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終末への旅  作者: パウエル
第1章
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第1話 プロローグ

 目を開けると白い天井が広がっている。思考に霞がかかったような状態で、頭がぼーとする。しばらくすると“あぁーまたか”とようやく思考が纏まってきた。


 俺は転生した。


 ただし、これが始めてのことではない。数えるのが馬鹿らしくなったので正確な数は分からないが、200回は超えているはずだ。また新しい生が始まる。そこに感動はない、むしろ諦めにも似た感情のほうが最近では多くなってきた。


 10回目くらいまでは転生を繰り返すごとに強くあるいは賢くなっていく自分が誇らしかった。偉人あるいは英雄として歴史に名を残すことも出来た。そんな自分が選ばれた人間だという特権意識も芽生えて増長したこともあったが、強烈な竹箆返しっぺがえしを受けて本気で後悔した。


 30回も転生を繰り返す頃には、人として円熟している実感が湧いてきた。するとそれまでは考えないようにしていたことが気になってきた。


 何の為に俺は転生を繰り返しているのか……。


 俺には分からなかった。俺自身が転生を望んだこともない、神や悪魔たちの力が自分の転生に影響を及ぼした可能性も検討したが、そのときは違うと結論付けた。本当に理由が分からなかった。この謎を明らかにするため躍起になった時期もあったが、何も分からなかった。転生の法則性や自分に対する超常的な干渉があることまでは分かったが、本質的なことは全く分からなかった。


 このあたりで俺の転生は150回を超していた。そこからは惰性の日々、転生のことを一応は調べてきた。しかし、自分でも意欲が下がっているのが分かっている。けど、こればかりはどうにもならなかった。


 今回はどうやって生きていこうかと考え始めると、自分の横から泣き声が聞こえてきた。“あれ……”と困惑していると誰がパタパタと急いで歩いてくるのが聞こえてくる。



 “なんだ、これ?”


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