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第十二話 ウーサー王とゴルロイス伯爵

 Utherは力強い君主で、彼の力によって信頼されていた。

 彼はウインチェスターにて、彼が権力ある王子をもうけるであろう王としての証拠と印に、偉大な署名をした人々によって祝福を受けた。

 彼の運命による信頼は、彼に力の増大をもたらした。

 彼は、予言されたすべてを、良いことも悪いことも、決して引き返すことなく達成しようと胸の中で決心した。

 彼は、どのような仕事であれ、時間のすべてにおいて良い結果をもたらさねばならないことを確信し、知っていた。

 Merlinは本物の予言者で、彼の口から嘘の魂が吐き出されることはなかった。非常に素早く、起こるべきすべてのことを疑う余地はなかった。


 Hengistの息子Octaは今、彼と彼の仲間のために広い土地と美しい荘園をAureliusより授かっていた。

 Octaが力強い指導者の死を知ったとき、彼は心のなかでは軽蔑していた王への忠誠も約束も守ることはなかった。

 彼は友人と親類の大集団を、そしてその中にいた従兄弟のOssaを呼び集めた。

 OctaとOssaは堅牢な闘士で、彼らは軍隊の君主だった。

 さらに彼らには、Passentが殺されたときにUtherから逃げたものも加わった。

 Octaは、仲間意識が強く行き渡るように、自らを連れて行った。

 この軍隊は王国においてハンバーからスコットランドにまで溢れかえり、そのあらゆる場所を制圧した。

 それからOctaはヨークの前にまで進出し、暴力によって占領した。しかし街の住民は、異教徒が壁の内側に入らぬよう、勇敢に彼に対抗した。

 したがって彼は門の前に座り込み、彼の軍隊の数に物を言わせて、街を厳しく包囲した。

 Utherは彼の街を救援することと、閉じ込められた彼の友人たちを助けること以外、なにも考えなかった。

 彼は大急ぎでヨークへと行進し、道中のすべての地域で仲間を募った。

 すべての力を異教徒を包囲することに費やし、Utherは猶予なく彼らに戦いを提供した。

 戦いは実に鋭く、重大だった。

 多くの魂が身体から離れていった。

 異教徒は男らしく自分の役割を果たし、剣とともに果敢に戦った。

 ブリテン人は彼らに損害を与えることができなかった。

 彼らは溢れ出してくる勢いに押され、街に入ることができそうになかった。

 ブリテン人は、長くは持ちこたえられそうにない。

 彼らは押され、退却をはじめ、ついには逃げ出した。サクソン人は追撃し、甚大なダメージを与えた。

 ブリテン人が各自の砦に避難するまで追撃は続き、夜には反対の一方が、他の場所から攻められた。

 この山はダーメンと名付けられていた。

 山頂はとても鋭かった。

 側面は石と絶壁で、手元にはハシバミの藪が立っていた。

 ブリテン人はこの山を登った。

 こうして、安全な頂上に達するまで、彼らは登り続けた。

 そこで、異教徒は平野に座り込み、山のすべてに展開し、彼らを閉じ込めた。


 王も、彼以外のものも、非常に恐れていた。

 彼は、この罠からどうやって槍兵を助けださねばならないか、困惑し、手痛い窮地に陥っていた。

 このとき、コーンウォール伯Gorloisは王とともにいた。

 この領主はとても勇敢で、礼儀正しかった。年老いてはいたが、とても賢明な評議員として、皆に尊敬されていた。

 王は彼のもとに行き、落ち着きを取り戻した。

 Utherはこの伯爵が生命と身の危険を超えて名誉を重んじることを知っていたため、彼の名誉に習うために、Gorloisに助言を願った。

「私の助言を聞きたいと仰いましたな」Gorloisは言った。

