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プロローグ…U―120…

もう1人(?)の主人公U―120の紹介になります。


U―ボート…第一次・第二次世界大戦中、海の狼と呼ばれて恐れられた彼女達(U―ボート)は広大な海洋に展開し幾多の標的を深海へと誘い、そして多くが深海に旅立っていった。

U―120…彼女は多くのU―ボートの中でも一際異彩を放つ経歴に包まれた(ふね)として戦史にその名を刻んでいる。

沿岸用小型U―ボートⅡBの1隻として1940年に就役した彼女は、本来ドイツ海軍(クリーグスマリーネ)所属として建造されたU―ボートでは無く中華民国海軍向けに建造されていた2隻のU―ボートの内の1隻であり、第二次世界大戦の開戦によって姉妹艦であるU―121と共にドイツ海軍に接収されて完成した異色の経歴を持つU―ボートである。

完成以降、Ⅱ型に属する多くのU―ボートと共に訓練用U―ボートとして運用されていた彼女だったが1942年1月に発令された国家総動員令によって大きな転機がもたらされる事となった。

国家総動員令の公布によって増加しつつあるパイロットの補充要員としてドイツ空軍(ルフトバッフェ)が女性パイロットを採用し始めたのに対して海軍も拡充を続ける小型戦闘艇部隊の要員として女性乗員の錬成を開始、更に試験的に女性U―ボート乗員の錬成を行う事となりU―120が訓練艦として指定された。

そして女性U―ボート乗員の訓練艦となったU―120は試験的に採用された女性U―ボート乗員達と共にバルト海で訓練にあたるが、その訓練も終わりに近付いた1942年4月、ドイツ海軍は女性乗員の錬成を小型戦闘艇乗員に絞り込む事を決定して女性U―ボート乗員のこれ以上の錬成を断念し、錬成中の乗員については搭乗艦であるU―120を実戦艦に復帰させる事によって戦力化される事が決定された。

実戦艦に復帰したU―120は艦長のエルザ・カールテンベルク大尉以下26名の乗員と共に第30U―ボート戦隊の一員として同盟国ルーマニアのコンスタンツァに派遣され、黒海方面での哨戒任務に就く事になった。

これから始まるのは世界海戦史上初めて(そして恐らくは唯一の)女性乗員のみによって運用された1隻のU―ボートの物語である。

うら若き乙女達と共に黒海戦線に足跡を残した小さな潜水艦の物語、お暇であれば脚を止め、暫しの間お付き合い下さい。


U―120(ⅡB型)


要目

全長42・7メートル

最大幅4・08メートル

水上排水量279トン

水中排水量328トン


主機

ディーゼル・エンジン(350PS)×2


電動機(180PS)×2


電池×62


速力

水上13ノット

水中7ノット


航続距離(水上)

3100海里(8ノット)


武装

20ミリ連装機銃×1

530ミリ魚雷発射菅×3(搭載魚雷6本)


乗員


エルザ・カールテンベルク大尉以下26名(総員・女性)


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