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先輩と後輩で話をしよう。  作者: 干詩イモ
第一章 先輩と後輩で出会おう。
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6. 先輩(仮)の定時帰り

「お先に失礼します。」


隣の先輩に軽く会釈をしながらそう言って席を立ち、自分のデスクを離れる。

 離れてみると毎回感じるのは、帰る人の少なさである。

 部長や課長はもちろん、いっこ上の先輩、違う部の先輩など、

みな忙しそうにしている。

部長や課長はたち机で激しい言い合い、

ある先輩は図面作成のためパソコンにしがみついており、

ある同期は実験室で先輩と話しながら作業をやっていたりと、いろいろだ。

 ただどの人も自分の仕事を一心不乱に取り組んでおり、

こうやって僕が中央廊下を歩きながら、

彼らを傍観していることには気づく気配はない。

 みな誰かに必要とされ、それに応えるためにその仕事を全うしているのだ。


 では、自分はどうだろう。

 自分が行う仕事と言えば、先輩社員からもらう仕事で

「別に期限とかないか。これ直しておいて」と言われた文書変更や、

送付された荷物が来ていないかのチェック、荷物送付する際の荷物の梱包などがほとんど。

 『特別急ぎでない限り、帰った方がいいよ』

これは僕の指導してくださっている先輩から耳にタコができるほど言われた言葉である。

「急ぎでもないのに残って残業代を稼ぐ人とかいるから、そんな人にならないように」という思い

からこのように言ったらしいが、正直僕にはおどしのようにしか聞こえなく、

「早めにやっといた方がいいかな」と思うことでも、

期限はまだ大丈夫だからと考え直し、毎回帰るようにしている。

 そんな別に今すぐ必要でない仕事や雑用をやって、定時に帰る日々について最初は気も楽だし、

体力的にも疲れないし、自分の時間もとれるし、いいことづくしだと思っていた。


 だが、最近は違うのである。

「自分はこれでいいのか」「自分がなりたいと思ってた自分はこうだったのか」

「誰かに必要とされる人間になりたい」という

考えが脳をかけめぐったり、

どこか自分の生まれた意味とか探したりとかしていたりしてしまうのだ。

 ただ...考えるだけで行動する勇気はないのが、今の自分であるのだが。


 そんなモラトリアムな自分と向き合いながら帰路についていると、

あっという間に自宅のあるアパート「フレグランス西川」の近くのコンビニまで来ていた。

 慣れない脳内で「人生について」といった壮大なテーマを考えたせいで頭が重い。

いつものことながら、お菓子でも買って癒されようと思い、コンビニに寄る。

いつもチェックするグミコーナ、ポテチコーナー、炭酸ジュースコーナーの

新製品がでていたのでそれを手に取り、レジに向かう。

 レジには自分の前にはキャラクターが刺繍されたピンク色のフードを着て、

黄色のズボンをはいた目がちかちかする見た目の若奥様らしい人が並んでいた。

 このコンビニは毎日来るので、この時間帯のお客さんの顔は

だいたい知っているのだが、その人に関しては...見たことがない。

まっどうでもいいか。

 しかし、派手な服装だなと思った。

またも、遅い時間となってしまいました。すみません。

よろしくお願いいたします。


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