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お爺ちゃん賢者と村人の決意です。

短編投稿しました。

 「ふむ……つまりこの国は、儂を公爵相当の地位で扱う覚悟があると」


 「その通りだ。どうしますか?」


 その報告をもたらしたアンデが、そう問い返す。


 まあ、ここまでされたら流石に行くしかあるまい。


 金が沢山あった方が研究もしやすいしのぉ。


 「……仕方があるまい。儂はいくことにする。村への伝達は……いっか。また戻ってくるしの」


 村には定期的に戻ってきて、整備をする。


 そういう方針でいいじゃろう。


 「今すぐ……は無理そうですね。機が整っとたら、この転送装置ポータルで転移しましょう。」


 そういってその場は解散になった。



             


               ****




 「えーと、そろそろ村を離れることになった。なんか国から誘いが来たようで、訳も分からんが連れていかれることになってしまったんだ。」


 その報告は、周りに長い沈黙をもたらした。


 村の朝礼集会での出来事だ。


 「儂が、村の復興のプランを作って兄者に渡しておいた。あとは、兄者がしっかりやってくれるはずじゃ」


 唯一の心配だった復興も、兄者がしっかりやってくれる。


 もう儂がすべきことは無い。


 思えば、異世界転生を果たした時最初にお世話になったのがこの村じゃった。


 村人には、いきなり儂を掴んで放り投げる狂人もおれば、狂的な心酔を何かに捧げている狂人もいて、素晴らしい人ばかり―――ん?狂人しかいないぞ?


 ……ま、まあ素晴らしい人もいたのじゃろう。


 じゃから、未練もあるにはあるが別れは別れ。

 

 区切れをしっかりつけなければ。


 「じゃかr―――「「「ちょっと待ったぁ!!!」」」


 別れの言葉が遮られる。


 しんみりとした雰囲気を、真っ向からぶち破ったのは若者三人達だった。


 見れば、何かに狂的に心酔しているような眼を何かに向けている。


 その狂気の矛先は儂ではない、はずだ(自信なくなってきた)


 そして奴らがここでちょっと待ったを出すということは――――


 嫌な予感が、背中をめぐる。


 「「なあ皆!村ごと移住してクレイ様についていくよな!」」


 「「「「「「そうだ!そうだ!ぶち壊せ!」」」」」」


 最後の「ぶち壊せ」って何?


 あまりの結果に儂はその程度の突っ込みしかできない程に弱っていた。


 こうして儂は二百数十名の村人を全員抱え込んだのだった。





 「おとなしく帰れお前らァ!何でついてくるんだよぉ!ううう……」


 教会ですすり泣く爺さんが発見されたのは、言うまでもない。




       ****




 「ううう……スキュラ。今ちょっと緊急だから戻ってきてくれ……」


 『何で泣いてるんだよ?高笑いしたり、口元歪めたり、泣いたり本当に情緒不安定だわね』


 ……あらぬ疑いがかけられている気がするが、気のせいじゃろう。


 因みに、儂は教会での涙がまだ続いているだけだ。


 儂はいきなり街中で泣き出してそのまま電話かけるような狂人ではない。


 「なんか今国王から招集がかかったみたいでな……一応お前も顔合わせをと……」


 『あ、結局人間と敵対はしないのね。良かった。』


 「何故よかったのかは気になるところだが、とりあえず早く帰って来い。」


 『了解~』


 

 

 


 

短編版:ゴキブリのような男のゴキブリ転生物語~神よ、あなたの美術的センスは狂っている~

というのを投稿しました。

良ければ見てってください。

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