お爺ちゃん賢者の中二病です。
昨日投稿できずすいません!
活動報告にて投稿予定をお知らせしているのでそこを見ていただけると幸いです。
少し前に勇者から教えてもらった超常現象、ブラックホール。
その現象は膨大な熱を失った白色矮星が作り出す強大な重力。
余りの重力により周囲の光は大きく捻じ曲げられ光速の光すら囚われる牢獄。
その現象は、超新星爆発の後の重力崩壊により引き起こるが、儂の作りだした【崩星赤方偏移】は少し違う。
この世界は地球とは違い、魔圧というものが存在する。
魔圧は高まると重力を発生させ、逆に低下すると斥力を発生させる性質があるのだ。
従って、魔圧を暴走させて起こした魔暴嵐に魔力を含んだ高温高密度の気圧を接触させると暴走した気圧が魔力で魔暴嵐に干渉し更なる魔圧を生み出す。
これによって起こしたのが【崩星赤方偏移】なのだ。
当然儂たちもその重力からは逃れることは出来ない。
なぜなら、物体は質量を持つ限り光速を超えることができないからだ。
では、質量を失えばどうか。
ましてや、地球に存在しない物質にすべての質量を変換すればどうか。
そうした思考から生まれたのがこの脱出技だ。
儂は全ての質量を魔力で構成している。
そのほうが何かと都合がいいからだが、今回はそれをいいことに全ての質量を魔力へと変換して存在そのものを質量0に変換した。
当然、中年おっさんにも強烈な魔力を圧縮放出して質量0へと変換した。
質量は0。それは光と同義だがそれなら光速は超えられないんじゃないか、とも考えたが魔力とはそもそも質量がマイナスの力だ。
この世界には【魔法】や【魔圧】という地球には存在しえない物質が沢山ある。
それらをそのまま偏在させると世界の質量許容量をオーバーしてしまうため、どこかで質量をマイナスにしなくてはならなかった。
それを補うために生成されたのが魔力なのだと儂は思う。
結局、魔力に質量を変換するとそれは質量(-1×本来の質量)となる。
物体は加速すればするほど質量を与えられていくが、マイナスの質量を持った魔力体には関係ない。
自分たちが作り出した類似ブラックホールを悠々と抜け出して距離を取る。
ブラックホールが吸収するエネルギーは膨大なため、放っておくと世界が消滅しかねない。
そのため、役目が済んだところで止めなければならないのだ。
「……なんでこんなことをするんだろうな」
「スリルが満点じゃろ?」
本来の質量へと戻ったおっさんと冗談を交わす。
類似ブラックホール周辺の魔力を異常吸収し斥力を生み出して膨大な重力を打ち消し、清算する。
邪魔者は消した。
後は頂点を叩くだけだ。




