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星の降る夜に  作者: 美桜
金枠のうさぎ
6/13

2-3




奇跡的に章わけ出来ましたー!!







川で遊び疲れた双子がよろよろと歩いてくる気配に体を起こせば全身ずぶ濡れの双子が視界に移る。そんな双子にテギウスは苦笑しながら手を横に降れば、水が滴り落ちていた服が乾く。




「おウマさんありがとう!!」



「テギウスありがとう」



「よいよい。それよりお腹を空かせているだろう。休憩がてらにお弁当を食べるとしよう」




テギウスの言葉にポルスの顔色が悪くなり、私、お弁当ほりなげちゃった…………と呟いた。




「あーっと…………見た目はどうであれ、食べれるんだし…………次に……ね?」




泣きそうな妹にオロオロするカルス。私はテギウスから弁当箱を受け取り、星の数え歌。とつぶやきお弁当箱の蓋を撫で、開けてごらん?とポルスに渡す。ポルスは視線をさまよわせてからゆっくりとお弁当箱の蓋に手をかける。



カパッと開けられたお弁当箱の中は綺麗に並べられていてキョトンと私を見るポルスと泣きそうな表情がキョトン顔に変わった妹にほっとするカルス。収まりきらなかったポルスの涙を親指で拭い頭を撫でる。




「いつもありがとう。味も見た目もこだわって作ってくれてるんだよね?」



「…………お、驚いた。いつもめんどくさそうにとか眠そうに食べてたから気がついてないと思ってた…………」




「そんな事ないよ。してもらってるんだからちゃんと味わってるし、見てるよ」



「そ、そう?まぁ、スバルは自分で何もしないから…………か、感謝してちょーだいよね!」



「すごく感謝してるよ。いつも私を世話してくれてありがとうポルスママ」



「誰がママよ!ポルス、もし王子様と出会って結婚して子供が出来たとしてもスバルみたいな子供はヤダ」




俺もー。とカルスの言葉にサンドウィッチを手に笑うテギウス。私はそんな3人になんだよー。と、呟きながらもサンドウィッチにかぶりついた。




2人はさ……勉強したい?と私の問いに双子は顔を見合せてから少し視線をさまよわせ、そして小さく頷いた。そんな双子の、頭を撫で私はそっか。偉いなー!私より賢くなって、偉い仕事場について私を養えー。と言えばブーイングの嵐。私はそのブーイングを聞き流しながらおなかいっぱいと、お腹を撫で寝転んだ。




また寝ようとする!!食べた後に寝転んだら牛になるよ!?というポルスの言葉を聴きながら私は大きな欠伸をした。




「ちょっとペース上げて食えー雨降ってくるぞー」




なんて言った私に双子は怪しー!と騒ぎながらも少し早めに食べ終えてからになった弁当箱とカゴを持って家へと帰る。



家に着く1歩手前で雨にやられて4人揃ってずぶ濡れで家に入れば、おかえりぴょん!と家に連れ帰っていたピンクのうさぎが飛び跳ねていた。




「うさぎって喋るっけ?」




ボソッと呟いた私にテギウスが少し考えた後、このうさぎは……上位ランクの魔物だろう。そうとしか考えられん。頭を抱えそうな勢いでそうであって欲しい。と呟いた。どうやら野うさぎだと思って拾ったピンクのうさぎは魔物で……しかも上位ランク(であって欲しい)と言う魔物であった。



まぁ、魔物でも色々ありまして、自分以外の生物に攻撃する魔物、圧倒的に少ないが攻撃しない魔物、寄生する害がない魔物、寄生する害のある魔物などなどが存在するが……どうやらこの魔物は攻撃しないタイプだそうで……何故かすんなりと喋るうさぎを受け入れた双子と楽しそうに戯れているのを横目に見る。




「それにしても、回復早過ぎないか?」



「うーん、それはきっと聖なる星のなる木の近くだったからって言うのもあると思うぴょん!それより、誰でもいいから名前をつけて欲しいぴょん!」




ポチ。と口にした瞬間、目にも見えぬ速さで蹴りを入れられ、家の外に転がり出る。あいてて、とけられた背中を抑えながら家主は私ぞ!?とピンクのうさぎを見れば可愛らしい見た目をしながらもどこか氷のような冷たい目で私を見下ろしているピンクのうさぎがいた。




「黙れ。ふざけた名前をつけたら容赦なく突き回す………………ぴょん」




ヒューと冷たい風が吹いたように思えブルリと体が震える。綺麗なものには刺があるように、可愛いものには裏があるのかもしれない。なんて思いながらも立ち上がり、明らかに笑うのを我慢しているテギウスをじとりと睨む。




「ラナなんでどう?」



「ラナ?どういう意味があるぴょん?」




あざと可愛く首を傾げるピンクのうさぎにぴょん吉と名付けてやろうか。と思いつつ、ただ浮かんだ言葉を言っただけ。と言えばピンクのうさぎがジト目で私を見つめてくる。



文句があるならぴょん吉とかぴょん太郎にするけど?と言えばラナでいいぴょん。と跳ねて空中で一回転して地に降りるまでの間にラナの首には金色の首輪がはめられていた。



これは驚いた…………とこぼしたテギウスに説明を求めれば、仲間に(テイム)した相手のランクが高ければ高いほど首輪の色が輝かしい色に変わるらしい。そしてどうやらラナは魔物ではなく聖獣で聖獣はなかなか仲間に(テイム)することが難しい存在出そう。




「ラナは高貴な生き物ぴょん!聖獣の中ではまだまだ下の方だけど金枠なのでレア生物ぴょん!だから崇め称えろ」




最後スン。と無表情になるラナに私もスンとして無理。と即答しながらも金枠の次は何枠なの?と聞けばプラチナだと言う。




「プラチナは滅多に見られない生き物だ」



「そもそも、聞いても仲間になるまで枠の色なんて見られないんだから聞くだけ無駄だったね」



「そうでも無いだろう。星の実ができススモルの華が生え、聖獣のラナと会ったんだ。意外とプラチナ枠の聖獣にすぐに会えるかもしれんぞ?」




なんて、私に興味をなくしたラナがポルスに撫でられ喜んでいるのを見ながら呟いたテギウスに苦笑する。次に会いたいのは人間。双子に勉強を教えてくれる存在に出会いたい。と口にしたそれは少し遠い未来に願いとして叶えられるのはまた別の話し。




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