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第二十二話 ローマ帝国の挑戦

 今、Arthurが彼の前にいる王子や伯爵たちとともに高座の上に座っていたとき、彼の広間に十二人の年老いた男たちがあらわれた。髪は白や灰色で、相応しい衣服に身を包み、とても豪華に整列した。

 彼らは宮殿に二人一組で入ってきた。

 片手はお互い握り合い、もう片方の手には美しいオリーブの枝を持っていた。

 十二人の老人たちはゆっくりとした速度で広間に降りてきて、実に敬虔な態度で彼ら自身の体を運んだ。

 彼らはArthurの王座に近づき、そして、とても礼儀正しく国王に挨拶をした。

 老人たちの代表者が言うには、彼らはローマの市民だった。そして、皇帝から送られた大使であり、国王への手紙を持ってきたという。

 このようなことを話し、彼らの中の一人が羊皮紙の手紙を用意し、そしてArthurの手に届けた。

 つまるところ、これはローマ皇帝によって書かれたものだった。


「ローマの君主にして皇帝Luciusより彼の敵Arthur王へ。彼はこのように値するとした。私は非常に驚き、その驚きにより軽蔑する。思い上がりと悪意のいずれかにより、お前は私に悪をなそうと得意がっている。私は、これまでの間ローマ人が呼吸をしていたローマの約束に抵抗するようお前に助言したものたちに、軽蔑と驚き以外を持たない。お前は軽率に行動し、そしてうぬぼれの理由により、世界の復讐者として進む我々に害をなした。お前はまるで寄生虫が目の開くのを待っている盲目の男のようだ。お前はまだ知らないが、しかしすぐに知ることとなるだろう。ローマの法を教える裁判官である彼の僭越さを。お前の性質に従ったお前の行為、そしてお前の本性によってなされた罪を、充分に述べることは出来ない。知るのだ。ローマへの貢物にあえて疑いを持つ、他でもないお前のことを。そしてどんな塵からお前が生まれたのかを。なぜお前は我らの土地と我らの貢物を盗むのか? なぜお前はCaesarに彼自身の持ち物を提供することを拒むのか? お前はとても強いから、我々は我らの富をお前の手から取れないというのか? ことによったら、お前は我らに信じられない程の問題を見せている。見るのだ。――お前の発言を――羊から逃げるライオン、子供の前で慄える狼、そして野うさぎを恐れる豹。騙されてはいけない。このような奇跡が起こることは、自然が許さない。我らが力強い先祖、Julius Caesar――お前が胸の中で憎んでいるであろう者だ――はブリテンの地を征服し、その貢物を受け取った。そしてお前はこれまで支払ってきた。同じように、他の島の隣人たちからも貢物を受け取ることは我らの習慣だった。お前の厚かましさにより、お前自身の最も重大な損失のために、お前は力づくでこれらを奪った。更に、お前はその大胆さによって巨大な恥辱と損害を我々に与えている。なぜなら、我らの護民官Frolloは殺され、そしてフランスとブリテンは不正行為によって、お前の力によってお前が不当に確保している。それ以来、お前はローマを恐れていないし、彼女の誇りも顧みない。議会はこの手紙によってお前を召喚する。そして、これらの不快な痛みのもと、8月半ばに彼らの前に来るよう命令する。認めるか、あるいは弁解せよ。どんな犠牲を払ってでも、お前が奪ったものを返還する準備を整えて来るのだ。そして、お前が訴えられているすべての事柄に満足を与えるのだ。もしもお前が沈黙を保とうと考えたり、命令に対して何もしなかった場合、私は力強い軍隊を率いて聖バーナード山を越え、そしてブリテンとフランスをお前の手から引き剥がすだろう。フランスが我が憎悪に支配されていないからといって、お前が私に敵対できるなどとは考えないことだ。お前は決して、あえて私の高貴な喜びのために海を渡ることはないだろう。そう、お前の勇気はとても大きい。にも関わらず、お前は私が来るまで我慢できないだろう。たとえどんな場所でお前が私を待ち受けようとも、私はそこからお前を逃げ出させよう。それが私の目的だからだ。お前を盟約によって縛り、そしてローマに運んで連れてきて、議会の審判にもとづいて拘束するであろう」


