お正月
この物語は、平凡な高校生の主人公が、学校のアイドルと少しずつ距離を縮めていく日常を描いたものです。
誰もが経験する初恋のドキドキや、心がふわりと温かくなる瞬間を、読んでくださる皆さんにも感じてもらえたら嬉しいです。
僕の初めて書く作品ですが、主人公と学校のアイドルの物語の世界へどうぞお付き合いください。
(1) 連絡
クリスマスデートも終わり、もうすぐお正月。
僕の両親は海外に行っていていない。
確か、莉羅の両親も海外に行っていていないはず。
お正月一緒に過ごさないか聞くか。
「お正月一緒に過ごさない?」
すぐに既読が付いた。
「いいよー!なんならさ、一緒に年越しそば食べようよ!!私の家に泊まりに来てさ!」
「僕は嬉しいけど、いいの?」
「うん!もちろん!じゃあ、18時くらいに来て!夜ご飯用意してるね!」
「わかった!ありがとう。」
莉羅の家でお泊まり......
その後、1時間くらい、雑談をした。
淡いピンク色の部屋。
しゅ、俊くんが家に来るーー!!
私は布団の上で寝っ転がり、足をバタバタさせる。
よし!
そばとおせち作るか!
「俊くん、喜ぶかな」
......
(2) 年越しそば
12月31日の18時になった。
僕は莉羅の家に行く。
――ピンポーン
僕は呼び鈴を押した。
少ししたら、莉羅がドアを開けた。
「こんばんは! 家に入って!!」
「うん、ありがとう。」
「ご飯できてるけど、食べる?」
「うん!食べる。」
「わかった!」
リビングに来た。
リビングの机の上に豪華な料理が並んでいる。
白米や唐揚げ、サラダ。
他にもたくさんの料理がある。
これ、わざわざ作ってくれたのか。
今の僕の気持ちが表現できない。
「すごいね!自分で作ったの?」
「うん!俊君が食べるって思ったら張り切ってたくさん作ったの!」
僕たちは椅子に座り"いただきます"と言った。
それはもう、凄かった。
白米は透き通っている。
そして、噛むとほのかな甘みと上品な香りが感じられる。
唐揚げは表面はカリッと香ばしい。
中はジューシーで肉汁が溢れる。
全てが出来たてで、ホクホクしていた。
今までのご飯の中で1番美味しいかもしれない。
「美味しそうに食べるね!」
莉羅が突然そう言ってきた。
「まあ、実際美味しいもん。美味しいものは美味しく食べないと!」
「そっか!ありがとね!」
莉羅は花がほころぶように優しい笑顔で言った。
いつの間にか完食していた。
「ご馳走様でした。」と僕が言う。
そうしたら、莉羅が
「そういえば、お風呂って入った?一応、お風呂たまってるけど...」と笑顔で僕に言う。
「まだ、入ってないや。」
「じゃあ、入ってきていいよ!」
「わかった 。ありがとう!」
僕は、お風呂を案内され、お風呂に入った。
僕はお風呂を上がり、リビングに戻った。
莉羅がそばを作っていた。
1から作っていて驚いた。
真剣に作っていて僕が帰ってきたことにも気づいてないらしい。
僕は、素直に凄いなと思った
莉羅が作り終え、僕がいることに気づいた。
「わ!お風呂上がってたの?」
莉羅の体がビクッとなった。
僕がいることにかなり驚いたらしい。
「蕎麦作れるけど今から食べる?」
「うん!食べたい。」
「分かった!作るね!」
莉羅は笑顔で言った。
そうして、莉羅はキッチンに向かった。
10分後、莉羅が"できたよ!"と言った。
「早いね!ありがとう。」
「全然!大丈夫だよ!」
僕たちは席に座り"いただきます"と言う。
1口食べる。
これは、すごい!
