表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
先輩と後輩で話をしよう。  作者: 干詩イモ
第一章 先輩と後輩で出会おう。
2/10

1. 後輩(仮)の導入研修最終日

 「はい、は~い。

  そろそろ皆さん集まりましたので、

  導入研修お疲れ会始めたいっと思いまっす。

  んーじゃ挨拶と乾杯ははだ・れ・にしよ・かなぁー。」

 

クネクネした動きで、アヒル口を作ってちらちらこちらを見てくるのは東京の営業に決まった皆瀬くん。


 「安定のもりもりじゃない」

 「俺も森岡さんがいいと思う」

 「はるん、これはもうやるしかないっすな」


 あ、マズイなこの流れは。新入社員同期たちが、どんどん奴の思い通りに。

皆瀬...恐るべき人心誘導術。営業の未来が明るいな...実に恐ろしい子。

 ただ、そのむかつくドヤ顔をやめろ。イラッ☆とする。

 

 「じゃ、もりぴーよろっ」

 「えー、皆瀬くんにもりぴー呼ばわりされるゆえんはありませんが、

  ご指名ということで私が。」

  

「えー、もりぴーひどいよー」という皆瀬の声と同時に、同期たちの笑い声がどっとあがった。

 

 「皆さんお疲れ様でした。

  今日みんなそれぞれの配属部署も決まり、

  来週からそれぞれの部署で勤務になります。

  正直私は同期のみんなとの時間がとても楽しかったので、

  今日でいったんお別れなのは寂しくはありますが、

  また技術研修とか工場研修で会うからね、

  それまでそれぞれの職場で頑張っていきましょう。では乾杯~」


 私の声の後に周りの同期が「乾杯~」と大きな声が響き、ジョッキとジョッキが小気味よく「カーン」という音を奏でている。その直後、自然にざわざわと談笑が始まった。

 その直後、皆瀬くんがすっと隣に座ってくる。


 「もりぴーよかった挨拶、さすが。」

 「皆瀬くんのためにやったわけではないから」

 「もりぴー、そっけない~。いや、これはツンデレかもな、ふむふむ」

 「違うから」

 「ほっとけばいいよ、もりもり。

  それよりさ、もりもりはどこの部署配属だっけ。」


 彼女は、東京の海外営業所に配属が決まった柏村さん。わりと、好き嫌いがはっきりしているさばさば系の私服が可愛いおしゃれ女子である。


 「長野の第三開発部ソフトウェア部門だよ」

 「あれ、東京じゃないんだ。」

 「私も東京の違う部署を希望していたんだけど。だめだったんだよね。

  正直環境ガラッと変わるし、初めての一人暮らしだし不安なんだよね。」

 「大丈夫、大丈夫。もりもりなら大丈夫だって。私なんかさ...」

 

 この後「私もさ...」と伝言ゲームのように不安話が行き交っていき、私も話したかったが「大丈夫」と何回も言われるだけなので、「大丈夫なのか」と言い聞かせ、聞く方に徹していた。

 しかし、実際は不安だらけなのだ。「同期の女子も全員東京で私だけ長野」、「これまで東京で実家暮らしだったのが急に田舎の一人暮らし」、「仕事の先輩はどんな人なのか」など考え出すと止まらない。




私の名前は森岡波瑠。

 22歳新社会人。顔には出ないからか、あるいはしっかりしていると思われているからか「君なら大丈夫だよ」の一言で済まされてしまうことが多い。

 ただ、これからの仕事や新生活について不安で心が埋まりそうであるわけで。

ただそんな私も来週から社会人になる。


※少し文章が長くなったので、1分じゃ読めないかもしれません。

 申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