 この手紙がArthurの式典に来ていた者たちに聞こえるように読まれた時、大騒動が起きた。なぜなら、彼らは計り知れぬほど怒ったからだ。

 多くのブリテン人はこれらの一連の出来事の証人と、あえてこのようなメッセージを運んできた大使たちのためにも、神を必要とした。

 彼らは12人の年老いた男たちに、それについてとても乱暴に、罵りの言葉で詰め寄った。

 Arthurは急ぎ立ち上がり、騒いでいるものたちに沈黙を守るよう命じた。

 彼はローマ人に危害を加えてはならないと叫んだ。なぜなら彼らは大使だからである。そして、彼らの君主の手紙を運んだ。

 なぜなら、彼らは他の誰かの代弁者でしかないからだ。彼は彼らを傷つけないように命令した。

 喧騒が終わった後、Arthurは老人たちに危険な目には遭わせないことを保証した。彼は個人的な相談役と彼の身内の貴族たちをとある石造りの砦に招集した。これは巨人の塔と呼ばれていた。

 国王は彼の貴族――招集した者たちである――に助言を求めたであろう。彼はどのような返事をローマからのメッセンジャーに与えるべきか。

 今、伯爵や王子が慌てふためいて階段を登り、ともに陽気な男Cadorがいて、彼の目の前の国王に会った。

「立派な王よ」伯爵は陽気に言った。「重大な時間、思考は私を悩ませました。平和で柔らかな生活が、ブリテン人の骨を腐敗させていたのです。我らの説教師が常々私たちに言っているように、怠惰は美徳の継母です。柔らかな生活は堅牢な騎士を怠け者にし、そして彼の力は密かに離れていきます。彼女は彼を女性の夢で包みます。そして、それは寝室に篭もる淫らな母親なのです。抱き寄せた手と怠惰は、我らの若い従者を陽気な物語とサイコロによって浪費させます。衣服は女性の空想と、もっと悪いことのために取られます。休息と安全の保証は、結局のところブリテンに力と賢さよりも害を成すでしょう。我らの肘を小突くものを、神は賞賛されるでしょう。私の考えでは、彼はこのローマ人が我らの国に挑戦することで、我らに眠りから覚めるよう説得しているのです。もしもローマ人が彼らが手紙の通りに実行するだけの力を強く信じているのなら、ブリテン人は生まれながらの勇気と堅牢さをいまだに失っていないことを確かめてください。私は兵士です。そして、長きに渡る平和には愛されません。なぜなら、それは戦争よりも醜悪だからです」

 Gawainはこれらの言葉を聞きとがめた。

「伯爵卿よ」彼は言った。「わが信仰にかけて、若者たちが恐れているためなどとは決めないでください。平和は、戦争の後にとても喜ばしいものです。草はいっそう緑に育ち、そして収穫は更に豊富になります。陽気な物語に歌、そして女性の愛は青年には快いものです。輝く瞳と友人の尊敬を理由に、見習い騎士は騎士になり、そして騎士道精神を学ぶのです」