莉羅の料理は全部すごいな。
去年までの年越しそばは"ただ美味しい"だけだったのに、莉羅が作った料理は全然違う。
僕じゃこの味を言葉に出来ない。
僕は、すぐに完食した。
(3) 新年
現在の時刻は11時59分。
あと1分で新年。
莉羅もそばを完食したらしい。
「もうすぐで新年だね!私、嬉しいな。」
莉羅が突然そう言った。
「何が嬉しいの?」
「新年になることもだけど、何よりも嬉しいのは......いや、なんでもない!」
莉羅が僕の顔をじっと見ながら言った。
新年まであと10秒
9
8
7
6
5
4
3
2
1
「新年明けましておめでとう!!!」
僕たちは一緒にそう言った。
そうして、僕たちは少し雑談した。
「そろそろ寝る?」と莉羅が言った。
「そうだね。そろそろ寝ようか。」
僕たちは歯磨きをした。
歯を磨き終えた時に、僕はふと思った。
あれ、僕ってどこで寝るんだ。と。
「り、莉羅?僕ってどこで寝るの?」
「えっ。私の部屋だけど......」
莉羅が"何当たり前のこと言っているの?"という表情で言う。
僕たちは莉羅の部屋に向かう。
え、まじで......?
僕は、そう思った。
僕の彼女、警戒心無さすぎないか......
莉羅の部屋に着き、莉羅はそのままベッドに潜り込んだ。
僕が、悩んでいたら、莉羅がポンポンとベッドを叩く。
来て。ということだろう。
僕は、それを断ることが出来ず、ベッドに入った。
僕はてっきり、寝れないとばかり思っていた。
でも、なんだかんだすぐに人間は寝れるらしい。
布団に入って1分後くらいに僕は寝付いた。
しゅ、俊君が私のベッドに入ってる!!!!
俊君には、私が平然としてるように見えたかな。
実際にはめちゃくちゃ心臓がうるさかったけど...
彼女とのベッド。
これは、そういう展開になるのでは!!
というか、なって欲しい......
そう思い、寝たフリをしながら、俊君を見る。
そうしたら、俊君は普通に寝ていた。
「え。」
私は思わず声を出した。
まあ、現実そう上手くいかないよね。
でも、寝顔を見れただけで満足かも...!
私も寝よう。
そう思い、寝ようとするが、俊君の寝息が聞こえる。
寝れない...
なんで、俊君すぐに寝れたの。
私は、気持ちが少し落ち込みながらも、なんだかんだ寝付けた。
(4)おせち
次の日になった。
僕は起きたが莉羅はまだ寝てるらしい。
服がズレて、見えてはいけない場所が見えそうだったので、服を戻し、僕はリビングに向かった。
やっぱ警戒心無さすぎないか。
まあ、僕も言えたことではないか......
1時間後くらいだろうか。
莉羅が起きてきた。
「おはよう。」僕は莉羅にそう言った。
「おはよう。」莉羅は今にも消えそうな声でそう言った。
莉羅は朝に弱いらしい。
莉羅の髪はボサボサしていて、髪が跳ねている。
なんか、こういう姿見るの初めてだな。
――可愛い
僕はその姿をみてそう思った。
莉羅が起きて1時間後くらいだろうか。
莉羅がキッチンから何かを持ってきた。
「これ!俊君のために作ったの!一緒に食べよ?」
莉羅はおせちを持ってきたらしい。
黒豆や数の子、田作り、栗きんとん、エビ、鯛など、たくさんの種類があった。
「いただきます。」僕たちはそう言い、食べ始めた。
莉羅のおせちはものすごく美味しかった。
全てが完璧。
プロ顔負けレベルだ。
これを食べれる僕、幸せすぎないか。
僕はそう思った。
食べ終わり、少し経った。
気づけばもうすぐでお昼になる。
「ごめん。今日お昼からやることがあるの。」
「わかった!じゃあ、家に戻るね!」
「ごめんね。」
「全然!本当にありがとね!料理とても美味しかったよ!」
僕は、そう言い、自分の家に戻った。
この2日間はとても楽しかった。
莉羅って料理上手なんだな。
そういえば、莉羅のドジが無くなった気がする。
僕は、莉羅のことをより知れて、嬉しかったな。
来年も一緒に過ごしたいな。
僕はそう思ったのだった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
初めての作品なので、感想やご指摘などを書いてもらえると、とても嬉しいです。
確認はしましたが、誤字脱字がある可能性もあるので、どうぞよろしくお願いします。
読んでくださった皆さんにも、俊や莉羅のように、少しドキドキして、少し温かい気持ちになってもらえたなら幸いです。
これからも、二人のちょっとした日常や恋の進展を描いていけたらと思っています。応援してもらえると嬉しいです。