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第四話 ボルティゲルンとロウィーナ

 バンカスターが作られた頃、18隻の戦艦が近づいてきた。Hengistの家族が騎士や従者とともに陸地へと向いていた。

 ともにHengistの娘もやってきた。Rowenaという名の未婚の娘で、驚くほど美しかった。

 すべての準備が整ったら、Hengistは王を酒と食事で歓待し、家と家族と建造した城を見せるために、邸宅に逗留するように願った。

 そして、王はその願いを聞いて喜んだ。

 王はその知らせが土地に広まらないうちに、仲間を引き連れてバンカスターに乗り込んだ。

 彼は城と塔に、特にその堅牢さと美しさに注目した。そしてこの仕事を褒め称えた。

 海の向こうから来た城の騎士は若々しく、彼は彼の奉仕を受け、そして彼は贈り物をした。

 饗宴の日、男たちは大いに食べて飲んだ。彼らの多くは酔っ払った。

 その時、Hengistの娘Rowenaが彼女の部屋から出てきた。甘美に着飾り、とても美しく、彼女の手によってカップから溢れるほどのワインが運ばれた。

 彼女は飾り気なくVortigernに跪き、そして彼女の土地のやり方で礼儀正しく挨拶をして、言った。「ワズハイル。君主にして王よ」

 彼女の言葉がわからない王は、少女の言葉の意味を求めた。

 これは、ブリテン人の確かな学者にしてサクソン語の第一人者――実のところ、彼は同族であった――Redicによって明らかになった。

 彼は速やかに答えた。「少女は礼儀正しく挨拶して、そなたを君主と呼びました。閣下、これは彼女の部族の習慣です。友と友が飲み交わすとき、カップを差し出すものは『ワズハイル』と言い、受けたものは『ドリンクハイル』と応えるのです。そして、親愛の杯の半分を飲み、喜びと友情のために相手の手に置き、公正な仲間意識とともにキスをするのです」

 これを学んだとき、王は「ドリンクハイル」と言って、少女に笑いかけた。

 Rowenaは杯の半分を味わい、王の手に置いた。そして、杯を少女から受け取る際に、王は彼女に甘美なキスをした。

 これが、サクソン人によって伝えられた最初の挨拶だった。「ワズハイル」と言ったのちに「ドリンクハイル」と応え、満たされた杯を飲み干すか、あるいは他のものと分け合う。そして、杯を手渡された際にキスをするのだ。

 私が示し、今見たような儀式は、こうして豪華な食事の際の我々の慣習となり、今に至ることを私は知っている。


 今、彼女の身体は優雅で、顔立ちは美しく、上品で気高く、そしてふくよかだった。

 彼女は網の目のような上等な衣服で王の前に立った。そして彼はとても目を奪われた。

 彼女は喜んで王の杯を満たし、それは彼の望みとまったく一致していた。

 王はとても陽気に、そして心から彼女を求め、酔いしれた。

 悪魔は、多くの男の道を誤らせるのだ。Vortigernは魔法の罠にかかった。彼はHengistの娘への愛に取り憑かれ、正気を失った。

 彼はやすやすと悪魔の網にかかり、もはやこの愛の前に恥も罪も感じなかった。

 彼は己が望みを否定しなかった。だが、女は異教の生まれなのだ。

 Vortigernは女と結婚させてくれるようHengistに願った。そしてHengistは彼女とともに、好意をもって承諾した。

 しかし、彼はその前に兄弟や友人に相談した。

 彼らは結婚に賛同した。しかし、少女を王に渡す代わりに、持参金としてケントを要求するよう、Hengistに助言した。

 王はとても強く少女を望んでいた。女を自分の妃にしたことで、彼は心から溺愛してしまった。

 彼女は異教徒の女だった。そして異教の儀式を経て、彼の妻となった。

 僧侶はこの結婚を祝福しなかった。そこにはミサも祈りもなかった。

 王の愛は熱く、その夜、結婚した。そして、彼女への持参金として、ケントがHengistに贈られた。


 Hengistはケントに赴き、すべての土地を手中に収めた。

 彼はGaragonを長官として任命した。彼は取り引きの言葉を聞かなかった。

 Vortigernはクリスチャンよりも深い信頼と愛を異教徒に示した。このことが、再び彼に悪意を与え、そして彼への助言は打ち捨てられた。

 彼の息子は彼に憎悪を抱いた。異教徒であるがゆえ、彼と絶縁した。

 Vortigernはすでに妻を持っていたからだ。彼女は久しく前に死んで、安らかに眠っていた。

 この妻との間に、彼は三人の子供をもうけていた。

 長男はVortimer、次男はPassent、三男はVortigerと名付けられた。

 この王は王国のすべての貴族および近隣の者に憎まれていた。

 彼に最も近しい親族は、彼に憎悪を抱いた。

 彼は凶悪な終焉を迎えた。彼は、友人となった異教徒の中で恥にまみれて死んだ。

「閣下」Hengistは王に言った。「彼らは私が原因でそなたを憎悪している。そして、そなたの愛ゆえに私もまた憎悪されている。私はそなたの父であり、そなたは我が息子である。そなたが喜びとともに我が娘を妻としたときから。王への助言は私の特権であり、王は私の助言に耳を傾けねばならない。そして、彼の力を持って、私を支援せねばならない。もしも、そなたが王座を確かなものにするのなら、そして悪意を持ってそなたを利用するものに心を痛めているのなら、すぐに我が息子Octaと縁者Ebissaの元へ伝令を送るのだ。この二人よりも狡猾な隊長はいない。戦いにおいても、この二人よりも優れた闘士はいない。スコットランドに面したそなたの土地を彼らに与えなさい。すべての害悪はここからやってくるのだ。彼らは仕事をして、そなたの敵が二度とそなたの王国を入手できぬようにするだろう。その後の日々は、我々はハンバーの向こうで静かに暮らそう」

 そして王は答えた。「そうするがよい。そして、それらの男たちが我々に良くしてくれるよう、伝令を送るのだ」

 王の言葉により、Hengistは彼の息子と甥に伝令を送った。彼らは300隻のガレー船艦隊を率いて、彼を助けるべく急ぎやってきた。

 彼らの土地には、報酬のために奉仕する騎士はいなかった。しかし彼らは水を渡って運ばれてきた。

 これらの隊長に続き、他の多くのものが毎日のようにやってきた。あるものは4隻の船で。あるものは5あるいは6隻の船で。あるいは、7隻、8隻、9隻、10隻の船で。

 彼らは迅速に進んだ。そして、彼らはキリスト教徒のなかに密接に紛れ込んだ。誰が洗礼を受けたもので、誰がそうでないのかがわからなくなるように。

 ブリテン人は、この問題にとても悩まされた。そして彼らは災いをもたらす辺境の人間を信用せぬよう、王に願った。

 彼らは、すでにあまりにも多くの異教徒が土地に入り込み、土地の人々に多大な恥辱と非道を働いていることに不満を抱いていた。

「彼らと決別してください」彼らは言った。「どんな犠牲を払ってでも、すべてか、あるいはそれと同じくらいを王国から送り出すのです」

 Vortigernはそうしないための答えを作った。

 彼は土地のサクソン人に、真の部下として仕えるよう願った。

 貴族たちがそれを耳にしたとき、彼らはVortimerのほうへと赴いた。


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