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先輩と後輩で話をしよう。  作者: 干詩イモ
第一章 先輩と後輩で出会おう。
4/10

3. 後輩(仮)の出社3日前

 プシュ...ピコンピコン、バタン。


 電車を降りて直ぐに扉が閉まり、電車は「ガタンゴトン」と大きな音を響かせ、駅を離れていく。

その音が遠くになっていくにつれ、ホームの静けさは際立たっていく。


 ついに来た...会社の最寄駅。


 最初は実家の駅の改札口で家族に手を振り、電車の中ではその感慨にひたり、

これまでの私と家族について振り返ったりなんかしていた。

 4歳の頃、父親と一緒に自転車が乗れるように公園で特訓したこととか。

 小学校の頃、漫画に影響されて「市の小学生野球チームに入りたい」って言ったらためらいもなく

OKしてくれたこととか。

 中学の頃、受験勉強を自分の部屋で夜遅くまでしている時に差し入れしてくれたこととか。

 高校の頃、部活で骨折して学校に行けなくて落ち込んでいた時、

両親ともに毎日お見舞いに来てくれたこととか。

 大学の頃、遅くまで研究室で研究をしていて、最終電車で帰ってしまった時も、

車で駅まで迎えに来てくれたり、遅くに晩御飯を作ってくれたこととか。

 振り返ると、いつもいつも家族に支えられていたんだな私とか思っちゃってその時は

らしくない涙が自然にこぼれたりなんかして。

 しかし、東京からここまでおよそ4時間の旅で、その涙もきれいさっぱり乾ききり、

「これからどうなるんだろう」という期待と不安の入り交ざった心地よいくらいの胸のドキドキと

「よし、やってやるぞ」という気合が今は心を満たしている。

 まっ、とは言っても今日は総務から入社にあたってのちょっとした注意を会社で聞いて、

それぞれが住む一人暮らしのアパートの鍵をもらって一人暮らしの準備をするだけなのだけど。


「あーはるちゃんだぁ。よかったぁー。僕、一人だと不安だったんだよぉ。」


 気が抜けるような柔らかく女性のような高い声で話しかけてきたのは、

同期で長野勤務の篠島信也。

 その話し方といい、ぴょこぴょこと走ってこちらに向かってくる様子といい、

きめ細かいきれいな肌やすらっとしたモデルのような出で立ちといい、

「男なのか」と疑問に思ってしまう。絶対に女装似合うと思う。よし、今度させよっ。


「のぶちゃん、一緒の電車だったんだ。気づかなかった。」

「でもよかったぁ。駅を降りてから会社までの道がちょっと僕ね、不安だったんだよぉ。

 一緒に行ってくれない?」

「もちろんいいよ。私も一人だと心細かったしね。」

「やったぁ。ありがとう。もうさ北海道から東京行くのも本当に大変でさぁ、

 まず電車にあまり乗らな...」


 その直後「ピコン」とのぶちゃんのズボンのポケットに入っている携帯が鳴る。


「のぶちゃん携帯鳴ってるよ。」

「あっ、ほんとだぁ。」

「LUIN?」

「そうだよぉ。先輩からだぁ。」

「大学の頃の先輩?」

「ううん、ちがうよ。会社の先輩だよぉ。」

「えっ、もう会社の先輩とLUINしてるの!?」

「そうだよぉ。『先輩との交流会』の時にすごく親切にしてくれてそれでね。」


彼のコミュニケーション能力の高さにはほんとに関心する。見習わなくては。

私にもそんな仲の良い先輩ができるのだろうか...んーどうだろう。


「はるちゃん。ここだよね。」


そんなことを考えていたら、会社に着いていた。

宣言どおり早く投稿できなくて、申し訳ないです。

次回投稿はなるべく早く頑張りますので、よろしくお願い致します。


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