お爺ちゃん賢者の兄は唆されました。
少し展開が早すぎますか?
早すぎたら修正します……
弟が何だって言うんだ!?
俺の誕生日だというのに。
クレイが何だ、クレイがどうした。
クレイクレイクレイクレイうるさいんだよ本当に!?
「……少しは俺にだって」
注目してくれてもいいじゃないか。
と声に出しそうになったところで反射的に振り向く。
後ろの草むらで物音が聞こえた。
「誰だ!」
草むらに向けて誰何する。
俺はそこそこ腕が立つ方だから、戦闘力には自信があった。
不審者が村に入るようなら一人で撃退できるほどの力はあると自負している。
そして俺にはあの軟弱なクレイに無いような力がある、という自信もある。
ただ、いくら殴っても奴が怪我しないのは何故なんだ。
……という疑問が生まれたのは最近のことだ。
あの目つき、あの口調、どうも怪しい感じがして寒気がする。
俺が周囲を警戒していると、不意に肩に手が置かれる。
「……ッ!」
俺は警戒もあらわに振り向きざまに肘鉄を放った。
俺が一番得意な技だ。
速度も威力も申し分ないそれは常人が受け止めるには荷が重い一撃だった。
それを相手は軽々と受け止める。
乾いたパァン!という音を立てて、相手の掌と思わしき場所で威力を完全に殺される。
「あまり慌てないでください。我らが主よ」
主?
まだ俺は村長にすらなっていない。
むしろ俺は村民には嫌われているほどだ。
それぐらいは自分で理解している。
だから俺を主と呼ぶ奴らなどいないはず――ッ!
「分かりましたか?私が何者か」
「……ああ。そういうことか」
顔を見て全ての疑問が氷解する。
「私ならすべてを可能にできます。ぜひ、反逆の頭となっていただきたい」
反逆……か。
村長としての地位は……
「地位ぐらい簡単です。奪えばいいのですから。信頼は難しいでしょうが、何とかなるでしょう。私の洗脳で」
男は、簡単に攻略法を提示する。
こうまで説明されると、むしろ失敗するのが珍しいのではないかというように思える。
「失敗はないな?」
この時点で自分が洗脳を受けていることにラルクは気付いてはいない。
「はい。了承していただけますか?」
「ああ。もち――
「待て!兄者!」
弟の甲高い叫び声が聞こえる。
「少し待っとくれ。そいつと何をしようとしたのかの!?」
走り寄って来た弟は息を切らして俺に問いかける。
「お前には関係ない。……ああ、それと例の件は了承する」
「分かりました。ではまた」
「待つのじゃ!」
「嫌ですね」
弟の制止も聞かず、男は立ち去った。
「さて、どういうことか説明してもらおうかの?」
弟は意外と執拗なタイプらしい。
展開が早すぎないか心配です。
今後もよろしくお願いします。