第八話 ボルティゲルンの死/アレリウス王/ヘンギストの敗北
AureliusとEldofは、彼らの鎧を紐で縛った。
彼らは燃え盛る弾を用意し、堀が埋まるまで木材を投げ入れた。
これがなされたとき、彼らは燃え盛る弾を器械で城の上へと投げつけた。
炎は城を覆い、それは塔と周囲に立てられた家にまで広がった。
城は松明のように燃え上がり、炎は空へ巻き上がり、家々は地面に崩れ落ちた。
その場で王は、ジェナースに避難していた彼の一族ももろとも炎によって燃えた。
婦人も少女も誰一人として積み上げられた焚き木の中で生きてはいなかった。同じ日に王の妻も死んだ。それは驚くほど公平だった。
新しい王が従属した土地を訪れたとき、彼は異教徒を探し出すことを考えた。彼らの手から、国を解放せねばならないからだ。
震え上がったのは、この知らせを受けたHengistだった。彼はすぐさまスコットランドに向けて出発した。
彼はすべての領地を捨てて、まっすぐにハンバーを越えて逃げていった。
彼は、彼が必要とした時に彼を助けてくれるであろうスコットランド人に支援と救援を求めることを決意した。そして、急いで、全力の速度でスコットランドに向かった。
王は軍隊で彼を素早く追跡した。毎日のように強行軍を重ねた。
道中、彼の力はブリテン人の大集団によって増大した。数えきれないほど大勢の男が彼に加わった。それはまるで海の砂のように数えきれなかった。
王は彼の王国を見渡して、それが骨までかじられている有様を見た。
鋤は打ち捨てられ、畑に種は蒔かれていなかった。
城や城塞都市は、破られて廃墟になっていた。
彼は炎によって焼け落ちた村を視察した。神の家は装いを剥がされ、農民のあばら屋のように裸になっていた。
異教徒たちが苦しめ、荒廃させたのだ。納屋のとうもろこしも、牛舎の牛も、どちらもありはしなかった。
彼は、とても我慢ならぬと証言した。そして彼は戦いの場から安全に帰っていった。
Hengistが、王はすぐ後ろに迫り、戦いを避けられそうにないことを知ったとき、彼は仲間が勇気と大胆さを失わぬよう努めた。
「同志たちよ」彼は言った。「このような烏合の衆ごときに慌ててはいけない。我々は、これらのブリテン人が我らの前に立っていられないことをよく知っている。もしも、我らのほんの一握りでも立ち向かったならば、とどまり戦うものはいないだろう。私は何度も平凡以下の兵を率いて、彼らを打ち破り滅ぼした。奴らが砂のごとく大勢いるのなら、お前たちは手柄の立て放題だ。このような人数など、数えるにも値しない。あのような軍隊は、弱くて愚かな指揮官に率いられているものだ。一体何の価値があろうか? 彼らは恐れおののく田舎者で、恐るるに足らない。この羊どもを率いる羊飼いは、槍を取り鎧を背負うには若すぎる子供だ。ひきかえ、我々のほうは多くの強さによって証明された英雄と闘士だ。かけがえのない命のために戦うのだ。今こそ、自信を持ち、大胆になるのだ。城のため、壁のため、さあ、我らの身体を動かすのだ。我は言う、勇敢に強くなるのだ。さもなくば死あるのみ」
Hengistが同志たちを鼓舞し終わると、騎士たちは戦いに備えて整列した。
彼らは、彼らが戦いの準備ができていない裸のブリテン人を探し、奇襲を仕掛けようと企み、馬が走れる限り速やかに動いた。
昼も夜も、ブリテン人は鎧に身を包んだ彼らの相手を警戒していた。
王が、異教徒が戦いのために進軍してきたことを知ったとき、彼はすぐにあつらえ向きな平原を見つけ、軍隊に命令した。
彼は鎧に身を固めた3000人の槍兵と騎兵を維持した。彼には、アルモリカからともにやってきた信頼できる家臣がいた。
そのウェールズ人は、二つの集団を作った。
ひとつは、異教徒が登ろうとしても登れないであろう丘の上に配置した。
もうひとつは、彼らが森のなかに避難場所を探したときのために、森に隠し、留まらせた。
より強さを維持し、守るために、彼は残りのすべての男を平原に配置した。
彼が戦闘態勢を整え、そして隊長たちに命令を下したそのとき、王は親族から選んだ、彼自身にもっとも忠実と思われる男たちの中央にいた。
彼は戦いに関して離れた友人と話した。
その日、Eldof伯爵は他の多くの貴族とともに王の近くにいた。