 貴族たちはこのような作法で語りながら、彼らは塔を登り、そして部屋の中で座った。

 Arthurは各々がそれぞれの場所に着いたのを見たとき、仕事のために静かに注意をはらい、彼は話すべき僅かな事柄について考えた。

 やがて、彼は頭を上げ、そしてこのように告げた。

「今ここに、私とともにいる」国王は言った。「貴族たちよ。いや、我が仲間と、仲間に等しい友人たち。良き日も悪しき日も、私が耐えてきたこれらの様々な争いに、誰が一人で生き伸びられようか。私に良く耳を貸して欲しい。語られる日々、我らは勝利と敗北を共に共有してきたではないか? 利益においても損失においても、私がお前たちと共にあるように、お前たちも私とともにあるパートナーだ。お前たちを通して、そして困難の時にお前たちの助けがあって、私は多くの戦いに勝利してきたのだ。お前たちは私を陸や海を越えて連れて行った。遠くも近くも、数多くの他所の王国へと。仕事においても相談においても、これまで私はお前たちの忠実さと誠実さを見出してきた。お前たちの武勇があってこそ、私は従属する様々な隣の王子たちの財産を維持してきた。君主たちよ、お前たちはローマの大使が運んできた手紙に耳を傾けた。そして、もしも我々が彼らの掟に従わなかった場合の彼らの脅しに憎悪した。彼らは我々にとても害意を持っていて、そして我々に厳しい損害を与えようと意図している。しかし、もしも神が彼の人々に思いやりを持っているのなら、それは既に彼の手から我々に届けられているだろう。今、これらのローマ人は強い国だ。極めて裕福で、そして偉大な力を持っている。従って、それは我々を、彼らのメッセージへの返答において、我々は何を言い何をするべきか、慎重に考えるようにするのだ。最後まで常に見定めんと。印を確信した彼は、最短距離の道でそこに到着する。矢が飛び始めるとき、隊長は盾の影に非難する。これらのように、我々は用心深く、そして注意深くするのだ。Luciusは我々に損害を与えようとする。彼は彼の正義にある。そしてそれは我々が与えられる助言でもある。彼の損害が彼の頭上に落ちるように。今日、彼はブリテンとその他の海の島々からの貢物を要求した。明日、彼は彼の考えにおいてフランスの貢物を受け取ろうとしている。最初にブリテンの主張を考えるのだ。そして、いかにして賢さを込めて返答するかを。ブリテンは軍隊のCaesarによって征服された。ブリテン人は彼の軍隊に対して、どうやって己を留めるかを知らなかった。そして、否応なしに彼に貢物を支払った。しかし、暴力は正義ではない。それは思い上がりを増長させ、計り知れないほどに膨張させるだけだ。彼らは、彼らが暴力と悪行によって掌握した法律を維持することは出来ない。たとえローマ人が力尽くでそれを彼自身のものにしたところで、権利によって土地は我々のものだ。ローマ人は我々をとても非難する。Caesarがやって来て我らの祖先の上に降りかかった損失と悲しみによる恥辱と損害のために。彼らは、小作料とともに土地を奪い、そして彼らの小指を彼らの父の腰よりも太くした、これらの損失に対して彼らが復讐すると吹聴する。彼らに思い知らせるのだ。憎悪は再び憎悪を引き起こし、そして、悪意による物事は、お前たちに悪意を振るったこれらのものに対して行われるのだ。彼らは脅しとともにやって来て、貢物を厳しく要求する。そして我々が彼らにした悪事について、我々を非難する。彼らが力の権利によって主張する貢物は、悲しみと恥辱を我々の取り分として去っていく。しかし、もしもローマ人がはるか昔からブリテンから貢物を受け取っていたことを理由にブリテンから貢物を受け取ることを要求するのならば、同じ理由によって、我々はむしろローマ人こそが我々に貢物を捧げるべきだと主張することが出来る。古の日々、ブリテン人として生まれた二人の兄弟がいた。すなわちBelinus、ブリテン人の王。そしてBrennus、ブルゴーニュの公爵。ともに聡明で勇猛果敢な君主である。これらの勇敢な闘士たちは彼らの兵とともにローマに行った。そして、街を固く閉じ込めた。最終的には嵐によってこれを得たのだ。彼らは彼らに貢物を治めさせるため、市民の人質をとった。しかしその後、市民は彼らの契約を守らなかった。兄弟は彼らの親族の目に入るように人質を吊るした。その数、4と20。Belinusが自らの場所に行ったとき、彼はローマを彼の兄弟にして委託人Brennusに託した。今の時代、Helenaの息子ConstantineはBrennusとBelinusの血を引いていた。そして彼の番にはローマを彼の保護において維持した。ブリテンの国王Maximian、彼はフランスとゲルマンを征服した後、ロンバーディーの聖バーナード山を通り、そしてローマを彼の保持に導いた。これらの力強い王たちは、私の近い親族である。そして、それぞれがローマの主人だった。このように、お前たちが聞いたように、そしてはっきりと見たように、私はブリテン王であるだけでなく、法によってローマの皇帝でもあるのだ。我々が父親の権利を引き継ぐように。ローマ人はこれまで我々の貢物を持っていた。そして私の祖先は彼らの土地財産を持っていた。彼らはブリテンを要求し、そして私はローマを要求する。これが、ブリテンとローマに関する私の相談事のすべてにして結論である。戦場においてより強いものが封土と小作料を持つようにしようではないか。彼らの手を離れたフランスやその他の国に関して、ローマ人は維持することもできないのにそれを望むべきではない。あるいは、彼らの心にこの土地のことは無かったか、あるいは彼らはこれを保持するだけの力を持っていなかったのだ。おそらくは、ローマはこの件において権利を持っていない。そしてそれは法の愛よりもむしろ貪欲さを理由をして、彼らはこの争いを求めているのだ。最も強いものの権利を持つものが、土地を保持できるようにしようではないか。これらのすべての事柄のために、皇帝は嘆かわしいほどに我々を脅かしている。私は彼が我々を傷つけられないよう、神に祈る。彼が我々から奪うと約束した我々の封土と持ち物。そして、捕虜としてローマへ縛り付けられるために連れてゆかれる我々。我々は必要以上にこれらを気にかけないし、そして彼の言葉に恐れおののくこともない。もしも彼が彼の傲慢に従って我々を求めるなら、神よお願いします。彼が彼の持つ家に引き返すとき、威嚇する意思が彼の心にありませんように。我々は彼の挑戦を受けて立とう。そして、神の裁きに訴えるのだ。誰がこれを維持できるのか、すべてを彼の御手に委ねることで」


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