第六話 ボルティゲルンと魔術師/建たない塔
セヴァーン川を渡り、ウェールズの奥地へと通り抜けるまで、Vortigernは裸だった。彼の友人に相談し、そこに住んだ。
彼は、賢い僧侶と魔術師を呼び寄せることにした。彼が正当性を維持するためにどうすればよいかを尋ね、彼以上の強い決断を、彼らの助言から得るために。
彼はConstantの二人の兄弟を恐れていたために尋ねた。彼らはまだ生きており、そして彼は彼らの憎悪から逃れる方法を知らなかった。
これらの魔術師は、彼に言った。決して力づくで奪われず、人の機転によって作り出されるどんな機械にも打ち倒されないような、強い塔を建造するように。
この強靭な城ができたなら、彼は閉じこもり、そして彼の敵の悪意から、安全に留まらねばならない。
喜んだ王は、強い城塞を作るのに適した場所を探すために、土地を探して歩きまわった。
エリル山にて、彼は彼の心に沿う場所に出会った。(注)
彼は探し出せる限り有能な石工を集め、そして彼らに可能な限り速やかに仕事に就かせた。
石工は建設をはじめた。石を用意して漆喰を使って素早く作り始めた。しかし、彼らが日中に築きあげたすべての仕事は、夜の間に崩れ落ちた。
したがって、彼らはより一層の努力をもって働いた。しかし、彼らが築いた高く巨大な党は、彼らが掘った基礎へと崩れ落ちた。
毎日、たったひとつの石も上に残らないまで崩れ落ちた。
王がこの脅威を知ったとき、彼の苦難はいつまでも終わらないことに気がついた。彼は魔術師に相談した。
「名誉にかけて」彼は言った。「私は、私の塔のなにが悪いために、大地がこれを支えないのか、まったくわからない。
こうなる理由を、そしてどうすれば基礎を築くことができるのかを探し求めるのだ」
(注:スノードン)
こうして魔術師たちはくじと占い――これについては、おそらく彼らの嘘であろうが――によって、王が「この世の父から生まれなかった男」を探し、殺して血を取ることを考案した。それを仕事に使う漆喰に混ぜることで、基礎は速やかに作られ、城は持ちこたえるであろう。
そこで王は、男を探し、見つけ次第宮廷に彼を連れてくるよう、国中の隅々にまで使者を送った
これらの使者は二つずつに分けられた。
王の命令により、彼らは王国のあちこちを通り、様々な国に入り、彼の隠れているであろう場所をすべての人々に尋ねた。
しかし、彼らの働きと努力に対し、得るものは無かった。
その時、王の二組の大使が彼らの道へ行き、一緒にカーマーディン(注)と呼ばれる街に至るまでの間に、それは起きた。
若者と子どもたちによる大きな集団が町の入口の門の前に集められ、そして、使者たちは彼らの遊びに注目するために留まった。
この門で遊びに興じていた彼らの中に、MerlinとDinabusと呼ばれる二人の若者がいた。
まもなく、二人の若者は小言を言い口論をはじめ、他方を怒りながら通って行った。
二人のうちのひとりは、相手の不徳について語った。彼の生まれについて非難した。
「穏便にいこう、Merlin」Dinabusは言った。「そなたより優れた人種である私と争うことは、そなたのためにならない。
気をつけるのだ。なぜなら私は邪悪な事柄を知っている。私の力を超えたことをそそのかさないほうがいい。
私の血統について、これ以上話すな。
なぜなら、私の血統は、私は王と伯爵のもとから来た。しかし、貴方が親族について語ろうとするならば、貴方は貴方の父親の名前すら言えまい。
"貴方はそれを知らないし、これまでに学ぶべくもなかった。父親のいない息子が、どうやって父親の名を語るというのだ?」
今まさに、王の使者たちは父親のいない男を探していたのだ。彼らが若者の痛烈な罵倒を聞いたとき、周囲の者に父親を見たことのない若者について尋ねた。"
隣の者は若者の父親についてなにも知られていないと答えた。そう、彼をその子宮から産んだ母親でさえも、種をまいた夫について、なにひとつ知らなかったのだ。
彼の父親がわからないのに対し、彼を育てた母親については誰もが知っていた。
彼女はウェールズを追われたDimetia王の娘だった。
彼女は彼女の国の修道女であり、実に神聖な生活を送る貴婦人だった。そして、この街の修道院に逗留していた。
(注:カーマーゼン)
使者たちがこれを聞いたとき、彼らは急いで市長のもとへ向かい、王の意志のもと彼に命令した。直ちにMerlin――父親の居ない男――を捕らえ、母親の女性とともに王のもとへと連れて行くように。
市長には、彼らの命令を拒否する勇敢さはなかった。
彼はMerlinとその母親を大使に引き渡し、彼は彼らを王の前へと案内した。
王は二人を名誉とともに歓迎した。そして優しく話しかけた。
「ご婦人」彼は言った。「正直に答えて欲しい。
そなた以外には、そなたの息子Merlinの父親が誰なのか、私に教えられるものはいないのだ」
修道女は、頭を下げた。
彼女は少し考え、言った。「彼を育てることは神の御心です。誰がこの若者を私に産ませたのか、私がなにも知らず、誰にも会わなかったように。
私はなにも聞かないし、私は決して話さないでしょう。もしも彼がただの人間で、私の子供であるのなら。
しかし、私はこれが真実だと知っています。そして、真実であることを誓います。
私が年端もゆかぬ娘だったときのことです。私には彼が幽霊のような男だったのか、知ることはできませんでした。しかし、なにものかが私の寝室にやってきて、私の近くでキスをしたのです。
夜も昼もこの存在は常にひとりで私を求めました。しかし、いつもその方法はわからなかったのです。
彼は男性として私の耳に優しい言葉をかけ、彼は男性として私と分かち合いました。
しかしながら、何度も彼は私に話をしましたが、彼自身については堅く閉ざしていました。
彼はしばしば私のもとに訪れました。私の口に長い時間キスをするのが、彼のやり方でした。そして私は妊娠しました。しかし、彼が人間であったのか、私には知る由もありませんでした。
私はこの若者を授かりました。しかし、これ以上は知りませんし、言えません。