「神よ」Eldofは言った。「Hengistと一対一でまみえ、誰の邪魔も入らなかったら、どれほど至福なひとときとなるだろう。私は、5月1日にアンブレスベリーで行われた殺人と、奴が栄えある騎士道精神を踏みにじったことを、忘れることはできない。すぐ近くで、私は彼の網から脱出したのだ」
EldofがHengistに対する怒りを口にしているころ、サクソン人は戦場に近づき、占領するために進軍した。
そう長くとどまることなく、戦闘ははじまった。
二つの軍隊がお互いの姿を見たとき、彼らはともに加速した。
貴方にも見えよう。家臣たちが打ち合い、戦っている。
彼らはぶつかりあって、戦い、攻撃し、防御した。
彼らの間で、強力な剣の応酬が繰り広げられた。
多くの闘士は地に倒れ伏し、そして生き残ったものは屍の上を駆け抜けていった。
盾は真っ二つに割られ、槍は葦のように折れ、負傷者は踏みつけられた。その日、多くの戦士が死んだ。
キリスト教徒はキリストの名を唱え、異教徒はそれに応じ、土くれの神の名を大声で叫んだ。
異教徒が彼らより産まれたように、しかしキリスト教徒は英雄のようだった。
異教徒はひるみ、戦場から退却をはじめた。
ブリテン人は打撃を倍増して、彼らを押しつぶした。サクソン人を打ち負かすために。二度と彼らが戻ってきて争うことのないように。
Hengistが、彼の闘士たちが子供のように打ち倒され、背中を向けて逃げ出してくるのを見た時、彼は隠れ家として使わせてもらえるよう説得したカーコナンと呼ばれる街に逃げた。(注)
王は素早く彼の後を追い、狩人たちに叫んだ。「ゆけ。ゆけ」
Hengistが追跡の伝えを聞いたとき、なすすべもなく彼の城に追い込まれた。
助けが来ないまま壁の陰で餓死するよりも、自らの身体に危険を課して戦うほうが、まだましだ。
Hengistは敗北を確認すると、軍隊を集めて、戦いのために再度配置した。
戦闘は、兵士とその仲間たちの異教徒が再度前進したために、鋭く重く過ぎていった。
お互いが同志を励ましあい、そして、キリスト教徒による甚大なダメージと損失を持ちこたえた。
軍隊は混乱に陥り、そして、敵の攻撃の前に敗走をはじめた。
彼が圧倒されつつあるとき、サクソン人の強靭な突撃隊の乗った3000騎の騎兵が援助と救援をもたらさなければ、すべては失われていただろう。
異教徒たちは、頑なに、執念深く戦った。
この危難において、彼らは彼ら自身も守らなければ、誰一人として生きて逃げ延びることができないことを、よく知っていた。
群衆の中で、Eldof伯爵は、Hengistを照らしだした。
憎悪が彼に目を与え、そして彼は彼が彼に貸しつけた悪意を再び思い出した。
彼は、彼の欲望を満たすための時と手段が訪れたとみなした。
Eldofは彼の敵に駆け寄り、彼の剣で力強く打ちかかった。
Hengistは屈強な闘士だった。さもなくば、この打撃の前に倒れていただろう。
彼らは二人きりで、抜身の剣と持ち上げた盾で、打ち、そして守った。
男たちは戦いを忘れて彼らに見入り、巨大な打撃と剣の煌きを見た。
英雄たちが競い合っている間に、コーンウォール伯Gorloisはパラディンのごとく素早く駆けつけた。
Eldofは彼がやってくるのを見て、終りが近いことを確信し、より一層の誇りを持って、再び彼の相手に向き合った。
彼はHengistに飛びかかった。そして彼の兜の鼻あてをむしりとり、ブリテン人の間を彼の頭とともに引きずり回した。
「騎士たちよ」彼は叫んだ。「我が望みを叶えてくださった神に、感謝を捧げよう。この地に問題を持ち込んだ男は打ち倒され、囚えられたのだ」
(注:ヨークシャーのコーニスバーグ)
Eldofは、彼は剣によって殺さねばならないと要求する仲間に、捕虜の姿を見せた。
「狂犬のごとき軽い扱いをせよ」彼らは叫んだ。「そいつは慈悲も哀れみも知らない。そいつは戦争の元凶だ。そいつは血をまき散らす攻撃者だ。そいつの頭を胴体から撃ち落とすのだ。そうすれば、貴方が勝者だ」
EldofはHengistをより良い正当な法にかけなければならないと答えた。
彼は彼を素早く足枷で拘束し、そしてAurelius王の元へと引き出した。
王は彼の手足をつなぎ、審判を下すまでの間、堅牢な刑務所に勾留した。