クリスマス
この物語は、平凡な高校生の主人公が、学校のアイドルと少しずつ距離を縮めていく日常を描いたものです。
誰もが経験する初恋のドキドキや、心がふわりと温かくなる瞬間を、読んでくださる皆さんにも感じてもらえたら嬉しいです。
僕の初めて書く作品ですが、主人公と学校のアイドルの物語の世界へどうぞお付き合いください。
(1) 誘う
莉羅にプレゼントを渡してから、数ヶ月経った。
今日から冬休み。
そして、冬休みと言ったら、クリスマスイヴ。
僕は、その日に莉羅とどっか遊びに行きたいと考えてる。
いわゆる、"クリスマスデート"と言うやつだ。
誘う、か。
僕は莉羅に連絡する。
「おはよ。クリスマスイヴって空いてる?」
10分後くらいだろうか。
既読が付いた。
この10分間、胸がドキドキしてうるさかった。
これが、"好き"ってやつなのかもな。
付き合ってかなり経つけど、やはり好きを完全に理解出来ない。
そんな事を考えていたら返信が来た。
「うん!クリスマスイヴ空いてるよ!どうして?」
「一緒に、どこか行きたいなって思って......」
「いいじゃん!行こうよ!!付き合って初めてのデートだね!」
「じゃあ、映画館とか行く?」
「うん!じゃあ、9時に家に行くね!」
良かった。
断られていたら、ショック死してたかも。
楽しみだなー。
どんな映画見ようか。
そういえば、莉羅についてあんま知らないな。
もっと莉羅のこと知りたいな。
僕は、そう思うのだった。
(2)クリスマスデート
そうして、クリスマスイヴ当日の9時。
もうすぐ莉羅が来るはず。
――ピーンポーン
とチャイムがなった。
莉羅が来たらしい。
――ガチャリ
と僕がドアを開ける。
そこに立っていたのは、莉羅。
でもいつもとは雰囲気が違う。
なんでだろうか。
化粧を薄くしている、気がする。
服は黒色のスカートに淡い水色のシャツ。
いつもの服とは違う。
色の感じが違う。
でも、可愛い。
どう表現すればいいのだろう。
そう、まるでお花畑のような
そんな感じがする。
そうして、僕たちは電車に乗り、映画館に着いた。
「莉羅ってどういう映画が好きなの?」
「私?私は、恋愛系とか好きだよ?あ、これ今話題の恋愛映画なの!今日、観ない?」
上映中と書かれた、恋愛映画のポスターを指しながら言った。
「分かった!それ観よう。」
僕たちはチケットとポップコーンを買い、映画の席に着く。
莉羅がポップコーンを掴み、僕の口前に持っていき、"あーん"という。
僕は、反射でそれを食べてしまった。
すると、莉羅が"ふふふ"と笑った。
そんな事をしていたら、映画が始まった。
1時間後くらいだろうか。
終盤に入り、主人公とヒロインがキスをする場面。
僕は、その時莉羅の方を向いた。
莉羅と、いつか......
僕の視線に気づいたのか、莉羅もこちらを向く。
これは、行けるのでは...!
僕はそう思い、莉羅の肩を掴む。
莉羅の表情が分からない。
いや、じゃないだろうか。
そうして、莉羅の顔に近づけようとする。
その瞬間、電気が付いた。
映画が終わったらしい。
正直、胸がかなり痛い。
莉羅の表情を見る。
その表情は、頬を真っ赤にして、目を泳いでいて、口をパクパクさせている。
少なからず、嫌だとは思われて無さそうで安心した。
そうして、僕たちはショッピングをすることになった。
正直、僕は買いたい物がない。
「莉羅は、なにか買いたいものあるの?」
と僕が質問する。
「そうですね。洋服、とか買いたいです!!」
「わかった!買いに行こうか。」
そうして僕らは服屋に向かった。
「これとかどうですかね。」
全体が淡い水色のワンピースを持ちながら莉羅が言った。
「あ、いいんじゃない?」
「1回、着てきます!」
莉羅が試着室に向かった。
少ししたら莉羅が出てきた。
その姿を見た瞬間、息を呑んだ。
周りのお客さんもこちらを見ている気がする。
その姿は可愛い。とても可愛い。
僕は率直に、
「めちゃくちゃ可愛いと思う!」と言った。
「じゃあ、これ買います!!」と莉羅はこどものように無邪気に言った。
そこから数店舗回った。
気づいていたら、夜になっていた。
全然気づかなかった。
莉羅のお腹がぐーとなる。
莉羅は顔全体を真っ赤にし、今にも消えそうな声で、すみませんと言った。
「ご飯、食べよう!お昼ご飯忘れてたし。」
「は、はい!!」
そうして、僕たちはご飯屋さんに入った。
莉羅は相当お腹が空いていたようで、かなり食べていた。
やっぱり、食べるのが好きなのだろう。
2人とも食べ終わり、会計に行く。
莉羅は割り勘が絶対いいらしく、割り勘になった。
正直、奢るつもりだったので、悔しい気持ちがあった。
まあ、時代が変わっているということだろう。
そうして僕たちは家に帰った。
1日というのは本当に一瞬だ。
僕は改めて、それを実感した。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
初めての作品なので、感想やご指摘などを書いてもらえると、とても嬉しいです。
確認はしましたが、誤字脱字がある可能性もあるので、どうぞよろしくお願いします。
読んでくださった皆さんにも、俊や莉羅のように、少しドキドキして、少し温かい気持ちになってもらえたなら幸いです。
これからも、二人のちょっとした日常や恋の進展を描いていけたらと思っています。応援してもらえると嬉しいです。