お爺ちゃん賢者とキリルの戦闘・事後です。
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土煙が晴れるころには、キリルは自力で立ち上がっていた。
しかしその足は既に震えており、物理的ダメージは全て精神的ダメージへと換算されて彼に多大な衝撃を与える。
気絶はしていないようだから、致死傷までは与えられなかったのじゃろう。
あれだけやって死なないとは、流石有能な元冒険者じゃ。
この国では力が何より優先され、国王は世襲制ではない。
国王になったのはそれが原因じゃろうと儂は思う。
「はぁ……はぁ……はぁ……なかなかやるな……お前……」
結構可哀想だったので、儂の大嫌いな聖属性魔法で精神の安定を促してやった。
チッ……魔力効率悪すぎなんじゃよ聖属性。
でも役に立つから捨ててはおけんのが悔しい所よのぉ……
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「あいつ誰だか知らんが凄いぞ……?」
「国王が、膝を……」
「ところでおい、アイツの剣見えたか?」
「見えるわけが無い。見えたやつは化け物か最近幻覚が見えるようになった奴らだけだろうよ」
いつの間にか、訓練場はギャラリーでいっぱいになっていた。
何でも、キリルが密かに政権有力者を集合させていたのだとか。
昔、権力を争った儂にこの理由が分からぬはずもない。
要は、有力者への顔見世とその力を示すことじゃ。
ではないと、儂を戦線で重役につけたりしたときに有力者からの不満が爆発するじゃろうということをキリルは知っていたのだ。
「皆の者!よく聞け!」
キリルが大声で騒ぐ有力者たちを静まらせる。
ふむ、力だけが能みたいな脳筋バカではなくてよかった、というところじゃろうか。
キリルには統率力まで惜しみなく備わっている。
惜しむらくはその若さか。
もう少し経験を積めば必ずや善王になるに違いない。
「今からこの者を『小隊長』とする!」
「「え、ええええええ!?」」
……予想通りやっちゃったか。
こういうところが経験無しっていうんじゃろうな。
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「いや、なんでじゃよ……何となくってノリが軽すぎる」
「いやーああいうのは勘がすべてだからなー」
「棒読み辞めろ。最初からその気だったんだろ」
「ばれたら仕方がねえ」
……儂は、王室へと招待されてキリルと話していた。
側ではシルとスキュラが黙々と夕食を食べていた。
儂が家族もいるから帰るわ、とか言ったもんだから、だったら家族を連れて王室にこい、と言われた。
この二人は要は妻扱いじゃ。
二人には悪いが、無駄な縁談が来ないように繕ってもらおう。
二人の表情が心なしか嬉しそうなのは気のせいじゃろう。
「今日は泊っていけ。明日就任セレモニーがあるからな」
話が一段落したところで、そういってキリルは席を立った。
仮にも国王なのだから公務は山ほどあるのか。
そんな忙しい奴を引き留めるわけにもいくまい。
「頑張れよ」
とだけ言って、儂らも王室を後にした。
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