「私の――あなたがそうするべきであろう――助言は、たった今、我々は武装せねばならないということです。そして、この丘から敵のまっただ中に降りていくのです。彼らは、再び戦いに挑むであろう我々をとても侮っているために、この時間は確実に眠っています。朝になったら、彼らは我々を探しに登ってくるので――そこを罠にかけるのです。自らの運は、男らしく自らの手で勝ち取りましょう。そして、彼らに奇襲攻撃を仕掛けるのです。そうすれば敵は混乱し、うろたえるでしょう。そのためには、我々は鬨の声やトランペットなしに、音を立てずに敵に遭わねばなりません。彼らが眠りから目覚める前に、我々は最初の攻撃で多くの敵を殺しましょう。我々の剣から逃げたものたちが、逃げる中で戦列を立て直す事のないように。このことだけが、もっとも重要です。すべての人々は、己がした過ちを後悔しましょう。神に犯した罪の許しを求め、生活を改めることを堅く誓うのです。我々が普段しているようなすべての悪事から、背を向けて離れましょう。我々をその手に抱いてもらえるよう、そして、主の名を恐れずにキリスト教徒に戦いを挑んだものたちと戦う力を授けてもらえるよう、 主に祈りましょう。そうすれば、神は我らの戦いを支持してくださいます。そして、神がともにある我らに対し、いったい誰が悪を成すことができましょうか?」


 この相談役は、王と隊長たちに好意的だった。

 彼らはGorloisの言うとおりにした。そして、後悔の念をもって神の前に跪き、彼らの生活から悪事をなくすことを誓った。

 祈りを終わらせたのち、彼らは武具を取った。そして、谷へと続く山腹をこっそりと下りていった。

 ブリテン人は裸で地面に転がり、ぐっすりと眠っている異教徒の只中にやってきた。

 非常に激しい虐殺のため、剣さばきは実に満足の行くものだった。

 ブリテン人は、敵の胸に剣を深々と突き立てた。

 彼らは、頭と腕と足を身体から切り離した。

 ブリテン人は、ライオンのように敵の只中をまわった。

 彼らは獲物の前で飢えたライオンに等しかった。雄羊も子羊も、小さいものだろうと大きなものであろうと、群れのすべての羊を殺した。

 ブリテン人は、槍兵も隊長も惜しまず、実行した。

 異教徒は完全に慌てふためいた。

 彼らは思い睡眠の中にいたのだ。武具を手に取ることも、戦場から逃げ出すこともできなかった。

 無防備なすべてのものたちに示される慈悲はなかった。

 武装していても、裸のままでも、剣は胸を、心臓を、腸を刺し貫いた。

 キリスト教徒は完全に彼らを打ち滅ぼし、異教徒はこの地から消滅した。

 軍隊――ブリテンを悩ませていた――の君主であるOctaとOssaは、生きて連れて行かれた。

 彼らはロンドンに連れて行かれ、堅牢な牢獄に投獄され、鉄の枷に繋がれた。

 もしも、彼らの仲間の誰かが戦闘から脱出したのであれば、それは夜の暗闇に乗じたものだけだったろう。

 逃げることが出来た彼は、戦場から走り去っていった。

 彼は、馴染みの友人を助けるために留まったりはしなかった。

 しかし、より多くのことが驚きのうちに終わり、安全に過ぎ去ったものは捨て置かれた。

 Utherはヨークを離れた後、ノーサンバーランドのあらゆる場所を通った。

 彼は巨大な軍隊と数多くの船を引き連れてノーサンバーランドからスコットランドへと入った。

 彼は土地のあらゆる場所を、完全に粛清して回った。

 虐げられていた隣人の人々は、彼らの権利を彼に確認された。

 Utherの時代ほど、王国に平穏と平和がもたらされたことは、かつてなかった。

 Utherは北の果てまで仕事を行き渡らせたのち、復活祭に王冠を掲げるためにロンドンに向かった。

 Utherは豪華で豊かな宴会を開くよう求めた。

 したがって、彼は公爵、伯爵、市長を、それこそ近くのものにも遠くのものにも、書簡と伝言を送った。妻と関係者の家族を連れて、ロンドンでの彼の宴会に参加するようにと。

 そして全ての領主は王命に従い、命令通り妻をともなってやってきた。

 とても贅沢な宴会が開催された。

 ミサの祈りの後、沢山の仲間たちは肉を食べるためにホールへと向かった。

 王は彼のホールの頂点の高座に座った。

 王国の領主たちは、それぞれの序列と等級に従い、彼の周囲に並んでいた。

 コーンウォール伯は王の身体のすぐ近くにいたために、その人は他の人の上で見られた。

 伯爵の横に座っていたのは、彼の妻Igerneだった。

 それは、どんな土地でも見たことがないほどの美しさだった。

 まこと、婦人の礼儀正しさたるや、気高い貴族のそれであり、彼女の美しさと同じくらい素晴らしかった。


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