お爺ちゃん賢者は勇者を隷属させました。
すいません今日はこれでおしまいです……
「「王宮専属の技工士になってください!」」
「だが断る」
「「即答ッツ!?」」
だって嫌じゃもん。
権力闘争とかやりたくないもん。負けないけど。
「はぁ……仕方がないですね……」
うん。じゃから諦めろ。
「「私たちがあなたの専属になります!」」
「ちょっと待てやめろォォォォォォオぉッツ!?」
黒い光が儂と二人を結ぶ。
隷属魔法じゃ。
主人は……
「儂、か……」
「「はい!」」
してやったり、の表情で二人は微笑んだ。
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こんな一幕があり、二人は儂の隷属対象となった。
解せぬ。儂がこんな若造にしてやられるとは。
「よろしく~!」
「よろしく」
こちらを完全に舐めた状態の猫なで声にピキッと額に青筋がはしる。
儂は体格がまだ子供じゃから仕方がないかもしれんが、流石にこれはないじゃろう?
「格の差を教えてやるわいッツ!【対物大弾銃:展開ッツ!】」
「はぁ!?」
「やめてくださぁ~い!?」
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もうあの勇者は放っとこう。
だやいし、面倒臭いし、何よりウザい。
もう眠りに入ったようじゃし、しばらくは大丈夫じゃろう。
そして儂には、あんなどうでも良い奴らのこと以外にやらなければならないことがたくさんある。
新しく就任した村長の公務などじゃ。
なんとあの父親、「次期村長候補にする」とか言っといてさっさと村長辞めて儂に譲りやがったんじゃ!
あー良かったまだやらんで良いのじゃな、とか思っとったらこの仕打ち。
もうなってしまったものは仕方がないと、諦めてはおるが……
まずやらなければいけない事は、間違いなく年貢の是正じゃ。
あれは直さないと、恒久的に続きそうなのでな。
何より、儂ら村長家の財政難につながりかねない。
そして浮いた金を、村の発展へと生かす。
村→町、さらには町→街になるように努力していかなければ。
「明日からは忙しくなるのぉ」
幾らか充足感を与えてくれる心地よい疲労は、儂に強烈な睡眠欲を呼び起こさせる。
うーん、と一つ伸びをしてから藁のベッドに入る。
これもいつかは直さなきゃいけないな、と思いつつその夜は眠りについた。
読んでくださり有難うございます。
今後もよろしくお願いします。
※自己紹介を修正しました。
よろしければ見ていってください。