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2 出会い

「味は普通ね、不味くもないし美味しくもないわ」

「文句を言うくらいなら返してくれませんかね!」

「嫌よ!お腹が空いているんだから!」

目の前に俺の2日分の食料をもぐもぐと食べる目を赤く腫らした美少女の姿がいる

(........どうしてこんなことに、はぁ不幸だ)


〜遡ること10分前〜〜


足を掴まれたところから始まる


「なんで逃げようとするのッ!道端に空腹で倒れているレディを助けようとは思わないの?」


うつむいていたせいで顔が見えなかったがピンク色の髪の毛に赤い瞳をした14歳ほどの美少女が泥に塗れながら怒りに震えていた

(申し訳ないけど俺の平穏な生活のためだ、許してくれ)

そんなことを考えながら再び足を進めようとすると

ハ、ハッ、ハクションッ!

と急にくしゃみが出始めた

ハクションッ!ブエクッション!ハッッックシュン!

(あれ?おかしいなそこまで寒くもないし埃があるわけでもないのになんでだ?)

(まさか!)

後ろを振り返るとそこには泥だらけの美少女がドヤ顔で立っていた


「どう?これで私を助ける気になったかしら?」

「これハクションッ、は何なんだ、なハクションッ!でくしゃみハクションッ!が止まらないんハクションッ!」

「もう!ハクションッ、ハクションッ、うるさいわね、これは私がかけた魔法よ!この魔法を解除してほしいならさっさと食料をよこしなさい!」

「クソ、ハクションッ!なんてハクションッ!卑劣な」

(クソッ....どうしたらいいんだ、こんな生意気なクソガキに俺の貴重な食料を渡したくない)

(そういえばこいつ俺がくしゃみしているせいか近づいてこないな、そうだ!)


いいアイデアが思い浮かんだ俺はバックからおもむろに食料を取り出し、その一つにくしゃみをした

(ハッハハハ、流石に人の唾と鼻水が付いた食べたくないだろう、俺の勝ちだ!魔法を解かないんだったらこのままバックにある全ての食料に唾と鼻水をつけてやる)

計画を実行に移すためにカバンの中からもう一つ食料を取り出そうとしたとき急にくしゃみが止まった

(よし、諦めたか、今のうちにさっさと逃げよう)

そう思い急いでこの場を立ち去ろうとすると


「グスッ、グスなんでぞんなひどい事するの?私はお腹が空いていたから分けてほしかっただけなのに」


少女のほうが泣き出してしまった

(いや、なんでも何もあなたが魔法を使ったからですけど?)

しかし、そんなことを思っても目の前で見ず知らずの美少女が泣いている罪悪感に耐えきれず、まだ唾も鼻水もかかっていない保存食を少女に渡したのであった

そんなこんなで冒頭に戻る

俺の保存食2日分を平らげた忌々しい少女は満足そうにお腹を擦っている

そんな少女にずっと気になっていた質問を投げかける


「それで、なんでこんなところに泥だらけで倒れていたんですか?」

「あら、私としたことが自己紹介がまだだったわね!聞いて驚きなさい!この私こそが第77代目魔王シルク・バスキアス・ベルトスよ!」


ネーミングセンス皆無のため名前に王という言葉を入れるとかいう暴挙

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