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お爺ちゃん賢者は貴族を脅迫しました。

脅迫ですね。

 「痛たたたた……」


 そういって倒れた馬車から出てきたのは、立派な衣装に身を包んだ……


 「いきなり何をするんだい?」


 久しぶりに遭遇する、貴族・・という存在だった。



    

         ****



 

 「まあ、別にいいよ。故意にぶつかったわけじゃなさそうだしね」


 そういって柔らかに笑う、この地の領主フィンセント。


 なんとなく……若いな。


 貴族界に慣れきっていない雰囲気じゃ。


 隣では、ぶつかったと思われるスキュラが必死に謝っている。


 「すいません領主……わざとぶつかった訳ではないんだ……」


 「だから許すって。その代わりと言っては何なんだけど……キミ、こっち来てくれる?」


 そういって指名されたのは儂。


 ん?儂?


 「いいからこっち来てってば」


 そのまま手を引っ張られて、倉庫の影に連れ込まれる。


 護衛も何もいないけど、本当にコイツ貴族として大丈夫か?


 


       ****




 「それで話なんだけど……彼女を僕の妾にくれないかな?どうやら君は恋人のようじゃないか」


 あー。そういうことか。


 話ってそういうことか。


 「あー……何と言うか、辞めた方が良いぞ。あいつ凶暴だから。」


 「凶暴?何のことだい?」


 あいつあれでも魔王だからな。容姿はいくら良くても、一晩で殺されては敵わん。


 それと儂はあいつの恋人になった気はない。


 「それにどうトチ狂ったか知らんけど、儂はあいつの恋人でもなんでもないぞ」


 「嘘を吐かないでよ。僕と話している時もしょっちゅう彼女、君に目線向けてたよ?」


 ……こいつどんだけ嫉妬深いんだよ。


 そんなとこ誰も見てないじゃろう。


 「ま、あなたがその気なのなら……」






 「余りこちらを舐めない方がよろしいですぞ?」





 ブワッッ!


 と一陣の風が吹いた。


 瞬時に魔力を練り上げ実体化させ、剣と化し首、喉、腹、あらゆるところに切っ先を向ける。


 剣先が六つに分かれる【六岐竜頭】の応用だ。


 そして周囲に高濃度の魔暴嵐テンペストを多数起動させ、逃げ場を失わせる。


 さらに儂の胴体の近くには、銃が二本先をフィンセントに向けた状態で磁波浮遊させる。


 塵雷魔法【原核歔欷】【原生簒奪】を発動させ、爆発の段階でフィンセントの前で綺麗に止める。


 脅しはこれで終わりじゃ。


 「あ、あなたは……何者……?」


 出会い直後の飄々とした様子から一変、冷や汗をだらだらと流しながらフィンセントが声を絞り出す。


 いまだに震えが止まっていない。


 液体が地面に流れ出ていることから察するに、失禁まで犯したのじゃろう。

 

 もうなんか可哀そうになってきたので、全部を一纏めにパンッツと消してやった。


 散々ビビっておるようじゃし、もう脅しはいらんじゃろ。


 


 


予想外の脅迫。

貴族はお爺ちゃんにとっては虫けら同然です。

今後もよろしくお願いします。

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