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お爺ちゃん賢者の機動武装です。

すいません。

 放出したレーザーは真っすぐに鏡に向かい、全反射でそのまま跳ね返ってくる。


 

 「本当に大丈夫なんじゃろうな……」



 心配になりつつ、前を見据える。


 儂の思考速度は千倍にまで強制的に上げさせられている(機動武装のせい)


 レーザーが跳ね返って向かってくる様がよく見える。


 咄嗟に避けようとするが、体が動かない。


 自らの時間も緩慢化されている。



 『心配には及びません』



 その自信がまた不安なんだよなー、と思いつつ機動武装の促す動きに合わせる。



 『座標X12789、Y5062、Z0の害意物体を確認。X座標-0.5に発動します。』



 『【十字架の絶護ディフェンド・ロザリオ】』



 体から魔力が抜けていく。


 勝手に魔力が吸い取られるという新鮮な感覚とともに、砂の絶護が出現する。





           ****



 

 『だから大丈夫ですよって言ったのに』


 「だって怖いんじゃもん」



 ……少し驚いたのは隠しておこう。


 魔力が吸い取られる感覚が思考に達するとともに、周囲の大地から砂が抽出され砂の壁を生成した。


 それが三重にも重なり、レーザーを完全に受け止めたのだ。


 一つ目の砂の壁をレーザーは突き破ったが、二つ目が威力を吸収するように収縮しレーザーを受け止めた。


 砂の壁がそこまで強いものだと思わなかったため、思わず土龍碧を張ってしまったことは既にバレてしまった。



 「冗談は別にしても、この壁の性能は凄いな」


 

 あのレーザーを止めたとなれば、ほとんどの攻撃を三枚目で止められるだろう。


 

 『これは発動が自動ですが、この発動を遮るぐらいのスピードで動かれると対処が出来ません。そうなったらマスターのご自分の判断でお願いします』



 ……なるほど、そういう欠点もあるのか。


 発動の合間をかいくぐるぐらいのスピードは防げない、と。


 しかしあの展開スピードなら掻い潜ることができるものは殆どいないだろう。



 「なんにせよ、これで現時点での最終戦力が揃ったな」



 ギルドの依頼もそろそろ受けようかのう。


 そうクレイが決断したのは、ギルド初訪問から既に一週間がたったころだった。





            ****




 「そう、ですか……有難うございます」


 

 ギルドに行き、その報告をしたところ受付嬢が感極まったのか号泣しだした。


 これで大量殺戮が終わる、という安心感もあったのだろう。


 しかし、残念ながら確実な安全は保障できない。


 

 「あっ、すいません……ちょっと感動しちゃって……」


 「あー、別にいい」



 今更謝っても遅ーい!


  

 「えと、明日大規模な討伐作戦が開かれますのでそれに参加してもらってもよろしいですか?これが失敗したら……」


 「ギルドが潰れ多数の人が死ぬ、違いないな?」



 肯定を示すように、こくんと頷いて見せる。


 

 「分かった。それに参加する」



 彼女の笑顔の皺が、さらに酷くなった。 

次は日曜日です。

今後もよろしくお願いします。

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