お爺ちゃん賢者のvs竜種決着です。
九尾が咆哮を上げて竜種へと襲い掛かる。
九つの尾を棚引かせながら、【亥氷】の氷を自在に操り飛び込んでいく。
「……ッグル!」
竜種も抵抗しようとしたのか、炎を大量に生み出し高威力の氷を打ち消そうとする。
が、それは意味のない行為だ。
魔力と妖気により合成され生み出されたそれは、純粋な魔力で生成された炎で止めることは叶わない。
傷一つ付いていない氷柱が竜種の胴体に突き刺さる。
「……ッ!?」
何か声を挙げようとしたのだろうが、それは許させない。
突き刺さった部分からまるで蜘蛛糸のように広がっていく冷氷が竜種の体を凍らせていく。
それはやがて頭部までを完全に塞ぎ、動きを完全に止めた。
『ラストだ』
突き刺さった氷柱の根元から氷が螺旋状に延びて、氷柱の美花を象る。
透き通るように真っ白なそれは、やがて空気中の水分さえも凍らせ氷の礫が多数作られる。
やがて鳴動を始めた美花は、周囲の魔力を取り込み魔圧を下げていく。
取り込まれていく魔力に合わせ、氷の礫も円環を作り花の周りに集まる。
下がりすぎた魔圧に反応して魔暴嵐が渦巻き始めた。
『【闇氷読】』
花が一層大きく鳴動し、魔暴嵐を幾つも巻き起こしながら白氷の波動を吐き出す。
螺旋状に渦巻きながら魔暴嵐の威力すらも巻きこんだ銀白の波動が黒色の竜を塗り潰す。
……が、その光が竜種に届くことは無い。
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「いやーあれには本気で焦ったのだ。弁償するのだ!」
「いや知らんがな」
……あの戦いの後、竜種もとい龍神族魔王のリリムは回収され王宮へと住まいを短期間だけ移していた。
リリムはこの人間の国を小手調べに破壊して帰るだけのつもりだったらしいが、思いがけない強敵を見つけたためやっつけようとしたとのことだ。
「それにしても倒されるとは思わなかったのだ。お前、何故人間の癖に強いのだ?」
「何故って言われてものぉ……」
さっきから儂の強さの秘密を聞きだそうとこの質問ばかり繰り返してくる。
別に儂は普通の人間じゃし、答えられることは無いというのに。
「属国にならねば答えないと申すか」
「いえそういう訳ではないです全力で否定します」
いきなり口調変わってビビった。
んでもってこっちの口調がおかしくなってしもうた。
「冗談なのだ。でも、同盟ぐらいは結ぼうかなと」
「嘘だろぉぉぉぉお!?!?!?」
……どうやらこのアホの子魔王は、この国と同盟を結ぶらしい。
……………。
…………ノリ軽ッ!?
これから一週間投稿が不安定になります。
最悪投稿しないかもです。
すいません。