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ピンクの季節に恋をして  作者: Suta
ピンクの季節に恋をして
3/16

期末テスト

この物語は、平凡な高校生の主人公が、学校のアイドルと少しずつ距離を縮めていく日常を描いたものです。

誰もが経験する初恋のドキドキや、心がふわりと温かくなる瞬間を、読んでくださる皆さんにも感じてもらえたら嬉しいです。

僕の初めて書く作品ですが、主人公と学校のアイドルの物語の世界へどうぞお付き合いください。

(1)期末テスト


あれから数日たち、テスト前日。

ずっと莉羅(りら)と勉強していた。


莉羅が、家でもしっかり勉強できるようにと、ノートをくれた。

そのノートには、全教科の重要ポイントがぎっしりまとめられていた。

きっと、すごく時間がかかったはず。

どうして、ここまでしてくれるんだろう。

でも……本当に助かった。


時計を見ると、19時になっていた。


「そろそろ終わろう!」と莉羅が言う。

「そうだね。でも、ありがとう。」

「え?何が?」

「いや、一緒に勉強してくれるのもそうだけど、ノートも」

「どういたしましてー!」と笑顔で答える。


いつ見ても、莉羅の笑顔はキラキラしている。

希望が溢れているみたいだ。


「テスト、頑張ってね!」

莉羅は腕を曲げて、グーにした手を胸の前で突き上げる。

笑顔で応援してくれる姿が嬉しくて、胸の奥がじんわり温かくなった。


僕は家に帰り、ご飯を食べ、お風呂に入り、復習してから就寝した。


——次の日


テストを受けていた。

いつもは難しく感じる問題も、不思議と簡単に思えた。

きっと、莉羅がまとめてくれたノートと教えてくれた時間のおかげだ。


テスト初日から3日がたち、期末テストが終了した。

自信はある。


次の日、答案が返却された。

結果はどの教科も高得点。

順位は6位。

こんなに取れたのは初めてだった。


莉羅は……1位。

さすがだ。


「ご褒美にケーキでも買って帰ろうかな」

そんなことを考えながら、僕は下校した。


(2)ケーキ


放課後、僕はケーキを買い、莉羅の家に向かった。


呼び鈴を押すと、「ピンポーン」と軽い音が響いた。

「はーい」と中から声が聞こえる。


ドアが開くと、そこにいたのはエプロン姿の莉羅だった。

淡いピンクのエプロンが、制服とはまた違った柔らかい雰囲気をまとわせていて、思わず息をのむ。

——かわいい。

普段の莉羅も十分可愛いのに、今日はなんだか特別に見えた。

その姿に見とれていると、ふんわり甘い香りが鼻をくすぐり、胸の奥が温かくなる。

まるで家庭的な優しさに包まれたみたいで、自然と笑顔になった。


「ほんわり甘いにおい……お菓子でも作ってたのかな」

僕はそう思った。


「あ、しゅ、俊君(しゅんくん)!?」

驚いたのか、莉羅がつまずく。

思わず僕は手を伸ばして支える。


「あ、ありがとう……俊君」

頬と耳を赤く染めながら、莉羅は小さな声で言った。


「大丈夫?なにか作ってたの?」

「え!? あ、いや、別に……何も作ってないよ?」

両手をもじもじさせながら答える。

言いたくなさそうだったので、深追いはやめておくことにした。


「そういえば、どうしたの?」と莉羅が聞く。

「ああ、莉羅、テスト1位だったでしょ?だからケーキを買ってきたんだ」

「あ、ありがとう!!!」

莉羅はぱっと花が咲いたような笑顔を見せた。


「いや、そんなに気にしなくていいよ」

「ううん!大事に食べるね!……ねえ、2時間後に俊君の家に行ってもいい?」

「え、うん。いいけど、どうしたの?」

「なんでもないよ!楽しみにしててね!」

「う、うん……」


「じゃあ、また2時間後!」

「うん、2時間後」


自分の部屋に戻った僕は、“一体なんだろう”と考えながら、少し落ち着かない気持ちで待っていた。


——2時間後


ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴った。

莉羅が来たらしい。


ドアを開けると、思わず息をのむ。

そこに立っていたのは、可愛らしい私服姿の莉羅だった。

柔らかなピンク色のスカートに、白いシャツ。

シンプルな組み合わせなのに、色合いが甘く、女の子らしさが溢れている。

さらに髪はいつもと違い、巻き髪になっていた。

巻き髪がふわっと揺れるたび、つやつやしていて、思わず触れたくなるほど魅力的だった。


「お待たせ!」

にこっと笑うその顔に、胸が甘く締めつけられる。


「う、うん」

「これ!ケーキ作ったの!急いで作ったから、味見してないけど、ぜひ食べて!!」

箱に入ったケーキを手渡しながら言った。

「うん!ありがとう!」

自分の表情が分からない。

でも、今までにないくらい笑顔だったと思う。


「今から、家に上がる?」と僕が尋ねると、

「あ、ごめん……今から用事があって」

莉羅はとても残念そうな表情で答えた。


(3)ケーキの味


少し雑談したあと、僕たちは別れた。


やっぱり、かわいかったな。

あの時、ケーキ作ってのか。


僕は、ケーキを箱から出して見た。

ショートケーキだ。

見た目もとても美しい。

甘い香りがふんわり漂う。


僕はキッチンからフォークを持ち、ケーキを口に運ぶ。

——とってもしょっぱかった。


多分、砂糖と塩を間違えたのだろう。

——やっぱり、ドジだ。


それでも僕は、食べ終えたケーキの皿を洗いながら思った。

確かに、とても塩辛かった。

——でも、とってもおいしかった。


その夜、莉羅から通知が届いた。

「ごめん。砂糖と塩を間違えてたみたい。おいしくなかったよね……」


間違えに気づいたらしい。

「確かに、砂糖と塩を間違えてたけど、とってもおいしかったよ」


——これは、嘘ではなく事実。


本当においしかった。

——本当に。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

初めての作品なので、感想やご指摘などを書いてもらえると、とても嬉しいです。

確認はしましたが、誤字脱字がある可能性もあるので、どうぞよろしくお願いします。


読んでくださった皆さんにも、俊や莉羅のように、少しドキドキして、少し温かい気持ちになってもらえたなら幸いです。


これからも、二人のちょっとした日常や恋の進展を描いていけたらと思っています。応援してもらえると嬉しいです。

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