法陣のchは二つ、【吸収】と【圧縮放出】だ。
【吸収】で周囲の魔力を常に取り込み、使い捨てではなくする。
【圧縮放出】は、まあそういうことだ。
chは少ない方が効果が大きくなるので、chは二つのみだ。
つまり吸収も放出も威力はとんでもないことになっている……はず。
ちなみにこの仕組みを発見したのは儂じゃ。
「いっそのこと弾丸も魔力で作ろうかのう……」
何も物質である必要はない。
相手の体を傷つけられればそれでいいのだから。
「弾丸を生成する魔石は……と。土属性の魔力を付与すればよいのか?」
とりあえず大魔石に土属性を付与する。
銃完成までの道は、まだまだ遠いようじゃ。
果たしてちゃんと女性キャラがかけているのか心配です。
なにせ僕の作品の中で初めて登場しますからね女性キャラ!
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